累計2.5億円調達の株式会社fondiが創造する、メタバース空間での海外生活の未来
擬似海外生活を体験するメタバース空間を運営する株式会社fondi がプレシリーズAラウンドにて、第三者割当増資による1.7億円の資金調達を実施したことを明らかにした。
今回のラウンドでの引受先は、ANRI、Skyland Ventures、ココナラスキルパートナーズ、90s、デジサーチアンドアドバタイジングとエンジェル投資家の中澤慧氏。
調達した資金は、アプリのコンテンツやゲーム機能の拡充のための人材の採用に充て、グローバルな事業拡大とトークンエコノミーの実現を目指すとしている。
今回の資金調達に際して、株式会社fondiの代表取締役CEO 野原氏に、詳しく話を伺った。
―― まずは、御社の事業についてお聞かせください。
野原氏:弊社は、「カタコト英語から始まる、バーチャル海外生活」というコンセプトで、実践的に英会話を学べるメタバース空間を運営しています。ユーザーはアバターを介して他のユーザーとコミュニケーションを取ることができ、擬似海外生活を送る中で実用的な英会話能力を身につけていくことができます。1日15分間、1部エリアを無料で利用することができ、エリアと時間を無制限で使用できるサービスを有料で提供しています。94%超の海外利用率で特にAPAC地域やアフリカ諸国にユーザーが集中しています。
―― fondiが取り組む課題や業界の「不」について、教えてください。
これまでオンライン英会話のような学習サービスでは、ユーザーにとって実用的に英語を使えるようになる重要性は高いものの、経済的な余裕がなく手が届かないという課題がありました。また、英語を話すことへの心理的ハードルが高く、躊躇してしまう方も多くいます。そこで弊社は、メタバース上で他の英語学習者と共に実践的に学び、英語への自信をつけられる安価なサービスを展開しています。
特長としては、英会話能力を高めるための一通りの体験を提供していることです。まず、ユーザーはアバターを使って顔を見せずに話す中で、英会話の成功体験を得ることができます。そして、バーチャル空間では様々な会話コンテンツを介して他のユーザーと交流し、仲を深めることができます。そこで安心して英語を話すうちに、英語への自信がついていきます。
他の学習アプリやレッスンサービスとの大きな違いは、弊社のサービスは実際に音声で会話することをベースに設計されていることです。そのため、ユーザーは卓上で先生と生徒として学習するのではなく、各地域から集まる英語学習者とのリアルな会話環境の中で多様なアクセントに触れ、ゆっくりとしたスピードで安心して会話ができます。
―― 現在のユーザー数について、教えてください。
ユーザー数は、2021年4月から伸び始め、現在は累計インストール数が33万件を突破しました。地域分布としては、インドネシアとベトナムで全体の40%程度を占めており、その他はモロッコ、エジプト、タイ、トルコ、中国などの8カ国9地域で主に利用されています。各国に共通してみられる特徴としては、経済成長率が高く英語を実用的に使えることが職業獲得に繋がることや、情勢上安全に暮らすための手段として海外移住が選択肢にあることです。
―― fondiを始めようと思ったきっかけを教えてください。
きっかけは、海外大学への進学です。僕が通っていた高校は進学校で、全員が東大を目指すようなところでした。僕自身、大学に行ってからやりたいことが分からないまま、勉強することに納得ができず、そこから離れるようにイギリスの大学に進学したところ、自分の生きたいように生きる人たちに驚いたんです。それまで自分が知らなかった価値観に触れ、交流していく体験を他の人にも届けたいと思い、ゲーム会社での新規事業インターンシップの経験もあって、まずは学生プロジェクト的に「留学コンパス」という留学サポートのサービスを始めました。しかし、いくら僕らが情報をきれいに伝えても、金銭面や心理的ハードルが高く留学を諦めてしまう人が多かったんです。そこでバーチャルでの留学体験を提供しようと考え、僕と共同創業者のCTOの二人でfondiを立ち上げ、その後ゲームやVR関連の事業会社からメンバーがジョインしてくれました。
―― 今回の資金調達の背景および調達した資金の使途について、教えてください。
今回資金調達をしたのは、初めてアプリを使うユーザーが心理的なハードル低く会話に参加できるよう、会話ゲームなどのコミュニケーションコンテンツを強化するためです。先ほど申し上げたとおり現在は主に8カ国で利用されていますが、学習意欲の高い一部のユーザーにしか届いていないという課題があります。そのため、アプリ上でコミュニケーションコンテンツに触れるとポイントが獲得できるようなゲーミフィケーションを取り入れた仕組みを作り、海外生活の疑似体験や会話への参加に対するユーザーの心の障壁をできる限り下げることが直近1、2年のテーマです。そして利用地域も20カ国くらいに広げていきたいと思っています。
―― 今後の長期的な展望を教えてください。
まず中長期的には、バーチャルの良さを活かしながら、学習性とエンタメ性の2つ性質を、バランスよく高めていきたいと考えています。今は英語学習がメインですが、バーチャル体験として楽しめるような要素やコンテンツをさらに増やしていきたいです。視覚的に理解するだけではなく、バーチャル空間に身体ごと没入することでよりリアルに海外生活を体験でき、意欲も高められると考えています。そして長期的には、世界中の人が世代を問わずに共に学ぶ「バーチャル大学」を作るというプロダクトビジョンを掲げ、事業展開を進めています。
―― 最後に、採用に向けてメッセージをお願いします。
私たちのビジネスの最大の特長は、日本からグローバルに事業を打ち出していることです。ソーシャルゲームの開発に関して、日本ほど市場が成熟していて、かつスキルセットが高いクリエイターがたくさんいる国はほとんどありません。メタバースは国の競争性としてもとても重要な市場として位置付けられています。グローバルの舞台でこれまで培ってきたスキルセットを活かして勝負していきたいと思う方には、ぜひジョインしていただきたいと思っています。共に面白いサービスを作っていきましょう。
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