株式会社あかり保証

高齢者向け身元保証サービスを提供するあかり保証は、インキュベイトファンド、京都キャピタルパートナーズ、セゾン・ベンチャーズ、弁護士ドットコムを引受先とする第三者割当増資により、8000万円の資金調達を実施した。
同社が提供するのは、高齢者が入院や介護施設へ入所する際に必要な身元保証人・連帯保証人となるサービス。身元保証のほか、親族への連絡や買い物の手伝いなどの日常生活支援や財産管理、遺体の確認や引き取りを実施する死後事務のサービスメニューを提供。身寄りのない高齢者や頼れる親族が近くにいない高齢者をサポートする。
サービスは昨年12月に開始した。同社を創業したのはリット法律事務所で代表弁護士を務める清水 勇希氏。契約の締結や財産管理はリット法律事務所の所属弁護士や司法書士などの専門家が実施し、入院・入居はケアマネジャーがサポートする。
日本では急速な高齢化が進行しており、単身高齢者や身寄りのない高齢者が増加している。2050年には、子供のいない高齢者が1000万人を超え、そのうち身寄りのない高齢者は400万人を超えると推計されている。
入院や介護施設への入所時に必要とされる「身元保証人」を確保できず、介護現場では本来の業務ではないにもかかわらず、ケアマネジャーが無償で引き受けているケースもある。こうしたケアマネジャーや医療スタッフからの引き合いが多いという。
身元保証のサービスは保証人になるほか、葬儀手続きや財産管理、緊急時の入院手続きなどサポートは多岐に渡る。業界には不動産業や葬儀業を本業とする事業者も多く、そのほとんどが財産管理や法務に関しては弁護士などに外注している。
あかり保証は弁護士法人を母体として運営するため外注費用を支払う必要がなく、他の事業者と比べて50万円から100万円程度安くサービスを提供しているという。

身元保証などの高齢者サポートサービスは、監督省庁や法規制の不在による消費者保護の不足、契約トラブルの増加、小規模事業者の乱立による品質の不安定さなどの課題が指摘されている。
トラブルの一つに寄付金に関する問題がある。財産目当ての悪質な事業者と契約してしまい、遺産からの寄付を強要されるなどのトラブルに発展する事例も存在するが、あかり保証は「寄付は一切受け取らない」としている。
また、サービスは国が定めるガイドラインをすべて遵守し、顧客の要望に合わせてサポート内容で契約を締結するほか、契約してから死後事務までに必要な顧客の与信や契約情報、財産健康状況等は自社開発のシステムで管理する。
これまで監督省庁や法規制がないことに起因したトラブルが発生していた高齢者サポートだが、昨年8月には、複数の官公庁による連名で「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」が発表された。法的拘束力を持つまでには至らずとも、「規制の整備が着実に進んでいる(清水氏)」という。

身元保証ニーズの増加とともに事業者も増える中、「優良事業者としての適切な契約締結や履行・体制づくりが重要」と清水氏は話す。まずは高齢者と身近に接するケアマネジャー向けのセミナー等を通じて、優良事業者としての認知拡大を目指す。
あかり保証はこれまで大阪と東京を拠点に展開してきた。今回の調達資金で名古屋や福岡など、全国主要都市への進出やシステム開発を強化する。
秋頃には追加の資金調達も計画。長期的にはIPOも視野に入れ、信頼性の高い事業基盤を築いていく方針だ。
「お客様のほとんどが、身元保証の事業者について詳しく調べているんです。自身の大切な財産を預ける相手を選ぶのですから慎重になるのも当然です。まずはしっかり安心いただけるサービスを提供し、『身元保証といえばあかり保証』と思っていただけるような信頼できる事業者になれるよう取り組んでいきたいと思います」(清水氏)