AIロボティクスのCloser Robotics、4.2億円を調達──現場起点の協働ロボット展開を本格化

AIロボティクスのCloser Robotics、4.2億円を調達──現場起点の協働ロボット展開を本格化

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AIロボット開発の株式会社Closer(以下「Closer Robotics」)は、Angel Bridgeをリード投資家とし、既存投資家のディープコアを引受先とする第三者割当増資に加え、三井住友銀行からの融資を組み合わせ、プレシリーズAラウンドの1stクローズとして総額4.2億円の資金調達を実施した。

Closer Roboticsは「ロボットをより身近に」「研究開発と現場のニーズをより近くに」という理念のもと、AI・ロボティクス製品の研究開発と社会実装を進めている筑波大学発のスタートアップだ。近年、人手不足が深刻化する製造業・物流業、特に食品・化粧品・医薬品産業では、これまで自動化が進みにくかった工程に対するロボット導入の需要が急増している。しかし従来のロボットシステムは、導入コストの高さや設定の複雑さ、柔軟性の欠如が障壁となっており、特に多品種生産や限られたスペースでの運用にはハードルが高かった。

こうした状況を背景に、Closer Roboticsは大手食品グループ、化粧品・医薬品メーカー、包装資材メーカーなどを中心にロボット導入を拡大している。

同社は、高度なアーム制御、3DビジョンAI、およびスマートフォン感覚で操作可能な独自ソフトウエアを開発し、「高度」かつ「誰でも簡単に」使えるロボットパッケージを提供している。主力製品として、重い積載作業を、専門知識なしで自動化する小型協働パレタイズロボット「Palletizy」、難易度の高い小袋のバラ積みピッキングを自動化する小袋移載ロボット「PickPacker」を展開している。

代表取締役の樋口翔太氏は、小学生の頃からロボット開発に取り組み、2017年にはRoboCup世界大会およびAsia-Pacific大会で優勝を果たした。高専機構理事長特別表彰を2度受賞したほか、孫正義育英財団の第3期生に認定、IPA未踏アドバンスド事業にも採択されるなど、若くして実績を重ねてきた。筑波大学大学院在学中の2021年11月にCloserを創業し、自動化が進んでいない食品産業をはじめとする各業界へのロボット導入を推進している。

樋口氏は、「今、現場は想像を超える人手不足に直面し、生産の維持さえ困難になっています。 しかし同じ作業に見えても現場ごとの要求は異なり、使いやすく汎用的なロボットの開発は困難を極めます。 それでもCloser Roboticsは現場の声に向き合い、実用的なロボットを形にしてきました。 導入実績も増え、いよいよ普及への本格的なスタート地点です。 今後も現場目線で柔軟な自動化を推進し、共に社会実装に取り組む仲間を募集します。」とコメントしている。(一部抜粋)

今回調達した資金は、開発・製造体制の強化や営業・サポート体制の拡充に充て、事業基盤の強化とサービス拡大を進める。あわせて、現場ニーズに即したロボット技術の社会実装を加速させる方針だ。また、事業拡大に向け、エンジニアやビジネス人材を中心に全方位での採用強化も進めていく。

画像はCloser Roboticsプレスリリースより

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