核融合のHelical Fusionが8.7億円調達、実用化に向けて開発強化

核融合のHelical Fusionが8.7億円調達、実用化に向けて開発強化

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ヘリカル型核融合炉によるフュージョンエネルギー(核融合)の実用化を目指す株式会社Helical Fusionは、イークラウドNEXT1号合同会社、ゴムノイナキ、田中渓氏ら個人投資家を引受先とするシリーズAエクステンションラウンドで、総額8億7000万円の第三者割当増資を実施した。シリーズA全体の調達額は約32億円、補助金・融資を含むこれまでの累計調達額は約60億円となる。

同社は、フュージョンエネルギーの実用化を目指し、日本独自のヘリカル型核融合炉の開発を進める「ヘリックス計画」に取り組む。年間365日の安定運転や、正味発電(炉に投入した電力量よりも多く電力を生み出せること)、並びに保守性(短期間のメンテナンスで稼働を維持できること)の担保を目指している。2020年代中に二大開発要素である「高温超伝導マグネット」「ブランケット兼ダイバータ」の個別実証を完了させ、2030年代中盤には最終実証装置「Helix HARUKA」による統合実証、および商用発電初号機「Helix KANATA」での世界初のフュージョン発電実現を計画している。主要技術の国産化も進めており、国内の産業界とも連携を強化しながら、協業に基づく研究開発を推進している。

同社は、フュージョンエネルギーの実用化を目指し、日本独自のヘリカル型核融合炉の開発を進める「ヘリックス計画」に取り組む。24時間365日運転可能な安定性や、正味発電(プラントの外に電力を供給できる)、並びに保守性(メンテナンスが可能)の実現に向けて事業を推進している。2020年代中に二大開発要素である「高温超伝導マグネット」「ブランケット兼ダイバータ」の個別実証を完了させ、2030年代中盤には最終実証装置「Helix HARUKA」による統合実証、および商用発電初号機「Helix KANATA」での世界初のフュージョン発電実現を計画中だ。主要技術の国産化も進めており、国内の産業界とも連携を強化しながら、協業に基づく研究開発を推進している。


代表取締役CEOは田口昂哉氏。みずほ銀行、国際協力銀行(JBIC)、PwCアドバイザリー、第一生命、スタートアップCOOなどを経て、2021年10月に、核融合領域での長い経験を有する宮澤順一氏、後藤拓也氏と共同でHelical Fusionを創業。核融合科学研究所の知見を活かし、ヘリカル型の核融合炉によるフュージョンエネルギーの商用化を目指している。

核融合領域は、直近数年で世界的な研究開発と官民による投資が急加速しており、2025年7月時点で核融合関連スタートアップへの投資額は累計約100億ドルに達した。日本政府も2025年6月、「フュージョンエネルギー・イノベーション戦略」を改定し、フュージョンエネルギーの実用化・商用化に向けた推進策を本格強化。政策改定により、国際共同開発(ITER等)や国内スタートアップ・産学連携の枠組み構築が進められている。欧米や中国での大規模資本流入や技術実証も進展しており、市場・技術競争は引き続き激しい状況が続く。一方で、発電用原型炉・実証炉の建設、コスト低減、技術の商用化、安全規制の整備といった基本的課題は依然として残されており、商業規模での社会実装にはなお時間を要するとみられる。

調達した資金は、ヘリックス計画推進のための開発強化および組織体制の拡充に充てられる。田口氏は、自社が掲げる「日本にもうひとつ太陽をつくろう」というメッセージのもと、今回のラウンドで得た企業・個人からの支援を追い風として、フュージョンエネルギーの社会実装と新たな産業の創出に注力していく考えを示している。


画像はHelical fusionプレスリリースより

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