屋内ドローン自律飛行システム「MarkFlex®Air」を開発するSpiralがプレシリーズAラウンドにて、第三者割当増資による3億円の資金調達を実施したことを明らかにした。
今回のラウンドでの引受先は、NIPPONEXPRESSホールディングス、三菱UFJキャピタル、その他複数のVC、事業会社、個人投資家など。
MarkFlex®Air(MFA)は、GPSが届かない屋内環境でもドローンの自律飛行を可能にするシステム。独自の国際特許技術によるマーカー(目印)を使用し、ドローンに搭載されたカメラがそのマーカーを読み取ることで、飛行経路や指示に従って自律飛行が可能となる。ドローンはSLAM(同時自己位置推定と地図作成技術)を使わずに安定した飛行ができる。特にトンネル現場での点検・監視ソリューションとして注目されており、世界中の山岳トンネル現場をはじめとする多くの現場から引き合いを受けているという。
同社は2016年10月に石川 知寛氏が設立。石川氏は大学在学中の2007年に飛行ロボットベンチャー創業に参画し、垂直離着陸型ドローン、超小型人工衛星、小型ロケットなどの各種飛行ロボットの開発に従事した経歴を持つ。その後、医療機器メーカーでの光学自動検査ロボットシステムのプロジェクトリーダー経験や、生産技術職での現場改善、中小企業向け産業用ロボット導入支援など、幅広い経験を積んでいる。
2024年5月には、ジェトロが支援するテックイベント「VIVA TECHNOLOGY 2024」に出展した。今後は、非GPS環境におけるドローン自律飛行技術の開発を加速させ、2025年までに日本および欧州でのサービス提供を予定している。また、全自動測量技術の開発や、システムインテグレーター、リース会社とのアライアンス構築も進めていく方針だ。今回の調達資金は、MFAコントローラの量産開発や欧州展開の加速、エンジニアを中心としたグローバル人材の採用と体制強化に充当する予定だという。
画像はSpiralプレスリリースより