為替リスク管理システムを提供するトレーダムは、シリーズAラウンドのファイナルクローズにおいて、きらぼしキャピタルおよび太陽グループを引受先とする第三者割当増資により、7000万円の資金調達を実施した。これにより、累計調達額は7.98億円となった。
同社は、AIを活用した法人向け為替リスク管理システム「トレーダム為替ソリューション」を提供している。このクラウド型プラットフォームは、輸出入企業の外貨取引を管理し、AIによる為替トレンド予測と金融工学を組み合わせて、最適な為替ヘッジ戦略を提案する。主な機能として、リスクの可視化、為替リスクヘッジ、ヘッジ効果の分析があり、企業の業績安定化や業務効率化に寄与する。
2025年1月には、外資系クラウドサービスのコスト削減を目的とし、DELTAと業務提携を開始した。
代表取締役社長の浦島 伸一郎氏は、米国チャールズ・シュワブ証券やDLJ証券(現CSFB証券)などでIT部門を担当し、セントラル短資FXでは取締役を務めた。その後、2015年1月にジーフィット(現トレーダム)を設立。「この資金調達により、トレーダム為替ソリューションの機能開発を加速し、中小企業向けに加え、大企業向けの機能強化にも注力いたします」と述べている。
近年、為替相場の変動が激しく、グローバルに事業を展開する企業にとって、為替リスク管理の重要性が増している。特に、中小企業においては、専門的な知識やリソースの不足から、効果的なリスク管理が難しいとされている。そのため、AIを活用した自動化されたリスク管理ツールの需要が高まっている。トレーダムの提供するソリューションは、こうしたニーズに応えるものであり、今後の展開が注目される。また、米国の企業でも、選挙や中央銀行の政策の違いによる為替変動リスクに備えるため、オプション取引を活用したヘッジ戦略が再び注目されている。
今回の資金調達を通じて、製品の機能強化やサービス拡充、人材採用を進め、企業の為替リスク管理を支援する体制を強化する方針だという。
画像はトレーダムHPより
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