目次
はじめに
2023年11月8日、毎年国内で行われる招待制カンファレンス「B Dash Camp 2023 Fall in Fukuoka」が開幕する。2023年5月の札幌開催に続き、今回は福岡での開催だ。11月10日までの3日間の開催で、スタートアップの経営者やキャピタリストはもちろんのこと、上場企業役員やそのほかのスタートアップ関係者が一堂に会する。
カンファレンスの開催期間は、有識者によるパネルディスカッションなどのセッションのほか、参加者同士の交流を促す環境が整えられている。なかでもB Dash Campと言えば頭に浮かぶのがピッチコンテストの「Pitch Arena」だ。
今回のPitch Arenaでは、150社以上の応募の中から審査を通過した15社がPitch Arena First Round(予選)への出場権を手にしている。予選を勝ち抜いた企業は、その後に続くFinal Roundへ進出する。
本記事では、B Dash Camp 2023 Fall in FukuokaのPitch Arenaに登壇予定のスタートアップ15社について紹介する。
Pitch Arena登壇企業15社
株式会社ライフシフトラボ
同社は40代・50代のシニアミドル層のための、キャリアパーソナルトレーニングサービス「ライフシフトラボ」を提供している。複業コース・転職コースがあり、受講生のキャリアプランニングから強みの棚卸し、複業デビューや転職の成功まで、人材マーケットに精通するベテラントレーナーがマンツーマンで伴走する60日間の短期集中プログラムだ。2023年7月時点での受講者は200名を超え、受講者の複業デビュー率は95%、転職成功率は100%を誇る。
2023年7月には、プレシリーズAラウンドにて、ニッセイ・キャピタル、ココナラスキルパートナーズ、みずほキャピタル等を引受先とした第三者割当増資による、2億円の資金調達を実施した。
株式会社TRiCERA
アーティストによる絵画や写真、彫刻を扱うオンラインマーケットプレイス「TRiCERA ART」を運営する。アーティストはTRiCERA ARTに作品を出品し、世界中に販売することができる。サービス上にアーティストや作品の情報を蓄積することで、ユーザーは好みのアートを簡単に見つけて購入できる点が特徴だ。
2019年3月にサービスをリリースし、登録アーティスト数は8000名以上、出品作品数は8万4000点を超える。126ヶ国以上のアーティストがTRiCERA ART上で作品を出品しており、同サービスにおける海外売り上げは約24%と、グローバルにビジネスを展開している。
2023年6月には、大日本印刷グループのDNPアートコミュニケーションズと、現代アートの「版画/高精細複製画」と「ライセンス関連」の市場開拓・ビジネス構築を目指して、業務提携した。
Pathfinder株式会社
出発店舗・返却店舗が固定の片道専用レンタカーのマッチングサービス「カタレン」の開発を行う。階層車両を利用することで通常のレンタカーよりも格安で利用できるほか、予約はLINEで完結し、アプリを使ってスマートフォンで鍵の会場や世情ができる点が特徴だ。
2022年10月には、シードラウンドにて、ANOBAKA、W、ココナラスキルパートナーズ、ベクトルを引受先とした8000万円の資金調達を実施した。
株式会社coco
現場接客DXサービス「coco」を運営。利用客の口コミを集めて集客・サービス改善に活かせるサービスだ。カーディーラー・リフォーム・クリニック・美容サロンなど様々な業界で利用され、2023年7月時点で、約3000店舗の支援実績がある。
2021年8月には、Z Venture Capital、マネックスベンチャーズ、三菱UFJキャピタル、basepartners、Headline、みんなのマーケット、個人投資家等を引受先とした第三者割当増資による、約2.4億円の資金調達を実施した。
企業HP:https://thecoco.jp/
株式会社mento
パーソナル・コーチングサービス「mento」を運営する。mentoはビジネスやキャリア、人間関係などあらゆる悩みを抱える人に、専門のトレーニングを受けたプロコーチを紹介するサービスだ。日本ではまだコーチングが発展段階であり、自分にあったコーチの選定が難しいなどの課題があるが、mentoでは一定の水準を満たした信頼できるコーチだけを選定し、一人ひとりに合ったコーチを見つけられる。
2022年4月にはシリーズAラウンドにて、WiL Ventures III, L.P.を引受先とする第三者割当増資による、3.3億円の資金調達を実施した。
企業HP:https://mento.co.jp/
株式会社Oyraa
153ヶ国語の通訳者をアプリで即時に呼び出せる遠隔通訳アプリ「Oyraa」を開発、運営している。いつでもどこでも24時間365日、リクエストに応じて即時に使える通訳サービスだ。医療や法律など、72の専門分野でプロフェッショナルな語学のエキスパートである。
2023年7月には、個人向けに加え、外国籍の従業員、日本人の担当者、通訳者、病院などの第3機関に電話をかけることができる4者通話機能を搭載した法人向けサービスを開始した。
株式会社PICK
不動産に特化した電子契約システム「PICKFORM」などを運営する。電子署名を実施する書類やその他関係書類を、物件または案件ごとに管理・閲覧・ダウンロードすることが可能だ。電子署名は、署名の順番を気にせず誰からでも署名が可能だという。また、賃貸仲介、売買仲介、不動産買い取りなどの不動産事業も運営する。
2023年9月には、不動産の取引で扱われる物件調査と契約書作成の代行サービスをリリースした。
株式会社プラグテック
ソフトウエア型駐車場サービス「Lott」の開発を行う。 サービスに登録することで、提携するすべての駐車場で自動決済ができる。決済用キオスク端末とカメラの最小限の設備で運用することが可能だ。
2023年7月にはプレシードラウンドにて、ANRI 、D4V を引受先とした第三者割当増資による5000万円の資金調達を実施した。
企業HP:https://pragtech.jp/
株式会社QUOLi
美容医療・整形の口コミアプリケーション「QUOLi」の企画、運営、開発をする。QUOLiは、消費者同士が信頼できる情報を直接やり取りし、確かな美容医療を選ぶ手助けになるプラットフォームだ。信頼性重視の厳選されたユーザーが集い、口コミに基づいてユーザーの行動や感情を把握することで、美容クリニックの一歩先の戦略設計をサポートする。
2023年7月には、東京ミッドダウン日比谷 BASE Qで開催されたTORYUMON 2023 Summerにて、「YOU TRUST賞」を受賞した。
株式会社Quwak
アイデンティティ認証プラットフォーム「Quwak Me」の開発や、生体埋め込み型マイクロチップの販売などを行う。Quwak Meは、自分であることを認証できるプラットフォーム。手にインストールして認証を行うマイクロチップや、そのインストールサービスも行う。
2023年8月には、千葉道場ファンドをはじめとする3社、個人投資家等を引受先としたJ-KISS型新株予約権による資金調達を実施した。
企業HP:https://quwak.com/
株式会社S’more
鼻紋で愛犬を照合することができるアプリ「Nose ID」を開発する。鼻紋をスマホで認証することで、顔認証のように愛犬を識別することができる。迷子の犬を救ったり、ワクチンの接種状況がわかり、サロンやホテルなどで、面倒な手続きなしでチェックインを完結することができる。
2023年7月時点で、ペットサロンや病院など260の施設で導入されている。
サマンサ株式会社
AIとの恋愛マッチングアプリ「samansa」を開発する。samansaは登録ユーザー同士のコミュニケーションは一切なく、ユーザーがコミュニケーションを取る相手はAIのみ。写真登録や本人確認はなく、手軽にあたかも実在の人物がいるかのような体験が可能だ。
2023年6月の提供開始以降、各メディア媒体でも多く取り上げられている。
企業HP:https://samansa.ai/
SecureNavi株式会社
ISMS認証取得支援ツール「SecureNavi」を提供する。SecureNaviは、ISMS認証取得に必要な情報をクラウドサービス上で集約・管理することのできるサービス。ISMS認証取得までに必要な取り組みを記したガイドや各取り組みの解説動画などを備えるほか、ISMS認証取得に必要な従業員のセキュリティ教育や、業務委託先企業へのセキュリティチェックなどを半自動化できる機能やタスク管理機能を備える。
2022年3月にはプレシリーズAラウンドにて、第三者割当増資による1.3億円の資金調達を実施した。
株式会社Sportip
AIを活用してヒトの運動指導を行う筑波大学発のスタートアップ。カメラのモーションキャプチャをもとにAI姿勢分析や動作分析を行うアプリ「Sportip Pro」や、介護・デイサービス向けの介護支援アプリ「リハケア」を開発する。
2023年5月には、Forbes Asiaが発表した「Forbes 30 Under 30 Asia 2023」のConsumer technology部門で、代表取締役の髙久侑也氏が選出された。
株式会社チケミー
イベント券やグッズ引換券、会員権などのチケットを売買するマーケットプレイス「TicketMe」を運営する。自分が欲しいチケットの所有者に対して買取オファーを行うことができるサービスだ。取引されるチケットの二次流通成立時には、5%~20%程度がチケット発行者に支払われるため、人気のイベントであるほど最終的な売上増加につながる。
2023年10月には、チケット不正転売問題の解決に向け、マイナンバーカードを用いた分散型IDサービスを提供するDigital Platformerと業務提携を発表した。