片道乗り捨てレンタカーをマッチング、Pathfinder株式会社がDXで狙う3000億円市場

片道乗り捨てレンタカーをマッチング、Pathfinder株式会社がDXで狙う3000億円市場

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KEPPLE編集部

片道乗り捨てレンタカーのマッチングサービスを手掛けるPathfinder株式会社がシードラウンドにて、J-KISS型新株予約権による調達とデットを合わせ総額8000万円の資金調達を実施したことを明らかにした。

今回のラウンドでの引受先は、株式会社ANOBAKAをリードインベスターとして、W ventures株式会社、株式会社ココナラスキルパートナーズ、株式会社ベクトルの4社。

調達した資金は、配置データ取得のための国内大手レンタカー事業者との実証実験や開発に充てるほか、人材採用とマーケティングの強化を図るという。

片道乗り捨てレンタカーの利用者をマッチング

Pathfinderは、来るべき自動運転社会に向け、長距離MaaS領域において研究・事業開発を進めている。

レンタカー業界では、およそ1兆500億円市場の約1割を片道乗り捨ての需要が占める。レンタカーユーザーの増加傾向を加味すると、将来的には約3000億円に拡大するポテンシャルがあるという。

乗り捨てレンタカーは元の店舗に戻す必要がないメリットの反面、距離によっては高額な回送委託料が必須となる。これは利用者のハードルとなるだけでなく、事業者にとっても回送コストがかかり、車両稼働率も下がってしまうという課題がある。

同社が運営するプラットフォーム「Simpway(シンプウェイ)」は、レンタカーを上りで利用する人と下りの利用者をマッチングすることで回送料金をカットする。レンタカー事業者はマッチング依頼料を、エンドユーザーは片道分のレンタカー料金を、それぞれ同社に支払う設計となっている。提携先として既にレンタカーFCチェーンのニコニコレンタカーを運営するMICと実証実験を開始しているほか、業界大手2社と実証を進めることに合意しているという。

サービス紹介資料

また同社は、自らもレンタカー事業者として片道乗り捨てレンタカーを提供し、データ取得やオペレーション、ニーズ検証などに取り組んでいる。

今回の資金調達に際して、代表取締役 小野崎悠介氏に、今後の展望などについて詳しく話を伺った。

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自動運転時代の運用効率化プラットフォームを目指して

―― なぜ商社マンからレンタカー業界での起業を決意されたのでしょうか?

小野崎氏:私はかつて豊田通商でモビリティサービスや自動運転系の事業開発に携わっていました。当時は、国土交通省の自動運転の実証実験にまつわる事務局の仕事にも関わる中で、違和感を持っていました。効率化を追い求めるばかりで、エンドユーザーが豊かに楽しくなる未来は議論されません。機械に支配される未来が容易に想像でき、「これでいいんだっけ?」という思いがありました。

私は学生時代にバイクと自動車の免許を取ってから、行動範囲が広がりました。自由も世界も広がる感じがして、ワクワクすると同時にアクティブにもなった経験があります。だからこそ、好きな時に、好きなところで、好きなことをしやすくなる、そんな可能性を持った事業に携わるべきなのではと考えたのです。効率の追求も大事ですが、よりエンドユーザーに寄り沿った形で事業ができないかなと。

最終的には、自動運転車が公道を走るようになった時に必要となる最適配車基盤を作りたいという目標があります。まずは、理想とする社会の実現を早めるためにできることとして、普及が進んでいるシェアリングモビリティの効率を上げようと考えました。

レンタカーは今、最も普及しているシェアリングモビリティです。90万台もの車両を擁するレンタカー業界の課題が改善されれば、大きなインパクトがあります。こういった経緯で、レンタカー業界の本質的な問題である稼働率の低さにアプローチしました。

―― 今後、どのような目標を立てられていますか。

今後の目標は3つのステップで考えています。最初はまず足元の部分からマーケットプレイス事業で成長し、データを溜めていく中で、アルゴリズムでマッチングが上手くできるようになることです。

第2ステップはこれから3年をめどに、そのマッチングアルゴリズムをさまざまなモビリティに適用していきたいと考えています。シェアサイクルや電動キックボードなど、レンタカーよりも移動距離が短いものはマッチングの計算量も増え、最適化する台数も増えることで、難易度が上がります。

そして最終ステップでは、アルゴリズムを自動運転車へ適用するという展望を描いています。

多様な人材の採用で豊かな発想力を

私たちのサービスの本質はBtoBtoCです。エンドユーザーがレンタカーを利用する目的の多くは旅ですので、旅の好きな方にどう使ってもらうかが大事なポイントとなります。よりライフスタイルとリンクさせるために、さまざまなハードルを下げるべくマーケティングに取り組みたいと考えています。

車、レンタカー、カーシェアとなると、男性のイメージが強いからか、当社の人材には偏りが出ている状態です。これから多様性あふれる人材を採用して、生活に根ざした発想を生み出していきたいと思っています。

Pathfinder株式会社 採用情報はこちら

Pathfinder株式会社

Pathfinder株式会社は、片道専用レンタカーのマッチングサービス『Simpway』を提供する企業。 『Simpway』は、出発店舗・返却店舗が固定のレンタカーマッチングサービス。同サービスは、2020年12月3日にβ版モニターの募集を開始した。

代表者名小野崎悠介
設立日2020年1月27日
住所東京都板橋区仲町23番6号
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