QREATION、シリーズAで10億円調達——縦型IPで世界戦へ

QREATION、シリーズAで10億円調達——縦型IPで世界戦へ

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株式会社QREATION(東京都渋谷区、代表取締役社長:米永圭佑)は、シリーズAラウンドにてジャフコグループをリード投資家とする第三者割当増資により、総額10億円を調達したと発表した。本調達は同社にとって初めてのエクイティファイナンスであり、国内外のIP(知的財産)創出および事業拡大を加速させる狙いがある。

QREATIONは縦型ショートドラマやデジタルバラエティを中心としたIPコンテンツを企画・制作・マーケティングまで一貫して手がけてきた。代表的な作品としては「本日も絶体絶命。」「いつだって究極の選択」などが挙げられ、これらはTikTok、YouTube、Instagramなどを通じて若年層を中心に広く支持を集めている。同社は、縦型動画というフォーマットとクリエイター/演出力を掛け合わせることで、“一過性のバズ”にとどまらない長期的なIP価値を見据える戦略を理念に掲げる。

代表取締役の米永圭佑氏は、「私たちが目指すのは、SNSを跨ぎながらも『同じコンテンツを通して同じ感情を共有できる場』を確立することです。それこそが、日本における新たなメディアの役割だと考えています。」とコメントしている。(一部抜粋)

会社設立は2022年11月。創業以来、ショート動画分野に特化した体制を築き、SNSマーケティングや広告事業と組み合わせたビジネスモデルを展開してきた。社内体制も、テレビ制作出身のディレクターやSNS発の若手クリエイターを融合する布陣を打ち出しており、制作クオリティと速度の両立を目指しているという。

背景には、スマートフォン視聴の普及とSNSプラットフォーム上の縦型コンテンツ需要の拡大がある。特に、スマホネイティブ世代にとって縦型動画は視聴の中心となっており、短尺コンテンツの競争は激化している。QREATIONはこの流れを捉えつつ、短期的なバズだけでなく「投資対象となるIP」への転換を目指すと位置づけている。

調達した資金を活用し、海外展開を前提にしたIPコンテンツ創出、企業とのコンテンツ×広告の共創を拡大、IPコミュニティの構築を進める計画だ。

QREATIONは、2025年2月にショートドラマ・グローバルIP開発を担う組織「StudioQ」を設立しており、年内10本のオリジナルドラマ制作と全世界配信を予定していると発表している。また、企業との協業事例として、KDDI(au)との共同プロジェクト「Project TOWA」がある。縦型動画を広告とコンテンツが融合した形式で展開する試みで、すでに「合コンの悪魔」などの縦型ドラマ配信も始まっている。このような企業との共創モデルを強化することが、今回の資金調達の戦略的意義と位置づけられている。

今後は、企業や事務所との共同出資スキームを拡大し、スピード感を持って世界市場で戦えるIP開発を推進する方針だ。今回の増資を機に、短尺動画領域での存在感を国内外でさらに高め、次の成長段階へと踏み出すことが期待される。

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