必要なモノは月額で「サブスク」時代の消費者
近年は家具、家電、ファッション、本、花、アート等、生活に関わるあらゆる商品がサブスクリプション形式で購入やレンタルができるようになった。
この急速な広がりの背景には、消費者の価値観の大きな転換がある。「モノを所有する」という従来の消費スタイルから、「サービスを利用して体験する」という新しい価値観へとシフトが進んでいる。特に若い世代を中心に、必要な時に必要なものを使用する柔軟なライフスタイルを志向する傾向が強まっている。2023年度の国内のサブスクリプションサービスの市場規模は9430億円を超え、前年度比で5.2%の増加が見込まれる。2025年度には1兆円に拡大する勢いだ。※
スタートアップ4選
collEco株式会社
企業HP:https://about.colleco.co.jp/
ファッションレンタルサービス「collEco(コレコ)」を運営する。 男性向けブランド洋服を、商品ごとに設定された月額料金でレンタルする。今季の新作や定番アイテムを、数日間のお試しから月額制の長期利用まで、必要な期間レンタルできる。レンタル終了後、気に入ったアイテムを購入することも可能だ。同社はほかに、Instagramで国内外ブランドのファッションアイテムを紹介するファッションメディアも運営する。
2022年3月に、W ventures、エンジェルファンドをリードとした4社と、個人投資家3名を引受先とした第三者割当増資による約7000万円の資金調達を実施した。ブランドとの提携を積極的に進めており、顧客体験の向上を掲げる。
POST COFFEE株式会社
コーヒー豆のサブスクリプションサービス「PostCoffee」を運営する。PostCoffeeは、個人の好みに合ったコーヒー豆を届ける月額制サービスだ。利用者は、用意された質問に答えるとコーヒーの好みが診断され、それに応じたコーヒー豆が毎月宅配される。また、コーヒーメディア「MAGAZINE」の運営や、マグカップやオリジナルクッキーの販売も行う。2024年8月には新商品として、パウチタイプのラテベースを発表した。
2022年10月に、既存の三井住友海上キャピタルに加え、株式会社ギフティ、三菱UFJキャピタル株式会社、株式会社CARTA VENTURESの4社を引受先とした第三者割当増資による約4.3億円の資金調達を実施した。
株式会社パンフォーユー
冷凍パン宅配を提供する直販サービス企業。全国の厳選パン屋から冷凍パンをお届けする個人向け「パンスク」、企業の福利厚生向けでカフェ運営までサポートする「オフィス・パンスク」、そして企業間の商品開発をつなぐ「パンフォーユー Biz」の3つのサービスを展開している。 パンスクは、毎月、日本各地のパン屋さんから、冷凍した焼きたてパンがランダムに届くサービス。 オフィス・パンスクは、同様のパンを毎月オフィスに届けるサービス。カフェプランに申し込むと、冷凍庫の設置、商品補充から在庫・賞味期限・売上などの管理まで行う。
2022年6月にKIRIN HEALTH INNOVATION FUND、三菱UFJキャピタルを筆頭とした10社と個人投資家を引受先とした第三者割当増資により約6億円の資金調達を実施した。2024年7月にはシンガポールでの販売を開始した。
GOOPASS株式会社
フォトグラファー / インスタグラマー向けの各種支援サービスを行っている。カメラ機材レンタルのサブスクリプションサービス、WEBメディア運営事業などを展開している。月額定額制カメラ機材レンタルし放題サービス「GooPass」や、ビックカメラと共同運営する機材貸出サービス「TAKEOUT RENTAL」、GOOPASSのレンタルサービスで型落ちとなったものなど中古カメラを販売する「GOOPASS STORE」を提供している。
2024年7月には、ソニーペイメントサービス株式会社と高額な機材に対するサブスク決済の利便性・安全性の向上を目的とした資本業務提携を行った。