“孤立しない老後”を支える──あかり保証が約1.3億円を調達、終身サポート事業を全国へ拡大

“孤立しない老後”を支える──あかり保証が約1.3億円を調達、終身サポート事業を全国へ拡大

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弁護士や司法書士、ケアマネジャー等の専門家集団による高齢者等終身サポート事業を展開する株式会社あかり保証は、かんぽNEXTパートナーズ、池田泉州キャピタル、LaunchPadFund、ミライドア、インキュベイトファンドを引受先とする第三者割当増資により、約1.3億円の資金調達を実施した。

あかり保証は、弁護士や司法書士、ケアマネジャーなどの専門家集団による身元保証および高齢者の終身サポートサービスを提供している。主な対象は身寄りのない高齢者や単身者、障害者で、入院・入所時の身元保証、債務保証、緊急時の対応、死後事務、日常生活支援、財産管理まで幅広いサポートを特徴とする。各サービスは国のガイドラインを遵守し、専門家の協働体制と運営の透明性が重視されている。

代表取締役CEOは清水勇希氏。弁護士資格を持ち、法曹実務経験や複数の専門組織に関与してきた背景を活かし、2024年にあかり保証を創業。法曹界やコンサルティングファームでの実務、スタートアップ企業の経営経験を経て、身寄りのない高齢者や障害者の社会的孤立に対応するサービス構築を主導している。現職のほか、外部監査役なども兼任し、多面的な専門性を持つ。

日本の身元保証・高齢者終身サポート市場は急激な高齢化や核家族化、未婚率上昇を背景に拡大している。2025年度には終活・身元保証関連ビジネスの市場規模が234.5億円に達すると見込まれている。また、65歳以上の単独世帯は増加傾向にあり、身寄りのない高齢者の増加も続く。同業他社による参入や介護・葬祭分野との連携も進む一方、消費者側の不安や業界全体の信頼性確保、悪徳事業者の排除が課題となってきた。こうした環境下、2024年に国が「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」を示し、業務内容や契約の透明化などの規制が始まっている。

今回調達した資金は、身元保証サービスのさらなる拡充と品質向上、ならびに新規拠点展開に充当される。昨年7月の創業以降、あかり保証は大阪本社に加え、2025年8月に東京本店を開設し、首都圏にもサービスを広げている。今後は東京や大阪以外の都市にも支店開設を進める方針である。2025年11月に全国規模の業界団体「全国高齢者等終身サポート事業者協会」を設立。事業者に対し独自の入会基準を設け、健全な事業運営の可視化を推進する。国のガイドラインを遵守し、信頼できる身元保証・終身サポートサービスを全国で展開し、高齢者が安心してサービスを利用できる社会インフラ構築を目指すとしている。

今後は、国のガイドラインや業界団体による基準づくりが本格化する見通しで、サービスの質や信頼性、法令遵守体制の強化が重要となる。競争激化とともに利用者保護の観点から事業運営の透明化も求められる。業界全体の健全性確保と、社会的弱者への確実なサポート提供が主要な検討ポイントとなる。

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