Fast Beauty、シリーズBで約17億円を調達──OMOプラットフォーム強化し国内外での成長戦略を推進

Fast Beauty、シリーズBで約17億円を調達──OMOプラットフォーム強化し国内外での成長戦略を推進

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ヘアカラー専門店「fufu」の運営およびOMOプラットフォームを展開する株式会社Fast Beautyは、シリーズBラウンドで、第三者割当増資および融資による総額約17億円の資金調達を実施した。

エクイティでは事業連携を前提に、NVenture Capital、AGキャピタル、ロート製薬など CVC・事業会社を中心に段階的なシリーズBラウンドを実施。デットでは、シリーズAのリード投資家であるDBJキャピタルとの連携に加え、Funds Venture Debt Fund を運営する Funds Startups 、みずほ銀行などからの支援を受けた。

Fast Beautyは、ヘアカラー専門店「fufu」を全国140店舗以上展開し、店舗とオンライン双方をシームレスに連携させたOMOプラットフォームを構築している。60分完結・予約不要・リーズナブルな価格でプロによるヘアカラーサービスを提供し、プロによる髪の状態診断を踏まえたカスタマイズ施術や、最小限のダメージに抑える薬剤選定が特徴である。来店時の「ヘアケア診断」で得たパーソナルデータを活用し、オンラインストア「fufu+」なども連携。独自開発の予約管理システム等でオペレーション効率を追求し、顧客と美容師双方の利便性・満足度向上を目指している。

代表取締役CEOは高橋賢氏。人材や販売促進領域の大手企業で法人営業やシステム開発、組織マネジメント等の経験を経て、2014年にFast Beautyを設立した。プロによる高品質なヘアカラーサービスをより手軽に提供することを理念とし、fufuを全国に展開。自身も美容師資格を取得するなど、現場理解と事業コミットメントを重視している。

日本の美容室業界は2025年上半期に市場規模1兆3884億円(前年比+2.5%)に達し、施設数も27万と増加を続ける一方、倒産件数は2025年1-8月で157件と過去最多を記録するなど深刻な課題を抱えている。競合の激化や美容師の人材不足、資材コスト上昇がリスク要因となっており、美容師の3年以内離職率が6割に上る点も業界課題である。客単価は上昇し、男性需要も拡大基調にあるほか、ECやクロスセルを活用した新たなビジネスモデルの模索も進む。

調達した約17億円は、fufuの国内外での店舗拡大、DX基盤およびOMOモデルの強化、パーソナルデータ活用を含む顧客体験の深化、アジア展開、人材育成およびオリジナル商品の開発などに投じられる。また、自社で開発した予約管理システムを軸に、CRMやKPI管理、ヘアケア診断データの蓄積と活用を進め、店舗体験とEC「fufu+」をつなぐプラットフォームの拡充や、施術オペレーションの最適化にも投資する。エクイティおよびデットを戦略的に組み合わせることで、成長投資と財務の安定性を両立し、今後3年間で国内外200店舗体制を目指すとしている。

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