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130億件の予定データでAI時代の新価値創造──TimeTree、SK Telecomと22億円の資本業務提携


カレンダーシェアアプリ「TimeTree」を開発・運営するTimeTree(本社:東京都新宿区、代表取締役社長 深川泰斗)は、韓国最大手通信事業者のSK Telecom(SKT)をリード投資家とするシリーズFラウンドの最終クローズを実施し、第三者割当増資により約16億円の資金調達を行った。
また、既存株主による株式譲渡(セカンダリー取引)を含む取引総額は約32億円に達した。今回の資金調達および2025年9月8日に発表したSKTとの資本業務提携を通じて、AIを活用した機能開発および海外展開をさらに加速させると発表した。
TimeTreeは、家族・パートナー間でのスケジュール共有・コミュニケーションに特化したカレンダーアプリ「TimeTree」を提供している。Time Treeは、複数人での予定共有を可能とする機能を特徴としている。グローバルで6700万超のユーザー、および130億件以上の予定データという独自のビジネス資産を有しており、特に海外展開を重要なテーマとしている。2025年1月には韓国に初の海外拠点「TimeTree Korea」を設立し、アジア市場での基盤強化を図ってきた。SKTは、TimeTreeが所有する予定データとユーザー基盤を、AIを用いた新たな価値創造の基盤として評価し、共同開発を推進する意向を示している。
代表取締役社長 深川泰斗氏は、九州大学大学院で社会学・文化人類学を学び、2006年にヤフーへ入社。ソーシャル・コミュニケーションサービスの企画を担当した後、2012年にカカオジャパンへ出向。2014年にJUBILEE WORKS(現・TimeTree)を共同設立した。
調達資金は、以下の用途で活用される予定である。
1.AI技術を活用した新機能の開発
2.国内および韓国をはじめとする海外でのマーケティング展開
3.人材採用および組織強化
カレンダー・共有予定管理市場においては、スマートフォン普及やリモートワーク・ハイブリッド勤務の定着により、個人の予定管理・共有機能へのニーズが高まっている。加えて、生成AI・データ解析基盤の進化が「予定データ」の価値を高める動きを後押ししている。こうした環境下で、TimeTreeのような“予定”データを軸とするサービスが改めて注目されている。
今回の資金調達および提携を通じ、TimeTreeは国内市場だけでなく韓国等アジア市場でのプレゼンスを高めるとともに、AI機能の深化を図ることで、新たな成長フェーズに入るとみられる。予定データの利活用や海外展開の進捗が今後の焦点となろう。
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