株式会社カンリー

店舗経営を支える“次世代集客インフラ”を目指す株式会社カンリーが、シリーズCラウンド1stクローズで約20億円を調達。累計調達額は約35億円に到達した。
カンリーは、飲食・美容・眼鏡・ドラッグストア・教育などをはじめ、国内約11万店舗の集客・運営を支えるSaaS「カンリー店舗集客」を中心に事業を展開。カンリー店舗集客は、Google ビジネスプロフィール(GBP)、自社ホームページ、SNSといった 複数チャネルの店舗情報・クチコミを一元管理・分析できるツール。口コミや写真、メニューなどと運営データを統合し、集客施策や現場の運営タスクを半自動化する仕組みを拡充している。ユーザーの検索や予約の導線が生成AI経由へと拡張するなか、正しい情報を構造的に発信できる基盤を提供し、媒体断片化と人手不足という業界課題解決に取り組む。
代表取締役Co-CEOは辰巳 衛氏、秋山 祐太朗氏。SaaSプロダクトの成長と現場実装を両輪で推進し、MEO起点の単機能から、媒体横断の最適化と現場運用の再現性までを射程に入れた“次世代集客インフラ”を目指す。今回の資金調達を機に、CAIO(Chief AI Officer)を新設し、AIの研究開発・プロダクト埋め込み・安全性とガバナンスまでを含む全社的な推進体制を固める。
資金使途は、以下に充当する計画だ。
1.プロダクト強化:Google・Apple連携を活かし、店舗集客の自動最適化を高度化
2.AI推進:CAIOを設置し、AI体制と機能拡張を本格化
3.人材採用:プロダクト開発・AI領域の人材採用を加速
4.M&A推進:店舗DX領域における新規事業・人材獲得を目的とした戦略的M&A
5.海外展開:日本で実証された集客モデルをアジア主要国に展開
同社は今回、企業ビジョンを「店舗の顧客接点を最適化する」から「ヒトとAIの力で、店舗の集客力を上げる」へと刷新した。単なるスローガン変更ではなく、3〜5年の中期指針として、AIの活用とヒトの判断を両立させる姿勢を明確化。生成AI時代の検索・予約導線に適応し、媒体横断の最適化と現場の運用再現性を担保できるかが、今後の勝敗を分ける。“MEOの会社”から“集客×運営のインフラ企業”へ。CAIOの下で現場起点のプロダクトをどれだけ磨き上げ、アジア市場でどこまで汎用モデル化できるかに注目が集まる。
今回のシリーズC 1stクローズは、カンリーが“第2創業期”としてスケールと領域を同時に拡張するための第一歩だ。蓄積した店舗データとヒト×AIのアプローチで、現場の運営を支え、経営判断を補完する仕組みを実装していく。店舗産業は地域経済と雇用を支える社会基盤である。ヒトとAIが共に店舗を支える世界の実現に向けて、どの程度の市場実績と導入効果を早期に提示できるかが鍵となるだろう。



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