株式会社INDX

株式会社INDX(本社:東京都港区、以下「INDX」)は、シードラウンドにおいてインキュベイトファンド、イーストベンチャーズ、日本政策金融公庫などを引受先とした、総額1億円の資金調達を実施した。
INDXは2025年4月に設立されたスタートアップで、企業が保有する画像・動画・文書・スライドといった「非構造化データ」の利活用に焦点を当てている。日本企業が保有するデータの約8割は非構造化データとされるが、その多様性や不規則性、さらに外部生成AI利用時のセキュリティリスクを背景に、十分に活用されずに眠っているケースが多い。こうした現状が企業の生成AI活用やDX推進の阻害要因となっている。
この課題に対し、同社は独自開発の「INDXエンジン」を提供する。同エンジンは顧客企業のオンプレミス環境や自社サーバー内で稼働し、外部に機密情報を出すことなく、非構造化データを高速かつ安全に構造化する。解析されたデータは基幹システムやBIツールへの連携、また社内検索やRAG(Retrieval Augmented Generation)基盤としての活用が可能になる。
代表取締役の伊藤克哉氏は、大学院卒業後、Preferred Networksで金融業界向けAIアルゴリズム開発に従事した後、三井物産でAI・データプラットフォーム技術の事業開発を担当。AAMAS・AAAIなどトップカンファレンスでの採択歴、国内学会での表彰歴を持ち、15歳で応用情報技術者試験に合格。企業に眠る知見や暗黙知を形式知化し、低コストかつ安全に生成AI活用を可能にする基盤の提供を目指している。
国内における生成AI市場は 2024 年時点で 約1016億円 に達し、2028年には 8028億円 規模に拡大するとの予測がある。また、ビッグデータ・アナリティクス分野において、日本国内市場の支出額は 2024 年に2兆749億円 に達すると予測されており、非構造化データの取扱いもその成長ドライバーの一つと見られている。企業が競争力を維持するためには、こうした成長市場の波を取り込み、自社のデータ資産をいかに生成AIに活用させるかが重要なテーマとなっている。
今回の資金調達により、INDXは「INDXエンジン」の研究開発体制を強化するとともに、営業・マーケティング部門の立ち上げを進める方針だ。今後は日本企業の非構造化データ活用を促進し、生成AI導入を一層加速させることが期待される。