オンライン1on1サービス提供のエール、資金調達と共に新たな企業理念掲げ前進へ

オンライン1on1サービス提供のエール、資金調達と共に新たな企業理念掲げ前進へ

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KEPPLE編集部

目次

  1. 個人の力を最大限に引き出す研修プログラムを提供
  2. 研修で重要なのは学んだ内容の「定着」
  3. 上司に話せる内容には限界がある、だからこそ社外の人に話す
  4. 目指すは「コーチング業界のユニクロ」
  5. 新たな理念掲げ、より多くの人へサービス提供目指す

社外人材によるオンライン1on1サービスを提供するエール株式会社がシリーズBラウンドにて、第三者割当増資による3.2億円の資金調達を実施したことを明らかにした。あわせて、KeppleLiquidityファンドによる既存株主からの株式取得を発表した。

今回のラウンドでの引受先は、はたらくFUND、池森ベンチャーサポート、SMBCベンチャーキャピタル、SGインキュベート、NCBベンチャーキャピタル、バリュークリエイト、フューチャーベンチャーキャピタル、ほか個人投資家。

今回の資金調達により、人材採用やサービス提供に関するオペレーション改善に注力する。

個人の力を最大限に引き出す研修プログラムを提供

エールが提供するのはオンラインの研修プログラム。「YeLL 聴くトレ」は、2ヶ月~4ヶ月の期間で、社外人材との1on1実施や動画コンテンツによる学習を通じて、1on1スキルと組織コミュニケーションの改善を図る傾聴力研修。

また、社外人材とオンラインで1on1を実施し、自分のキャリアについて内省しながら生産性の高い組織をつくるキャリア自律研修の「YeLLキャリトレ」、既存研修の内容を定着・自分ごと化し、現場で活かせる状態をつくるための実践力研修「YeLLフィールド」も提供。

大企業での導入が増えてきた背景もあり、当初月額2万円~だった1人当たりの単価は月額1万円~へと改定された。

3つのサービスラインナップ

同社サービスはトヨタやパナソニックなど、従業員数が1000名を超える大企業を中心に導入が進んでいる。2023年末時点で約3900人が実際に利用し、1on1の累計セッション数は、まもなく10万件に達するペースだという。

エールにとって12回目の設立記念日となった6月4日、同社は企業理念の刷新を発表した。今回の資金調達や企業理念の一新に際して、代表取締役の櫻井 将氏に、今後の展望などについて詳しく話を伺った。

研修で重要なのは学んだ内容の「定着」

―― 御社は1on1領域を中心としたオンライン研修プログラムを提供していますね。

櫻井氏:多くの研修は一度実施したらそれで終わりになりがちで、学んだ内容が定着しないという課題があります。この課題に対して、研修で学んだ内容をしっかりと振り返り、実践を通じて確実に定着させるためのサポートを実施しているのが大きな特徴です。その中でも、現在は「傾聴力」を高める研修が人気となっています。

ドラッカーモデル
画像:エール会社資料より掲載

管理職に限らず、若手リーダーやミドルシニア層など、幅広い層を対象にキャリア自律に関する研修も実施しています。自分のキャリアについて内省しながら、会社が向かう方向性との重なりをしっかりと作っていくことも非常に重要です。

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上司に話せる内容には限界がある、だからこそ社外の人に話す

―― 1on1を実施する企業は増えているように思います。

1on1は海外発祥の文化で、ITベンチャーやスタートアップを中心に広がってきました。最近では大企業の1on1導入も進んでいます。

一方で、大企業で1on1を実施する際に課題となるのは、管理職自身がこれまで1on1を受けてこなかったことです。自分が受けたことのないコミュニケーションをいきなり部下にしなければいけないとなれば、管理職も不安になってしまいます。

人事が求める1on1と、実際に行われている1on1に乖離が見られる場合もあります。例えば営業組織では、1on1といいつつも実際には業務進捗や案件の相談に偏っていることがよくあるのです。部下のキャリアや志向性についても話しを聞く場であることが好ましいと思います。

―― どうすれば良い1on1を実施できるのでしょうか?

現代の若手社員で、定年まで何十年も新卒入社した会社で勤め上げるつもりの人はほとんどいません。それにもかかわらず終身雇用の時代で働いてきた上司は、仕事の話を通じて信頼関係を構築しようと、昔の感覚で部下と話してしまう。それではギャップが生じてしまいます。

終身雇用や年功序列制度が崩壊を迎え、キャリアや人材の多様化が進む中、本来話すべきテーマはもっと幅広いはずなのです。

そうはいっても上司と部下の関係性です。評価者であり人事権を持つ上司に、部下が腹を割って話せる内容には限界があります。そこで社内メンター制度を活用する企業もありますが、当社が一つの選択肢として提案しているのは社外人材との1on1です。

―― 社外人材との1on1を推奨するのはなぜですか?

自分のキャリアについて考える時間を作るべきと思いながらも、ただでさえ日々の仕事に追われる中、自発的に時間を確保できる人は多くありません。ほとんどの人が後回しにしてしまう。キャリアについて内省する時間を作るという点では、「社外の人と約束する」ことがものすごく有効なんです。

みなさん社会人なので、外部の人との約束を破ることはほとんどありません。社外の人と定期的に話し、キャリアと向き合う時間を創出すること自体に意味があると思っています。また、社外人材と定期的な会話をすることで、どのように自分を深めていくべきかといった「キャリア思考力」を身に付けることにもつながります。

目指すは「コーチング業界のユニクロ」

―― 調達資金の使途について教えてください。

当社のビジネスはBtoBなのでリードタイムが比較的長く、テックタッチだけでなく顧客と密にコミュニケーションを取る必要があります。人材採用に先行して取り組むことが調達資金の主な使途になります。

また、オペレーションの改善やシステム化も目的の一つです。3500名の社外人材(サポーター)と受講者(プレイヤー)を、最適な形でマッチングするのはかなり大変なんです。それでも、低価格で良いものを提供したい。そのためには、「コーチング業界のユニクロ」のような存在として、オペレーションを最適化してコスト構造を改善していかなければいけません。

新たな理念掲げ、より多くの人へサービス提供目指す

―― 資金調達とあわせて、企業理念の変更も発表しました。

これまでは「聴き合う組織をつくる」という理念を掲げ、「聴く」という点に重きをおいて社外に発信をしてきました。「聴く」という行為の価値や可能性を広げたいという意図はありつつも、今回は一歩進めて、聴いてもらう側に焦点を当て、「聴いてもらえる時間が誰にとっても当たり前のようにある社会へ」を新たに掲げています。

聴くことの大事さだけではなく、「聴いてもらえる時間」があることで多くの人の人生が豊かになっていく、そんな思いを込めて「時間」を主語とした企業理念を掲げるに至りました。

―― 今後の長期的な展望を教えてください。

これから数年はサービスを通じた価値提供の再現性を高め、効率化することにフォーカスする予定です。2026年にはサービス利用者年間3万人、その翌年には6万人を目指します。

そのうえで、「コーチングやセッションにどうAIを取り入れていくか」という観点の投資や、これまでのサービス提供で得たデータの活用に向けた投資は近い将来取り組んでいくかもしれません。

最近特に考えているのは、「聴いてもらう」という体験へのリテラシーを高めることです。人に話を聴いてもらうことで、自分自身の理解が深まったり、考えを整理できたり、ただ聴いてもらうだけで意味がある時もあります。「聴いてもらう」選択肢が当たり前になるような取り組みを今後も継続していきたいと思います。

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「スタートアップスカウト」は、ストックオプション付与を想定したハイクラス人材特化の転職支援サービスです。スタートアップ業界に精通した当社エージェントのほか、ストックオプションに詳しい公認会計士やアナリストが伴走します。

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