TriOrb、製造現場や物流の自動化支援へ—全方向移動技術で6.6億円を調達

TriOrb、製造現場や物流の自動化支援へ—全方向移動技術で6.6億円を調達

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ロボット開発を手がける​株式会社TriOrbは、みずほ銀行からの5億円の融資と、東京大学エッジキャピタルパートナーズ(UTEC)からの1.6億円の出資を合わせ、総額6.6億円の資金調達を実施した。今回の資金調達はプレシリーズB2ラウンドとして位置づけられ、主力製品「TriOrb BASE」の社会実装に向けた開発加速を目的としている。

同社は、2023年2月に設立された九州工業大学発のスタートアップ企業。独自の球駆動式全方向移動機構「TriOrb BASE」を開発している。TriOrb BASEは、3つの球体と3つのモーターによって全方向に滑らかに移動できる点が特徴だ。従来の移動機構と比べて、外乱走破性、位置制御の正確さ、耐荷重性能などで優位性を持ち、変種変量生産や労働力不足といった製造業の課題に対応する。

この技術をベースに、自律走行や複数台による協調搬送システムの構築を進めており、制御ソフトウェアや安全対策も含めた統合ソリューションとして提供している。2023年6月には戸田建設と共同で建設現場向けの資材搬送装置の開発に着手した。また、新たな開発拠点「八幡オフィス」を北九州市八幡西区に開設し、事業基盤の拡大を図っている。

代表取締役CEOの石田秀一氏は、九州工業大学大学院生命体工学研究科博士後期課程を修了。産業技術総合研究所(産総研)にて10年間にわたり、製造業向けの生産システムやプロセス評価に関する研究に従事してきた。

石田氏は、「今回のみずほ銀行様からの融資、UTEC様からの追加出資をもとに、球駆動式全方向移動機構『TriOrb BASE』の社会実装をさらに進め、変種変量生産や労働力不足、デジタルトランスフォーメーション(DX)推進といった製造業が直面する課題に対し、当社技術を活用した柔軟かつ拡張性の高い生産ラインの実現に向け、研究開発を強化してまいります。」とコメントしている(一部抜粋)。

少子高齢化が進む日本では、製造現場の自動化・省人化へのニーズが年々高まっている。柔軟な生産体制と省人化の両立が求められる中、TriOrbの全方向移動技術は、その解決策として期待されている。

今回の資金調達により、TriOrb BASEの社会実装を加速させ、製造業の自動化と生産ラインの柔軟性向上を推進する計画だ。

画像はTriOrbプレスリリースより

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