Looop、東急不動産と資本業務提携を締結ーー再エネ事業の協業を強化

Looop、東急不動産と資本業務提携を締結ーー再エネ事業の協業を強化

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再生可能エネルギー事業を展開する株式会社Looopは、2025年3月31日付で東急不動産と新たな資本業務提携契約を締結した。これに伴い、東急不動産を割当先とする追加資金調達も実施された(第三者割当増資)。両社は2021年から資本業務提携関係にあり、今回の提携強化により再生可能エネルギーの普及や新規事業領域での協力が一層拡大する。

Looopは2011年4月に設立され、太陽光発電所の開発・販売・運営保守、電力小売などを中心に再生可能エネルギー事業を展開してきた。主力の電力小売サービス「Looopでんき」は、2016年の電力小売全面自由化を契機に開始され、2025年1月時点で家庭向け低圧分野の契約件数は約34万件となっている。家庭・法人・自治体向けに再生可能エネルギー調達や蓄電池、エネルギーマネジメントサービスを提供し、発電から供給までの一気通貫型モデルを展開している。

製品・サービス面では、家庭向けのハイブリッド蓄電システム「SOLABOX」シリーズや、容量拡張可能な蓄電池「Eneblock」などを展開。AIを活用した蓄電池制御技術や長期出力保証付きの太陽光パネルも取り揃えている。これにより、住宅・施設の自家消費拡大や災害時のレジリエンス強化を支援。さらに、電力価格の市場変動を反映した電力販売プランを導入し、ユーザーに価格の透明性と選択肢を提供している。

Looopの代表取締役社長CEOは森田卓巳氏。森田氏はネットベンチャーの中国法人にて、システムエンジニア、プロジェクトマネジャー、総経理(最高執行責任者)などを歴任後、2012年にLooopへ入社。太陽光発電所のEPC事業、太陽光・風力発電による発電事業の事業本部長・管掌取締役、電力小売事業や経営戦略・財務戦略部門の管掌取締役を経て、2023年4月より現職を務める。

再生可能エネルギー業界は、脱炭素社会の実現を背景に2020年代半ばから成長が続いている。太陽光や風力を中心とした新規電源の普及や、法人・家庭向けの自己消費型モデル、電力購入契約(PPA)の導入が進む一方で、売電単価の下落や電力系統への接続制限、需給バランス調整力の確保といった課題も顕在化している。特に新電力小売事業者は、ウクライナ情勢やエネルギー資源価格の高騰、2021~22年のスポット市場価格高騰などの影響を受け、サービス内容や契約条件の見直しを余儀なくされた。

市場競争の点では、Looopのような独立系新電力事業者が、旧大手電力会社や総合商社系列の電力子会社と競合。小売電力分野では、ENECHANGEやシャープ、東京ガスなどがソリューション型の電力サービスを展開し、市場競争が一層激化している状況だ。

東急不動産は不動産開発事業を通じて、再生可能エネルギー発電所の運営や企画にも注力しており、2025年3月末時点で総関与事業件数145件、発電容量は1956MWに達している(共同事業含む)。今回の資本業務提携により、東急不動産が持つ不動産開発・運営ノウハウと、Looopの電力小売・再生可能エネルギー技術を組み合わせ、再エネの最大普及に向けた新たな事業モデル構築を図る。双方の経営資源の強みをより活かす形での連携により、エネルギーフリー社会の実現と再エネ供給シェアNo.1の実現を目指す構えだ。

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