屋根から生まれる再エネ革命!分散型電源を実現するプラグイン技術の開発現場を「スタセン!」が取材

屋根から生まれる再エネ革命!分散型電源を実現するプラグイン技術の開発現場を「スタセン!」が取材

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こんにちは!ケップルが運営するYouTubeチャンネル「スタセン!(スタートアップ潜入チャンネル)」制作チームです。今回は、エネルギー問題の解決を目指すディープテックスタートアップの株式会社Yanekaraを取材しました!

再エネの未来を屋根から創る、蓄電システムの新たなアプローチ

Yanekaraは、建物の屋根を活用して再生可能エネルギーの普及を目指す、東京大学発のスタートアップ企業です。太陽光発電設備や蓄電池、電気自動車(EV)との連携を通じて、エネルギーの自給自足を推進しています。工事不要で設置可能な太陽光発電の自家消費用蓄電池「Yanekara Battery」やプラグイン型のEV充電コントローラ「YaneCube」を提供し、災害時や停電時の備え、さらには脱炭素社会の実現にも貢献しています。

今回の動画では、千葉県柏市にある同社オフィスに伺い、代表取締役COOの吉岡 大地氏にインタビューしました。同社の開発する蓄電システムや今後の展望などについて詳しくお話いただきました。本記事ではその内容をご紹介します!

家庭用蓄電池をもっと手軽に。Yanekaraが挑む“工事不要”のエネルギー自給

――事業概要について教えてください。

吉岡氏:Yanekaraは社名の通り、「屋根からのエネルギーで生活する」ための技術を開発しています。具体的には、太陽光発電による余剰電力を蓄電するための蓄電池や、電気自動車に充電をして蓄電するための技術を、ソフトウェアだけではなく、ハードウェアやIoTのレイヤーにまで踏み込んで開発しているディープテックスタートアップです。

Yanekara スタセン!取材
(左)スタートアップハンターHaru (右)株式会社Yanekara 代表取締役 / COO 吉岡 大地氏

――具体的には、太陽光蓄電のどのような課題にアプローチされているのでしょうか?

現在、電気代は年々上がっていますよね。その中で、太陽光パネルを設置して発電すれば、実は電力会社から電気を買うよりも安く電気を手に入れることができます。ただ、太陽光が発電するのは昼間。一方、電気を多く使うのは朝と夕方です。昼間は仕事などで家にいないことが多く、せっかく安くてクリーンなエネルギーを作っても、使い切れないのが現状です。だからこそ、電気代をさらに抑えるには、太陽光パネルを設置するだけではなく、電気を貯めておくための「蓄電池」をあわせて導入する必要があります。

私たちが取り組んでいる課題は、この蓄電池が非常に高額であるという点です。なぜ高いのかというと、理由はいくつかありますが、私たちが最も問題視しているのは、工事費が非常に高額だということです一般的な家庭用蓄電池の設置には、施工会社に見積もりを依頼すると200〜300万円ほどかかり、そのうち工事費だけで50万円以上というケースも少なくありません。

私達はこの工事費をまずなくすことができれば、もっと多くの人に蓄電池を届けられると考えています。そこで今私たちが開発しているのが、プラグインと呼んでいる技術です。これはコンセントに挿すだけで使える蓄電池です。コンセントに挿すだけなので、AmazonのようなECサイトで購入し、ヤマト運輸や佐川急便といった宅配業者から届いたものを自分で開封して、コンセントに挿すだけで使い始めることができます。

こうすることによって工事費をなくすことができます。さらに宅配便で届けられる仕様にすることで、商社などの中間業者を介さずに済み、中間マージンも不要になります。結果として、よりリーズナブルな価格で蓄電池をお客様に届けることができると考えています。

――開発製品の特長は?

現在、ポータブル電源と呼ばれる、キャンプや防災用途のコンパクトな蓄電池が非常によく売れています。ただ、これ単体では、太陽光がどれだけ発電していて、どれだけの電力を蓄電すべきかを判断することができません。

そこで私たちが開発しているのが「Yanekara Hub」というスマートコントローラーです。これを設置することによって、今この電池が何ワット充電すべきか、何ワット放電すべきかを把握できるようになります。このシステムを導入すれば、電池が満タンになるまでは電線に売電せず、すべて蓄電に回すことができます。そして、太陽光発電ができなくなる夕方以降に蓄電した電力を放電することで、本来は電力会社から買っていた電気を自宅の太陽光発電でまかなうことができるようになります。

社名の通り、私たちは「屋根からのエネルギーで生活する」ライフスタイルを広めていきたいと考えています。エネルギー自給ができれば、環境にも良く、電気代も抑えられます。そして、災害時にも太陽光と蓄電池があれば、最低限のエネルギー供給を自分たちの屋根から得ることができると考えています。

Yanekara スタセン!取材

家庭から地球規模へ、エネルギーの自立を目指して

――今後の展望は。

私たちは現在、工事不要で使える蓄電システム「Yanekara Battery」の先行予約受付をスタートしています。まだ始まったばかりのサービスですが、これまで価格の高さから導入をあきらめていた方々にも、20万円台から蓄電池による太陽光エネルギー生活を実現していただける製品です。

先行販売ののちには一般販売も進めていく予定です。近いうちに、さらに多くの方々にこの工事不要の蓄電池を届けられるような、うれしいニュースをお伝えできると思っています。

現時点では「Yanekara Battery」という蓄電池にフォーカスしたサービスですが、今後はエコキュート(電気式給湯器)や電気自動車の制御機能なども追加していきたいと考えています。これが実現すれば、家庭で使用される電力の多くを占める電気式給湯器、電気自動車、蓄電池などを、自由自在にコントロールできるようになります。

そして、小さな蓄電池が数多く集まり、やがて巨大な仮想蓄電所を形成する。そんな未来を見据えています。蓄電池だけでなく、家庭にある他のエネルギー関連リソースも活用することで、より大きな仮想的な蓄電設備を構築していく。それが私たちの目指すビジョンです。

私たちがどこまでも追求していきたいと思っているのは、社名にもある通り「屋根の上で作って、屋根の下で使う」というエネルギーの循環です。つまり、自分たちで作った再生可能エネルギーで生活するということ。つまり、自分たちで作った再生可能エネルギーで生活するということです。それが家単位で実現すれば、やがて町単位、国単位、そして最終的には地球規模へと広がっていくはずです。私たちは、この仕組みを通じて「地球に住み続ける」というミッションを実現していきたいと考えています。

動画では同社のミッションについても紹介!

動画内ではインタビュアーであるケップル若手メンバーの「スタートアップハンターHaru」が、同社のミッションについても詳しくお伺いしています。ぜひ動画でご視聴ください!

「スタセン!」次回は注目のフードテック企業を取材します!ぜひお楽しみに!

Writer

「スタセン!」制作チーム

「スタセン!」制作チーム

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ケップルが運営するYouTubeチャンネル「スタセン!(スタートアップ潜入チャンネル)」制作チーム。注目スタートアップ企業に潜入取材し、その開発技術やサービス、企業の魅力を紹介する。

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