「働く体験」を最大化するクロスビット、M&Aも視野にさらなる成長を目指す

「働く体験」を最大化するクロスビット、M&Aも視野にさらなる成長を目指す

KEPPLE編集部

  • #業務効率化ツール
  • #業務ソフトウェア
  • #勤怠管理
  • #給与

クラウドシフト管理システム「らくしふ」を運営する株式会社クロスビットがシリーズBラウンドにて、第三者割当増資による約9億円の資金調達を実施したことを明らかにした。

今回のラウンドでの取引先は、Eight Roads Ventures Japan、ニッセイ・キャピタル、Salesforce Ventures、三菱UFJキャピタルの4社。

今回の資金調達により新規事業開発と既存事業の機能拡充に加え、組織体制を強化する。

シフト管理を起点に周辺領域へ展開

「らくしふ」は、シフトの作成や管理を効率化するクラウドシフト管理システムだ。LINE上でシフトの回収や共有を行い、回収したシフトは自動で「らくしふ」に転記される。

サービスイメージ
また、売上や客数予測、人件費などのデータをもとにしたスタッフの最適配置を支援する。多店舗のシフト過不足状況の確認、ヘルプ調整も可能だ。ポジションやスキル、労務情報も考慮したシフト作成を支援することで、現場マネージャーの負担を軽減する。

飲食や小売、カラオケに加えて介護、病院、工場やコールセンターなど、シフト勤務を導入する企業に広く利用されている。2023年12月時点で2万以上の事業所での導入実績を持つ。

クロスビットは他にも、アルバイト採用サービスの「らくしふワーク」、パート・アルバイト特化のクラウド人事労務サービス「らくしふ労務管理」を提供している。

働き方の多様化や人手不足が進む中、シフト管理サービスを軸に周辺領域のサービスも併せて提供することで、労働力不足の解決や働く体験の最大化を目指す。

今回の資金調達に際して、代表取締役社長 小久保 孝咲氏に、今後の展望などについて詳しく話を伺った。

人手不足で求められるシフトワーカーが働きやすい環境

―― シフトワーカーの雇用や働き方に関する現状について教えてください。

小久保氏:近年、働き方が多様化しています。週5日の固定勤務でなかったり、複数の企業に同時に勤めたりするなど、働き方の選択肢が増えました。働く時間や曜日などが常に一定ではないシフトワーカーは、現在ではおおよそ2000万人いるとされています。

また、企業は日本全体の人手不足を背景に、人材採用が困難になっています。そのため、シフトワーカーに活躍・定着してもらうことが重要です。人材を採用してそれで終わりではありません。今後は、シフトワーカーが気持ち良く働ける環境を整備できるかという点も、企業様の差別化ポイントになります。

一方で、勤務シフトを柔軟に調整することは、現場マネージャーの負担につながります。法律や労務も意識しながら勤務時間を調整するなど、人手での管理には限界があるんです。それにもかかわらず、シフト管理はいまだにアナログで、デジタル化しているのは全体の約15%とされています。

―― なぜ、これまではシフト管理のデジタル化が進まなかったのでしょうか?

シフト管理は、デジタル化によるメリットが見えづらい性質の業務です。例えば、給与計算のようなお金に関する業務を、タイムカードからシステムに切り替えるメリットはわかりやすいと思います。シフト管理は、工数をかければ人手でも何とか対応できてしまうため、積極的なシステム投資がされてきませんでした。

また、お金を支払ってまで導入しようと思えるような、現場様にマッチしたシフト管理ツールが多くなかったことも要因の一つだと考えています。結果的に、現場様で月間約10%もの工数がかかるシフト管理ですが、エクセルを使って手作業で管理する慣習が続いています。

シフトワーカーの使い勝手を追求

―― 多くの事業所で、「らくしふ」が利用されるのはなぜでしょうか?

開発当初から、使いやすさに徹底的にこだわって開発を進めていました。お客様のところへ通い、オペレーションの解像度を高めていきました。これまで利用されてこなかったツール群がなぜ利用されなかったのか、どうなれば利用されるのかを突き詰めたんです。

スマートフォンが広く普及した中で、LINE上でQRコードを読み込んでシフト登録できる仕組みは好評でした。普段使っているアプリ上から登録できるので新たにアプリを入れる手間もありません。メールを活用したシフト管理ツールなどと比べても、スタッフ様に利便性を感じてもらうことができました。

「らくしふ」の利用実績が増えるにつれ、それに紐づくたくさんのデータが蓄積されます。ユーザーの声やデータをもとにした開発を進め、愚直にユーザーに寄り添ったプロダクトを提供することで導入が着実に積みあがってきました。

―― どのようなきっかけから、らくしふの開発を始めたのでしょうか?

元々、悔いのない人生を送りたいという強い思いを持っていました。加えて、前職の転職エージェンシーでの仕事を通して、影響力のある大規模な事業を行う面白さを感じていたんです。自分のパフォーマンスを最大化しつつ、社会に影響を与える手段として起業に興味を抱いていたことが起業のきっかけです。

事業の決定で重視していたのは、自分がやり切りたいと思える領域であることや、業界でトップになれるかということです。転職エージェントでのセールスインターンを通して、求職者の方の「家族に自慢できる仕事ができて幸せ」と活き活きした様子を見てきました。そこから「働く」をテーマにした仕事ができたらと思うようになりました。その中でシフト管理は、それ単体では市場が大きくなくとも、給与や評価、採用などの業務と結びついています。多くのシフト管理ツールが使われていない現状を知り、周辺領域を巻き込んで大きな変化を起こそうと、まずはシフト管理の領域から開発を始めました。

M&Aを通じたさらなる価値創出へ

―― 資金調達の背景や使途について教えてください。

現在、約167万の事業所様で2000万人程度がシフト制で働いていることを考えると、まだまだ多くの人にサービスを届けなければいけません。プロダクトの開発を強化し、スピード感をもって多くの事業所様に導入していくための資金として調達を行いました。

並行して、「らくしふ」の追加機能や、「らくしふ」を起点にした周辺サービスを開発していきます。2024年春ごろには、繁忙度の高い時間の勤務に対して、その業務負荷に応じた時給を柔軟に支払うようなサービスをリリース予定です。今後も、シフトワーカーに高いパフォーマンスを出してもらえるような仕組みを開発することで、解決できる課題の幅を広げていきます。

今後の機能開発イメージ
―― 今後の展望を教えてください。

3年以内には、10万事業所への「らくしふ」導入を目指しています。約2000万人いるシフトワーカーのうち、100万人程度をカバーするイメージです。2022年から注力していた介護・病院・工場領域へのサービス提供も継続していきます。

これまで事業を通じて、たくさんの人と話をする機会がありました。シフト管理や働く環境の整備で、事業所と働き手の「働く体験」を最大化させ、より生き生きと働く人を増やすことが目標です。「働く体験」を最大化させた先に、事業所と働き手、さらにはその双方が提供するサービスに触れる全ての方の体験も最大化させる社会を実現します。

そのためにも、今期はM&Aに注力する予定です。目指す社会の実現のために、自分たちの力だけでなく、当社ビジョンに共感いただける企業と積極的に連携していきたいです。


Tag
Share
notelinkedInfacebooklinetwitter

最新の取材記事

最新の取材記事

STARTUP NEWSLETTER

スタートアップ資金調達情報を漏れなくキャッチアップしたい方へ
1週間分の資金調達情報を毎週お届けします

※登録することでプライバシーポリシーに同意したものとします

※配信はいつでも停止できます

STARTUP NEWSLETTER

投資家向けサービス

スタートアップ向けサービス

notelinkedInfacebooklinetwitter
notelinkedInfacebooklinetwitter