システム操作ガイドのテックタッチ、ITリテラシー格差のない世界の実現へ

システム操作ガイドのテックタッチ、ITリテラシー格差のない世界の実現へ

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KEPPLE編集部


Webシステムのガイド・ナビゲーションツール「テックタッチ」を運営するテックタッチ株式会社がシリーズBラウンドにて、第三者割当増資による17.8億円の資金調達を実施したことを明らかにした。

今回のラウンドでの引受先は、三菱UFJキャピタル、SMBCベンチャーキャピタル、みずほキャピタル、電通ベンチャーズ、Sony Innovation Fund、BRICKS FUND TOKYO、NTTドコモベンチャーズ、THE CREATIVE FUND、DNX Ventures、DBJキャピタル、Archetype Venturesの11社。

今回の資金調達により、カスタマーサクセスやセールス組織を拡大し、システム利用者数を現在の200万ユーザーから3年以内に1000万ユーザーにすることを目指す。

DXを支援するノーコードのナビゲーション

テックタッチは、Web上のあらゆるシステムの操作画面上に入力ガイドを設置でき、ユーザーを正しくゴールまで導けるようになるガイド・ナビゲーションツールだ。システム運用担当者は使用するシステムに、ノーコードで簡単にガイドを設定することが可能。入力ミスや問い合わせ対応、マニュアル作成などの業務にかかる工数を大幅に削減することができる。また、従来のシステム教育では使いこなされなかった機能の利用促進や、入力されるデータの精度向上が見込めるという。

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同社は、社内のDXを推進する企業、システムを提供するSaaS企業、官公庁や地方自治体といった三領域をメインターゲットとしている。現在は、大手企業を中心に百数十社に利用され、都道府県庁などの自治体にも導入が進んでいる。

代表取締役CEO 井無田仲氏に、創業のきっかけや今後の展望などについて詳しく話を伺った。

UIの難しさをなくし、ITリテラシーを不要に

―― 日本におけるDX推進にはどのような課題がありますか?

現在、多くの大手企業において、DXを目的としたITシステム導入が進んでいます。また、政府は2021年12月より「デジタル社会の実現に向けた重点計画」を掲げ、中央省庁・官公庁・自治体などにおけるデジタル化の推進を目指しています。新型コロナウイルスの影響による生活や働き方の変化で市民からのニーズの高まりもあり、官公庁・各自治体が電子申請サービスの導入を始めています。


しかし、ITリテラシー格差により、結果としてDXが進まないという事態が多発しています。システム操作に不慣れなユーザーはDXの潮流に取り残されるという懸念があり、システム活用にあたっての障壁を取り払うことが求められています。


そこで私たちは、そのような障壁をなくし、「ITリテラシーなんてそもそも不要だ」という世界を作りたいと考えています。例えば、パソコンやスマートフォンの操作に馴染みの薄いお年寄りや、ITリテラシーの低い方々のハンデをなくすことを実現させていきます。

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スタートアップスカウト

―― テックタッチを始めようと思ったきっかけを教えてください。

私は元々、金融業界のフロント部門で仕事をしていました。システムユーザーとして、「また情報システムの人たちが使いにくいシステムを入れてきたな。なんでこんなに使いにくいんだろう」などと文句を言っている側の人間でした。その後、スマートフォンアプリを作る会社に転職して、今度はシステムを設計する立場になったときに、エンドユーザーにとって使いやすいシステムを作ることの難しさを思い知らされました。システムの作り手と使い手の間のギャップがとても大きいと感じたのと同時に、もったいないと思ったんです。

そこで、UIの難しさによるギャップを無くせばみんなが幸せになり、社会的にもIT投資効率を上げることができると考えました。世の中のITリテラシー格差をなくすというのは、自分の一生をかけて戦っていくテーマとしてもすごく面白いなと思いました。

マニュアルレスな世界の実現を目指す

―― 調達資金の使途について教えてください。

私たちのビジネスは、基本的に大企業やSaaS企業、官公庁向けなので、マーケティング活動よりは、人材にしっかり投資することに注力していきます。今は完全にPMFを迎えているフェーズなので、特にセールスやカスタマーサクセスの組織を強化する予定です。

私たちのサービスは、お客様自身で実装できるところが強みです。しかし、どういう実装をするとベストなのかという考えを、お客様がお持ちでない場合があります。そこで、しっかり課題を聞いたうえでベストな実装まで導くというコンサルティングもやらせていただいています。また、私たちの売上の積み上がり方は、新規企業様ももちろん多いのですが、導入企業様の追加オーダー、即ちアップセルでどんどん広がっているというのが特徴です。ひとつのシステムに使っていただくと、次のシステムでも使いたいとお話をいただきます。その点でカスタマーサクセスは非常に重要だと考えています。

―― 今後の展望を教えてください。

まずは、国内のマーケットを取り切るということが重要だと考えています。現在の200万ユーザーから、少なくとも3年以内には1000万ユーザーにしたいと思っています。そして、将来的にはマニュアルレスな世界の実現を目指します。今はようやく顧客の1、2社がマニュアルレスに着手しはじめたというところで、目標からするとまだマーケットの1%も取れていないという感覚なので、しっかり認知を取ってシェアを伸ばしていきます。

そして、海外進出に向け、2023年後半にはシンガポールなどでテストマーケティングを開始していきます。今は一緒に取り組んでいくパートナー選定を行っているところです。また、昨年パートナーシップを結んだSAP社が行っている「SAP.iO Foundry Tokyo」というスタートアップ向けのアクセラレータープログラムにも採択され、一緒にアジア展開を進めていこうと話をさせてもらっています。いきなり海外拠点を作るのではなく、まずは国内からのテストマーケティング、具体的には日本企業の海外支店との取り組みからはじめる予定です。

―― 新たなプロダクトへの構想もお持ちなのでしょうか?

まだいくつかアイデアがあるという段階ですが、検討を進めています。商社やメガバンク、自動車メーカーなど日本を代表する多くの企業に導入されていることが私たちの強みでありアドバンテージです。コンサルティングも行っているので、お客様と密接な関係を築くことができており、新しい構想についても壁打ちやインタビューを行っています。複数のアイデアの中で、特にニーズが高いものから順次形にしていきます。

テックタッチ株式会社

テックタッチ株式会社は、企業の IT システムの活用をサポートするSaaS『テックタッチ』の開発・運営を行う企業。 『テックタッチ』は、SFA や CRM、自社開発システムや経費精算、ワークフロー系など、どんな Web システムにも画面上に操作ガイドを表示できるサービス。プログラミング不要で操作ガイドを作成できるので、マニュアル作成にかかっていた時間を削減する。 ガイドに沿って操作するだけで、初めてシステムを利用するユーザーでも簡単に Web システムを使えるので、業務進行の効率化を図ることができる。

代表者名井無田仲
設立日2018年3月1日
住所東京都港区東新橋1丁目5番2号
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