EC延長保証サービスのKiva、三方良しのビジネスで新たな領域へ

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KEPPLE編集部


安心して買える保証サービス「proteger(プロテジャー)」を運営する株式会社KivaがシリーズAラウンドにて、第三者割当増資による総額4.5億円の資金調達を実施したことを明らかにした。

今回のラウンドでの引受先は、SBIインベストメント、ALL STAR SAAS FUND、SMBCベンチャーキャピタル、ココナラスキルパートナーズ、メディアジーン、New Commerce Ventures、Plug and Play Japan、Arbor Venturesの8社。

今回の資金調達で、エンジニアやセールス人材の採用とプロダクト開発を強化し、2023年中にprotegerのGMV(※)100億円を目指す。

(※)Gross Merchandise Valueの略で「流通取引総額」のこと。「取引数×平均注文単価」で算出し、プラットフォームビジネスの販売実績や市場規模を表す。

3人に1人が保証加入、商品購入率は1.4倍に

protegerは、ECサイトでの商品購入時に最短即日で延長保証を提供するサービスだ。大手保険会社や財務基盤のあるパートナーとの連携により、EC事業者と商品購入者の両者に安心・安全の延長保証を提供する。
サービス資料画像
保証に必要な契約はKivaが保険会社と交わしているため、EC事業者はprotegerを導入すれば、企業の規模に関わらず商品に延長保証を付けることができる。従来の煩雑な手続きや事務局対応はすべてデジタル化されており、ユーザビリティの向上も実現する。保証料はEC事業者に分配されるので、商品以外の新たな収入源としても期待される。

同サービスを利用するサイトでは、購入者の約3人に1人が保証加入し、導入後はサイト訪問者の商品購入率が1.4倍になるなど、新規購入のハードルを下げている。回収した破損商品は修理やリユースに回し、サステナビリティにもつながっている。現在、提供保証数は5万点にのぼる。

今回の資金調達に際して、代表取締役CEO 野尻 航太氏に、今後の展望などについて詳しく話を伺った。

延長保証でEC事業者に新たな収入の柱を提供

―― protegerを始めようと思ったきっかけを教えてください。

野尻氏:きっかけは、アメリカで延長保証サービスを先駆けて提供し始めていたextendを知ったことです。前職はスタートアップでECサイトを立ち上げ、CtoCで本物保証付きフィギュアを販売していました。その事業の売却後に高校時代から憧れていた起業の準備をしながら、海外のビジネスモデルをいろいろ調べていました。

そして、TechCrunchで当時シリーズAだったextendを見つけ、延長保証サービスの仕組みに衝撃を受けました。EC事業者は新たな収入源を得られ、消費者は安心して商品を購入でき、我々としてもビジネスモデルを成り立たせることができるのです。共同創業者の磯崎を説得し、2020年の11月にこの事業着想し、12月に会社を設立しました。

―― 特に、protegerに勝機を見出したポイントはどのような点ですか?

顧客体験を向上させる施策の一つとして延長保証サービスが注目されるようになったことです。新型コロナウイルスの影響でEC市場が伸び、特にクラウドサービスが急速に拡大しました。そのため、あらゆるサービスがECと接続できるようになりました。延長保証サービスはEC事業者に商品以外の新たな収入源を作り、エンドユーザーに安心感のある買い物を提供します。その結果、新規の商品購入者が増え、買い物の満足度も上がります。延長保証サービスはアメリカやシンガポールで先駆けて始まっていましたが、創業当時は日本にまだなく、チャンスだと思いました。

サービス資料画像

新サービスで実績を上げ、3年後に大手モール導入へ

―― 今回の資金調達の背景や使途について教えてください

今回の資金調達では、与信向上のためSBIインベストメントやSMBCベンチャーキャピタルなどから出資いただきました。そのほか海外の出資者も多くいらっしゃいます。中でも、メディアジーンとは彼らが運営するメディアやECサイトとのシナジー効果を狙っています。またArbor Venturesは海外の情報をいち早く取り入れられると考えて、アプローチしました。調達資金はプロダクト開発のためのエンジニアやセールス人材の採用に充て、特にエンジニアを現在の3倍から4倍の組織に増やす予定です。

―― 今後の長期的な展望を教えてください。

直近では、近々新機能をリリースする予定です。プロダクト開発を加速させ、より簡単な保証申請や保険期間終了後の新製品の提案機能を追加します。商品寿命のデータ蓄積による最適な保険料の設定などにも取り組みます。そして、EC市場での実績を上げ、3年後までにはprotegerを大手モールに導入したいです。

長期的には、EC市場だけではなく、旅行や不動産、自動車、住宅、Webサービス、通信などに組み込み型保証を提供していきます。旅行保険は現在の事業と近しいので、一番早く着手できると考えています。

組織の拡大とともに新しい領域にチャレンジ

これまでは、少数精鋭のチームでプロダクトの開発に注力してきましたが、今後は採用を強化し新しい領域にどんどんチャレンジしていきます。私自身、何もないところから今も走り続けてきているので、野心のある元気な方々と一緒に働きたいですね。今回の資金調達で次のステージに進む体制が整ったので、組織の拡大とともにビジネスを加速させていきます。

株式会社Kiva

株式会社Kivaは、ECサイト向け商品の保証・延長保証サービスAPI『proteger』を開発・運営する企業。 『proteger』は、「Shopify」「Makeshop」「futureshop」などのECプラットフォームで販売する商品に保証・延長保証サービスを提供できるAPI。ECサイトに『proteger』を導入すると、商品購入者はカート画面で有料の保証サービスの要否を選択できるようになる。同社は、商品購入者が支払う保証料を収益とし、保証サービスに関する顧客対応や交換商品の費用を担う。

代表者名野尻航太, 磯崎裕太
設立日2020年12月1日
住所東京都中央区築地3丁目12番5号
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