インサイドセールスSaaSのジェイタマズが資金調達、Webサイトでのリアルタイム商談で日本の商習慣に挑む

インサイドセールスSaaSのジェイタマズが資金調達、Webサイトでのリアルタイム商談で日本の商習慣に挑む

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KEPPLE編集部

Webサイトへの訪問客を可視化し、リアルタイムで商談ができるインサイドセールス向けSaaS「OPTEMO(オプテモ)」を運営する株式会社ジェイタマズがプレシリーズAラウンドにて、第三者割当増資による資金調達を実施した。また、累計資金調達は2億円となったことを明らかにした。

今回のラウンドでの引受先は、PKSHA SPARX アルゴリズム1号投資事業有限責任組合、千葉道場ファンド、SBIインベストメント、みずほキャピタル、FFGベンチャービジネスパートナーズの5社。

調達した資金は、プロダクト開発の強化や人材採用に充て、事業拡大を目指すとしている。

Webサイトを訪れている顧客とリアルタイムで通話

OPTEMOは、主にBtoB SaaS企業のインサイドセールス向けのWeb商談サービス。

業種を問わずインサイドセールスの業務においては、架電による営業確度が低く、Webサイトからの問い合わせも限られているため、新規リードは常に不足しているケースが多いという。

OPTEMOは、Webサイトを訪問中の顧客にそのまま対応できる機能が特徴だ。アプローチすべき顧客の訪問を知らせる通知が届いたら、顧客が見ている画面をリアルタイムで確認しつつ、Webサイト上で音声通話によるコミュニケーションを図れるプロダクトだ。

サービス資料画像
OPTEMOの正式リリースは2022年11月1日。それまではβ版が無償で提供されており、BtoB SaaS企業を中心に40社ほどの企業が利用していた。

今回の資金調達に際して、代表取締役CEO 小池桃太郎氏に、今後の展望などについて詳しく話を伺った。

顧客一人ひとりに向き合えるツールが必要

―― これまで、インサイドセールスにはどのような課題がありましたか?

小池氏:Webサイトを介したインサイドセールスでは、商談に至るまでにお客様自身が問い合わせページで個人情報を入力する必要があるなど、多くのステップを踏まなければならないことが課題となっています。

また、企業側からお客様にお声がけするためには、お客様がサイトのどこを見て何に興味があるのか確認できなければいけません。しかし、それができるツールは今までありませんでした。

―― 既存ツールにはどのような課題がありましたか?

これまでのWeb接客ツールは、顧客の行動に応じてリアクションするものでした。サイトにアクセスした瞬間に、チャットボットのポップアップが出てきてしまうのはその一例です。一方、マーケティングツールは一人ひとりにパーソナライズできるものの、お客様全体の傾向を見て誘導し、その結果としてポップアップを出すところまでしかできません。

そこで私たちは、お客様のニーズを掴んでパーソナライズし、一人ひとりに向き合ってコミュニケーションできるプロダクトとしてOPTEMOを開発しました。

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コロナ禍の世界で、一斉に開発がスタートしたプロダクト

―― OPTEMOを始めようと思ったきっかけを教えてください。

私は前職のコンサル会社でWebマーケティングに携わり、インサイドセールスの立ち上げ支援を行っていました。その時に、インサイドセールスという仕事のつらさを感じたのです。1日中架電してもアポイント獲得率はたった2〜3%という低さ。良い職種のはずなのにこんな思いをするのは嫌だなと思っていました。

Webマーケティングについても、「なぜWebサイトはいつまでもこんな状態なのだろうか」と、疑問に感じていました。実店舗に置き換えると、100人来店して1人しか購入しない店舗があれば絶対におかしいと感じますが、Webサイトではそれが当たり前になっていることに違和感を覚えます。原因になっているのは、個人情報を要求する問い合わせフォームです。まずこれを取り除き、Web体験を変えていこうと思ったのです。

―― 開発までの経緯と、業界のトレンドを教えてください。

2020年7月の創業から1年後に、それまでの事業からピボットして立ち上げたのがOPTEMOです。ピボットにあたっては、あらゆる業種・職種の方へのヒアリングを重ね、海外のサービスを徹底的に調査しました。当時、Product HuntやY Combinatorに選ばれたプロダクト、サービスを何百も調べたことで、世界的なトレンドが把握できました。

国内外含めて、Web接客ツールで音声通話などによるインタラクティブなコミュニケーションを図ろうとするサービスは、一斉にスタートしたばかりの状態です。コロナ禍でリモートワークやオンラインでのコミュニケーションが一気に広がった影響で、こういったプロダクトの開発が全世界で同時に始まりました。今のところ全世界で横並びの状態であることが見えてきています。

双方向コミュニケーションで日本の商習慣を変える

―― 今回の資金調達を経て、足元の事業拡大の方針について教えてください。

具体的には現在6名の組織を10名規模に拡大したいと考えています。主にエンジニアの採用を中心に進め、事業進捗に合わせてビジネスサイドのメンバーをリクルーティングする予定です。

また、当社のAIエンジニアと東北大学データ駆動科学・AI教育研究センターとの共同研究が始まりました。Web上でのお客様の動きを元に、どんな購買行動をする方なのか、どういった気持ちの変化があるのか推定するAIを開発する予定です。今後はOPTEMOにAIを実装し、プロダクトの強化を目指したいと考えています。

―― 今後の長期的な展望を教えてください。

私たちが目指すのは、日本の商習慣を変えることです。問い合わせようとするお客様に対して一方的に個人情報を求めるのではなく、気軽に「ちょっとお話ししましょう」と、双方向でコミュニケーションできるような世界を作りたいと考えています。

インサイドセールスに加えて、CS(カスタマーサクセス、カスタマーサポート)の領域にも応用できるほか、BtoBだけでなくBtoCに広げていける要素もあるので、幅広く開発を進めていきたいと思っています。

いずれはすべてのWebサイトにOPTEMOが埋め込まれることを目指したいですし、OPTEMOを前提としたWebサイト作りも実現できればと考えています。

株式会社ジェイタマズ

株式会社ジェイタマズは、インサイドセールスツール『optemo』を開発・運営する企業。 『optemo』は、自社のアプリやWebサイト来訪者の画面操作を確認しながら、効果的なタイミングでオンラインコールやチャット、画面制御機能を使ってアプローチすることができるインサイドセールス向けツール。同ツールでは、来訪者がワンクリックでオンラインコールに応答できるボタンや、伝えたい情報を来訪者の画面に表示させたりすることが可能。

代表者名小池桃太郎
設立日2020年7月15日
住所東京都千代田区内神田3丁目17番8号小山第一ビル3階
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