株式会社CAST

配管減肉モニタリングシステムを開発するCASTは、リアルテックファンド、肥銀ベンチャーファンド、OKB・名南ベンチャー支援1号ファンドから、第三者割当増資により総額1.5億円の資金調達を実施した。また、同社の主力製品である配管減肉モニタリングシステムを「ULTRACK™」(アルトラック)としてリブランディングし、新たな商品ページを公開した。
同社は、熊本大学発のベンチャー企業であり、「あらゆる場所にセンサーを」を理念に掲げている。独自の薄型圧電センサー技術を活用し、製造業の現場における配管の減肉を遠隔でモニタリングするシステムを開発。このシステムにより、高所・狭所・暗所などの危険な場所での検査作業を効率化し、スマート保安を実現する。
2024年10月には、熊本市東部環境工場にて4か月超に及ぶ「配管減肉モニタリングシステム」の実証実験を実施し、成功したと発表した。
代表取締役の中妻 啓氏は、東京大学工学部計数工学科を卒業後、同大学大学院情報理工学系研究科にて博士(情報理工学)を取得した。2012年に熊本大学大学院先端科学研究部の助教として着任。2019年9月にはCASTを共同創業し、代表取締役に就任した。
製品名「ULTRACK™」は、あらゆる技術的な困難を超え、物理情報のデータ化に挑戦し続けるという想いと、配管等の肉厚測定に使用する超音波(ultrasonic)や、軌跡(track)という意味を掛け合わせたものである。新たなブランド名のもと、製造業の現場でのさらなる活用を目指し、事業を加速させる。
近年、製造業界では設備の老朽化や人手不足が深刻化しており、設備の状態をリアルタイムで把握し、トラブルを未然に防ぐ技術の導入が求められている。CASTの「ULTRACK™」は、こうした課題に対するソリューションとして注目されている。
今回の資金調達と新ブランドの発表を機に、製品の防爆認証取得や開発体制の強化を進め、製造業の安全性向上と効率化に貢献することを目指すという。今後の展開に注目が集まる。
画像はCASTプレスリリースより