マルチブランド型フィットネス事業のファノーヴァ、FC×承継で2030年300店舗へ

マルチブランド型フィットネス事業のファノーヴァ、FC×承継で2030年300店舗へ

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マルチブランド型フィットネス事業を手がける株式会社ファノーヴァは、i-nest capitalとみずほキャピタルを引受先とする第三者割当増資により資金調達を実施した。

同社は2019年4月の設立以来、セミパーソナルジム「FLATTE(フラッテ)」を起点に、直営運営・フランチャイズ展開・既存フィットネス事業の承継を組み合わせた事業モデルを構築してきた。単一業態の拡大にとどまらず、複数ブランドを横断しながら、運営・人材・オペレーション面の共通基盤を再利用できる設計を重視している。

「FLATTE(フラッテ)」は「フラッとはじめて、しっかりつづく」をコンセプトとするセミパーソナル型フィットネスジムだ。1対1のパーソナル指導ではなく、少人数制による”セミパーソナル”指導を行う。店舗での対面レッスンは「月1回」「月4回」「通い放題」から選べ、オンラインレッスンは全プランで受け放題としている。予約・決済・顧客管理を含むOMO型オペレーションを特徴とする。同社によると、運動未経験者や初心者層を主なターゲットとしながら、継続率は業界水準の約4倍にあたり、安定した会員基盤の形成につながっているという。

(画像:同社提供)

代表取締役の舟久保 匡佑氏は、初心者でも続けやすい仕組みについて「トレーナーとの程よい距離感が大きなポイント。完全オンラインのレッスン等で一人でトレーニングするのは気楽な反面、自分を律して継続する心理的ハードルが高い。一方で、トレーナーとの1対1のトレーニングはプレッシャーを感じるという人も多い。FLATTEでは1対1ではなく、1対少人数でレッスンを行うことで、周囲と励まし合いながら楽しく運動できる空間を提供している。」と説明する。同社はトレーニング器具を使用しない自重トレーニングを中心に、運動強度を低く設定し、運動が苦手な人でも無理なく継続できるプログラム開発を進めているほか、店舗とオンラインでのレッスン受け放題で月額1万2000円という価格設定も特徴だ。

舟久保氏は創業当初について「もともとインバウンド向けの美容体験プラットフォーム事業を手がけていたが、コロナ禍突入により事業も組織も一気に混乱に陥った」と振り返る。コロナ禍で外出が制限されるようになったことで運動不足が叫ばれ「オンラインフィットネス」という言葉が生まれた一方で、オンラインフィットネスだけでは運動不足を十分に解消できていない層の存在を認識したという。「自宅は目の前にベッドがある環境。そこで自分を律して運動できる人は限られると思った」と語り、店舗とオンラインを融合させたハイブリッド型フィットネス事業の着想に至ったという。

(画像:同社提供)

フィットネス業界は成長市場である一方、競合の増加や顧客の多様化が進んでいる。日本のフィットネス参加率は欧米と比較して依然として低水準にとどまっているとされ、未開拓層の開拓余地は大きい。舟久保氏は「まだフィットネスに触れたことのない層に向けて、新たな選択肢を届けていきたい」と語る。

同社はサービスの再現性を高めるためのトレーナー育成・オペレーション確立にも注力する。舟久保氏によると、「お客様へのお声がけ一つをとっても、可能な限りコンテンツ化・マニュアル化している」といい、動画コンテンツやテキスト教材を用意し、誰が見ても同じコンテンツを学べる仕組みを整備しているという。さらに、トレーナー同士の定例ミーティングを毎週設計し、個別の対応事例を共有する場を設けることで、マニュアルではカバーできないケースにも対応できる体制を構築している。

現在は、FLATTEで培ったオペレーション基盤を応用し、パーソナルピラティス事業や女性専用24時間フィットネスジム事業へも展開を広げている。これらの業態は、直営による検証を経てフランチャイズ展開も推進中である。

加えて、後継者の不在という問題や運営課題を抱える既存フィットネス事業の承継・再生にも取り組む。東京都板橋エリアでのセミパーソナルジムの事業承継では、譲渡後にコンセプト設計の見直し、オペレーション改善、人材育成体制の再構築を実施し、半年間で売上・会員数ともに約2倍に成長させた。舟久保氏は「当時、会員数が伸び悩んでいた背景には、運動初心者向けに打ち出している一方で、実際のコンテンツとして運動強度が高すぎるというギャップがあった。プロモーションにコンテンツが見合っていなかった」と当時の課題を指摘し、FLATTEのコンテンツとマーケティング、オペレーションのノウハウを投入して改善を図ったと説明する。

今回の資金調達の背景について、舟久保氏は「収支が黒字化できていたので、金融機関に味方についていただけたタイミングだった」としたうえで、「今回資金調達した明確な目的としては、フランチャイズの拡大とマーケティング、ブランディングがある。また、事業承継も推進していきたい」と語る。

同社は2030年までに300店舗体制への拡大を目指す。舟久保氏は「フィットネス人口を増やし、普段運動できていない人々の生活にフィットネスを溶け込ませる。そういった世界観を作るために、私たちは日々挑戦していく」と語り、フランチャイズ展開と事業承継・ロールアップ・M&Aを組み合わせた成長戦略を本格化させる方針を示した。

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