洋上風力発電のアルバトロス・テクノロジーが資金調達、持続的な地球環境に向けて新たな海道を切り開く

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KEPPLE編集部

洋上風力発電の技術開発を行う株式会社アルバトロス・テクノロジーがシードラウンドにて、第三者割当増資による1億円の資金調達を実施したことを明らかにした。

今回のラウンドでの引受先は、ジェネシア・ベンチャーズ。

調達した資金は、研究開発および小型海上実験機の設計・開発に充て、洋上風力発電分野のゲームチェンジャーを目指すとしている。

再生可能エネルギーの切り札

株式会社アルバトロス・テクノロジーは、船舶海洋工学を専門とし、東京大学などで教員を務めた秋元博路氏が2012年に合同会社として設立。今回の資金調達に際して株式会社に変更した同社は、海上に大型風車を浮かべて発電を行う「浮体式洋上風車」の実用化に取り組む、研究開発型スタートアップ。

脱炭素社会の実現に向けて、再生可能エネルギーの普及が不可欠となる中、洋上風力発電は、火力発電に変わる主力電源として、注目を集めている。日本政府は「第6次エネルギー基本計画」で、洋上風力を「再生可能エネルギー主力電源化の切り札」と位置づけ、政府目標も定めている。

洋上風力発電においては、陸に近い浅い海域の着床式洋上風車と沖合の深い海域の浮体式風車があるが、遠浅の海が少ない日本近海では浮体式の活用が重要となる。
しかし、従来型の高いタワーに載った風車を浮体式にすると、特に超大型台風を想定する日本では、製造・設置などのコストが高くなる懸念がある。

アルバトロス・テクノロジーが開発する浮遊軸型風車は、回転する円筒浮体で支持される垂直軸型風車で、浮体式に特化していることで、コストを下げ、かつ超大型風車を可能とする。また、単純構造により製造・保守コストを低減するとともに、海外の大手風車メーカーの技術に依存しない国産化率100%を見込む設計となっている。

サービス紹介資料

同社はこれまで助成金などを活用しながら、水槽実験等を進めてきた。現在は電源開発株式会社(J-POWER)茅ヶ崎研究所、大阪大学の三者で共同研究を実施しており、今回調達した資金で、小型海上実験の準備を進めて、2024年度の海上小型実験の開始を目指す。
今後は、小型海上実験機の港内実証、大型機の海上実証プロジェクトを経て、提案技術の信頼性を高め、風力発電事業社らと提携して、国内外の洋上風力入札に取り組むとしている。

今回の資金調達に際して、代表取締役 秋元博路氏に、今後の展望などについて詳しく話を伺った。

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浮体式風車を日本から世界へ

―― アルバトロス・テクノロジーを始めようと思ったきっかけを教えてください。

秋元氏:私は、船舶海洋工学の研究者を大学で長く務めてきました。2011年の東日本大震災をきっかけに、海洋再生可能エネルギーの実用化・商用化を目指して、アルバトロス・テクノロジーを設立しました。

日本は海洋大国と言われながら、これまで海洋再生可能エネルギーはほぼ失敗してきました。当時から、浮体式風車の研究は存在したものの、その頃は、非常に高い風車を立てて、風が強く波が高い海域で倒れちゃいけない、というものでした。
船舶海洋工学の専門である私からすると、これは常軌を逸しており、船舶海洋工学では重心を高くしてはいけないと教わります。基本から外れているというのはコストが高いということを意味します。そこで、何か違う方法があるのではないかと探し始めました。

船舶海洋工学では、重たいものは浮かべて動かすのが基本です。従来の浮体式風車は、海水の浮力を使わずにタワーの上で風車を回そうとしていましたが、浮かべた方が合理的であるだろうと判断して、現在の形に至りました。

―― 今後の長期的な展望を教えてください。

日本国内では今、着床式風車ばかりがクローズアップされており、浮体式風車が過小評価されています。これまで浮体式のプレーヤーがいなかった背景があるのですが、それを切り崩して、洋上風力を再生可能エネルギーとして使えるようにしていきたいと思っています。

洋上風力における課題は日本に限りません。ヨーロッパは着床式がメインですが、それは遠浅の海が多い特殊な環境で、アジア諸国、アメリカなどは深い海を持っていますので、そこに向けて浮体式風車をどんどん作っていき、地球温暖化対策、地球環境の持続性に貢献していきたいと思っています。

株式会社アルバトロス・テクノロジー

株式会社アルバトロス・テクノロジーは、海洋再生可能エネルギーにより発電するさまざまな装置を開発する企業。 同社は、複数の企業や大学と連携し、洋上風力や潮流・海流、波といった海洋再生可能エネルギーを活用して発電する装置の開発に取り組む。台風などで横倒しになっても直立に戻る浮体式洋上風車をはじめ、潮流・海流エネルギーを活用する潮流・海流タービンや、波の中の流体粒子の運動を活用する波力タービンを開発する。

代表者名秋元博路
設立日2012年3月6日
住所東京都中央区日本橋人形町2丁目12番5
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