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独自技術で創り出すハイブリッド魚、未知の美味しさを世界へ

株式会社さかなドリームは、シリーズAラウンドにて総額10億円の第三者割当増資を実施し、累計の調達額が約12億円になったことを明らかにした。
リードインベスターはBeyond Next Venturesで、その他にもゆうちょ Spiral Regional Innovation Fund、Canon Marketing Japan MIRAI Fund、ニッセイ・キャピタル、三井住友海上キャピタル、ちばぎんキャピタル、常陽キャピタルパートナーズが参加している。
さかなドリームは、東京海洋大学発の水産ディープテックスタートアップとして、独自の「代理親魚技法」および異なる魚種の掛け合わせによる「ハイブリッド魚」の開発を進めている。日本近海に生息する4000種以上の魚の中から“幻の魚”や美味とされる魚を選び出し、養殖に適した魚との掛け合わせにより、新たな養殖魚の創出を試みている。
第一弾の成果として、幻の魚「カイワリ」と南房総産「金アジ(マアジ)」を掛け合わせた世界初の養殖魚「夢あじ」を開発し、テスト販売では鮮魚小売店で連日即完売、ミシュラン星付き飲食店にも提供されるなど、好評価を得ている。
代表取締役CEOの細谷 俊一郎氏は、丸紅で穀物流通と事業企画に従事後、複数のベンチャーで事業開発・経営・起業を経験。養殖業の可能性に惹かれ、2023年7月にさかなドリームを共同創業。
世界的に魚介類を含む水産物への需要が高まる一方で、過剰漁や気候変動の影響により天然魚の漁獲量と品質は低下傾向にある。特に日本では天然魚の漁獲量がピーク時の約3分の1まで減少しているとされる。こうした中、養殖分野における革新による安定供給や高品質化への期待が強まっている。
今回のシリーズA資金調達により、さかなドリームは以下の2つを重点的に進める。
1. 新規養殖魚研究開発の加速:研究施設の整備、新たな専門人材の採用を含め、日本の4000種以上の魚種から味覚やストーリー性のある新魚種を探索し、数年内に複数の新魚種の販売を目指す。
2. 量産体制の確立およびブランディング強化:「夢あじ」を含む新魚種の生産設備および全国の生産パートナーとの提携を強化し、広報・マーケティングを全面的に展開。ブランド認知や消費ニーズの向上、流通パートナーとの協業により、国内外の市場展開を加速する。
さかなドリームは、「夢あじ」を皮切りに、創業からわずか数年で既に注目を集めている。今回の資金調達により、生産・開発・販売の各フェーズが一気通貫で進化することが期待される。今後は、複数の新魚種の市場投入により、さらなる事業展開が見込まれる。
画像はプレスリリースより
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