関連記事
在宅医療・介護業界のDXを支援するゼストが、シリーズBエクステンションラウンドでエムスリーから1億円の投資を受け、累計調達額が16億円となった。今回の資金は、機能開発、他社ツールとの連携システム構築、人材の採用に充てられる予定である。
同社は、在宅医療・介護事業者向けの業務支援プラットフォーム「ZEST」を提供している。ZESTは、訪問スケジュールの自動作成や業務管理を一元化し、現場スタッフの業務負担を軽減するとともに、事業運営の最適化を支援する。主な機能として、訪問スケジュールをAIが自動で最適化する「ZEST SCHEDULE」、スタッフ間の情報共有を効率化する「ZEST HUB」、経営データを可視化し分析できる「ZEST BOARD」などがある。
在宅医療・介護業界では、電子カルテやレセプト請求システムが導入される一方、スケジュール管理には紙やExcelが併用されることが多く、二重・三重管理が発生している。また、デジタルツールを導入している事業所でも、各システム間のデータ連携が不足しており、手作業によるデータ転記や二重入力が業務負担やミスの要因となっている。こうした課題に対し、同社のサービスは各種業務の一元管理と自動化を通じて、効率化を支援する。
代表取締役社長の一色 淳之介氏は、大学院を修了後、新卒でP&Gジャパンのマーケティング部門に入社し、日本およびシンガポールでヘアケアブランドのマーケティングに従事した。その後、2013年に創業期のヤマトキャピタルパートナーズ(現・株式会社YCP Solidiance)に参画し、パートナーとしてマーケティングや経営戦略、新規事業立案等のコンサルティング支援を行った。2022年9月1日付でゼストの代表取締役社長に就任している。
2025年1月に「ZEST SCHEDULE」をアップデートし、従来のアナログ業務からデジタルへの移行を支援する機能を強化した。カレンダーの縦型・横型表示の選択や、利用者配布用カレンダーの自動作成・印刷機能を追加し、現場のニーズに対応する。
今回調達した資金は、ZESTのAIによる訪問スケジュール自動作成機能の高度化、AI基盤を活用した新たな収益化ソリューションの開発、他社ツールとの連携システム構築、そしてこれらの開発を加速させるための優秀な人材の採用に充当する予定だという。
画像はゼストプレスリリースより
Tag