バーチャルオフィスツアーのToursが資金調達~求職者に企業の「リアリティ」を届ける

バーチャルオフィスツアーのToursが資金調達~求職者に企業の「リアリティ」を届ける

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株式会社Tours(旧:DINAMICA)は、オンライン採用体験プラットフォーム「Tours」の事業拡大に向けて、QXLV(クオンタムリープベンチャーズ)およびリコーのCVCであるリコーイノベーションファンドを引取先とする第三者割当増資を実施し、累計調達額が1.2億円に達した。また、2025年4月1日付で社名をToursに変更し、プロダクトに軸足を置いた事業展開を進める方針を明確にした。

同社は2021年創業、採用支援を軸に事業を展開してきた。主力サービス「Tours」は、企業の職場環境を360度映像で再現し、オフィスや社員の姿、カルチャーまでをオンライン上で体感可能にする。遠隔地の求職者も平等に企業文化へアクセスできる環境を提供している。

新型コロナウイルス感染症の影響により、採用活動のオンライン化は急速に進んだ。企業説明会や面接といったプロセスがオンラインで完結する一方で、企業の雰囲気や働く環境といった“空気感”を伝えることが難しくなっており、こうした課題に対するソリューションとして同サービスが注目されている。

代表の濵田祐輔氏は、リクルートでHRサービスの立ち上げに携わった。「地方学生が都心企業へアクセスするにはコストがかかる。Toursは“行かずに99%を理解する”環境をつくり、リアルな出会いを本当に必要な瞬間に集中させる」と話す。

Toursはリリース1年足らずで200社以上に導入され、大企業からスタートアップ、地方の物流業界まで幅広く利用されている。特に企業ブランドが浸透しづらい業界での導入が進んでおり、濵田氏は「Toursは“情報格差”を埋める手段として機能している」と語る。オフィスのリアルな雰囲気をそのまま伝えることで、入社後のミスマッチも防ぎやすくなっているという。

また、求職者の“企業選び”の姿勢にも変化が見られる。濱田氏は、「従来の演出されたコンテンツではなく、企業の実態がより正確に伝わる情報を求める傾向が強まっている」と話す。そのなかでToursは、360度映像や現場の音声などを通じて、職場の雰囲気や働く様子を視覚的に捉えられる「リアリティある情報提供」に注力している。さらに、今後は社員情報や制度、福利厚生といった企業文化に関わる多様な要素も一体的に伝える機能を強化し、“企業文化の可視化ツール”としての価値を高めていく考えを示した。

今回の資金調達は、開発体制および人材採用の強化を主な目的としている。濵田氏は、今回の増資を「IPOを現実的な成長戦略として見据えたステップ」と位置付け、「Toursを採用活動における“当たり前”にすることが短中期の目標」としている。また、今後は新卒や中途に加え、アルバイト、派遣、不動産といった多様な雇用形態や領域へのサービス展開も検討しているという。

Toursは「空間」と「文化」の両面から採用体験を再設計しようとしている。インフラ的な役割を担う存在として、今後の発展が注目される。

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