低損失×高透磁率のコア材を量産へ──ネクストコアテクノロジーズ、総額20.73億円で新工場整備と供給基盤を強化

低損失×高透磁率のコア材を量産へ──ネクストコアテクノロジーズ、総額20.73億円で新工場整備と供給基盤を強化

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次世代高効率モータ向け材料・コア技術を開発するネクストコアテクノロジーズ株式会社は、デンソー等を引受先とする第三者割当増資と、三井住友銀行からの融資により、総額20.73億円の資金調達を実施したと発表した。

ネクストコアテクノロジーズは、脱炭素社会の実現に向けて2022年に設立されたクライメートテックスタートアップだ。

近年、電動化の進展や省エネ需要の高まりを背景に、モータの高効率化は自動車、空調、産業機器など幅広い分野で重要性を増している。とりわけ脱炭素対応が企業の競争力に直結する中、電力損失を抑えつつ性能を高めるモータ材料・コア技術への期待は大きい。こうした流れの中で、次世代モータの中核部材を手がける企業への関心も高まっている。

同社は、従来のモータコア材では両立が難しかった低損失と高透磁率を備える鉄基アモルファス系合金「HLMET®」および、アモルファス積層コアを開発・製造している。これらの技術により、エアコン、電気自動車、産業用モータなど幅広い分野で、省エネルギー化や小型・高出力化への貢献を目指す。

代表取締役は山本勇輝氏。2006年にHILLTOP入社。2010年に製造部長、2013年に米カリフォルニア州でHILLTOP Technology Laboratory, Inc.を設立しCEOに就任した。2020年にHILLTOPの常務取締役、2021年にThinkRの代表取締役社長を歴任。2022年にはHILLTOP、BIZYME、小松精機工作所の3社でネクストコアテクノロジーズを設立し、代表取締役に就任した。

今回の調達資金は主に3つの用途に充てる。1つ目は、佐賀県伊万里市に新設する開発・製造拠点「ネクストコアテクノロジーズ 伊万里製作所」の整備だ。新工場では、鉄基アモルファス系合金、低損失積層コア、高効率モータコアの製造を行い、2026年8月の完成、同年10月の稼働開始を予定している。これにより、量産体制を確立し、国内外の自動車メーカーや産業機器メーカーへの供給体制を強化する。

2つ目は、デンソーとの業務提携を通じた次世代モータージェネレーター分野での共同開発だ。ネクストコアテクノロジーズが持つ鉄基アモルファス系合金の材料・加工技術を活用し、両社でモーターコアの開発を進める。電動化が進む中で、自動車領域を中心とした高効率モータ技術の実装加速が見込まれる。

3つ目は、採用活動の強化だ。量産立ち上げとグローバル展開を見据え、開発・製造・事業の各領域で組織体制を拡充する。

同社によると、開発するコア材を用いたモータでは、従来比で最大40%以上の消費電力改善が確認されているという。今後は新工場の立ち上げと事業提携を通じて、次世代モータの普及を支える供給基盤づくりを進める方針だ。

※ 鉄基アモルファス系合金:鉄(Fe)を主成分とし、液体から急速冷却することで原子の規則的な配列(結晶構造)を持たない非晶質(アモルファス)状態にした金属材料。省エネ・高効率化に貢献する次世代素材。

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