バーチャル法律事務所を提供するa23sが、プレシリーズAで1.6億円を調達ーー法務×AIで専門人材不足に挑む

バーチャル法律事務所を提供するa23sが、プレシリーズAで1.6億円を調達ーー法務×AIで専門人材不足に挑む

xfacebooklinkedInnoteline

生成AIを活用した企業法務アウトソース・サービス(ALSP)「クラウドリーガル」を展開するa23s株式会社は、プレシリーズAラウンドにて総額1.6億円の資金調達を実施した。今回の調達は、ANOBAKAをリード投資家とし、ニッセイ・キャピタル、RICOH Innovation Fundが参加。

「クラウドリーガル」は、企業向けの法務・労務業務をオンラインで完結できるクラウドサービスだ。弁護士とのチャット相談や契約書の作成・レビュー、会社設立や知的財産の手続きまで、幅広いリーガル業務を一元的に扱っている。

オンライン上の質問に答えるだけで、弁護士が監修した契約書を自動で生成。これにより、迅速かつ簡便に契約書を準備することが可能になる。また、法律や労務に関する相談は、生成AIのサポートを受けながら、企業法務に強い弁護士とチャットやリモート面談、電話を通じて直接やり取りできる。

契約書に関する個別の質問とあわせて、弁護士によるレビューを受けることも可能。法務業務を外部に委託する仕組みとして、バーチャル法律事務所という形で、弁護士や司法書士、弁理士など案件に応じた専門家が対応する体制を整えている。

代表取締役の﨑地康文は、日本および米国ニューヨーク州の弁護士資格を持ち、アンダーソン・毛利・友常法律事務所では特許訴訟やM&A、シンガポール勤務など国際業務も経験。2017年にカリフォルニア大学バークレー校LL.M.課程を修了後、AI医療機器スタートアップの執行役員や慶應大学発スタートアップの取締役COOを務める。2022年にはa23sを共同創業。現在代表取締役を務めると同時に、なゆた国際法律事務所の代表も務めている。

近年、企業を取り巻く環境が急速に変化しており、法務の対応領域も拡大を続けている。ガバナンスやコンプライアンス、危機管理、人権・労務、プライバシー保護、ESG・サステナビリティ、経済安全保障、サイバー防衛、不正対策など、多岐にわたる分野での法務対応が求められている。

こうした状況は、企業の規模や業種を問わず、法務体制の整備や顧問弁護士の必要性を一層高めている。一方で、少子高齢化に伴う人材不足は、法務やコンプライアンスといった専門分野にも影響を及ぼし、人材の確保や体制の維持が課題となっている。

法務領域は専門性が高くカバー範囲も広いため、リーガルテックだけでは体制整備や業務負担の軽減には限界がある。クラウドリーガルは、生成AIを取り入れたITサービスと弁護士など専門職を組み合わせることで、法務体制の構築、人材不足の補完、業務効率化、コンプライアンス体制の強化を実現する新たなモデルを提供。個人事業主から大手企業まで、地域を問わず幅広く導入可能なため、専門的な法務機能の全国展開を目指す。

今回の資金調達では、サービスの性能や機能、サポート体制の強化を進め、業界のリーディングカンパニーとして一層の成長を図っていく考えだ。

画像はa23sプレスリリースより

新着記事

STARTUP NEWSLETTER

スタートアップの資金調達情報を漏れなくキャッチアップしたい方へ1週間分の資金調達情報を毎週お届けします

※登録することでプライバシーポリシーに同意したものとします

※配信はいつでも停止できます

投資家向けサービス

スタートアップ向けサービス