日本サイバーディフェンス株式会社

日本サイバーディフェンス株式会社(以下、NCD)は、インキュベイトファンド、MPower Partners、DBJキャピタルを引受先に迎え、シードラウンドにて総額10億円の資金調達を実施した。同社はあわせて、日本初のソブリン・サイバーセキュリティ・プラットフォーム「MIJXDR」を正式に発表しており、日本国内におけるサイバー防衛体制の高度化に向けた大きな一歩を示している。
同社が掲げる「ソブリン・サイバーセキュリティ・プラットフォーム」とは、国内で設計・開発・運用される、国家主権レベルでセキュリティを確保できるプラットフォームである。NCDは、現在国内で流通するセキュリティソリューションの約95 %が海外製であるという状況を背景に、国産ソリューションの必要性を強調している。
NCDは、国家インフラ、政府機関、大企業および中小企業を保護対象とし、セキュリティ運用監視(SOC)、インシデント対応、脅威インテリジェンス、SIEM(セキュリティ情報・イベント管理)といったサービスを提供してきた。
また、2024年には国内で6860億件以上のサイバー攻撃パケットが観測されたとされ、地政学的なリスクも背景に、国内のサイバー防衛能力強化が重要視されているという。政府側でも、重要インフラ保護や経済安全保障政策の一環として、国内で主権を確保できるサイバー防衛ソリューションへの期待が高まっている。
CEOはカータン・マクラクリン氏。創業時(同社設立は2017年10月)から社を率いており、同社のグローバル視点を打ち出す経営を行っている。
今回の資金調達および「MIJXDR」発表は、国内で海外製ソリューションに依存し続けるサイバーセキュリティ市場において、国産・主権確保型ソリューションへのシフトを示す動きである。NCDのプラットフォームは、リアルタイムのアクティブ・ディフェンス、高度な脅威検知、24時間365日のSOC自動化、国内法・プライバシー・バイ・デザイン準拠、国内ホスティング・運用といった特徴を備えており、重要インフラや公共部門における運用が想定されている。
2025年内のプラットフォーム正式ローンチを目指しており、加えて包括的なサイバーセキュリティ・エコシステムの構築、産業セミナー・ワークショップを通じた啓発活動、次世代サイバーセキュリティ人材育成にも取り組むとしている。
この動きは、国内の企業および行政機関にとって、海外依存から脱却し、主権型のサイバー防衛能力を強化する機会となるだろう。









