日本発、世界で戦う専門家知見のプラットフォーム──事業エリア拡大を本格化

スタートアップおよび大手企業における新規事業開発のニーズが高まる中、株式会社アルファドライブと株式会社Sun Asteriskは2025年4月、新たにジョイントベンチャー「株式会社GROWGRIT(グローグリット)」を設立した。両社の知見とリソースを結集し、事業仮説の検証からプロダクトの本格開発、運用、人材育成までを一気通貫で支援する体制を構築する。
GROWGRITでは、MVP(Minimum Viable Product:最小限の実用製品)の試作や技術検証、アジャイル開発体制の構築支援に加え、クライアント企業内の開発チームの内製化促進にも対応。両社の持つ事業開発や技術実装のノウハウを活用し、単なる開発受託にとどまらず、事業成長を中長期的に支える「伴走型」の支援が特徴だ。
出資比率はSun Asteriskが66%、AlphaDriveが34%。資本金は300万円で、代表取締役にはSun Asteriskの松本健次氏が就任。取締役として、AlphaDriveの加藤隼氏、Sun Asteriskの升井亮氏が参画する体制となっている。
松本氏は、野村総合研究所にて大規模プロジェクトのマネジメントに携わった後、リクルートテクノロジーズやキャディで新規事業や組織構築を担当。その後Sun Asteriskへ参画し、デジタル領域での新規事業開発に従事してきた。2025年1月からは、同社のC&E Division Managerとして複数のプロジェクトを統括している。
親会社であるAlphaDriveは、2018年の創業以来、企業内新規事業の創出支援を行い、200社以上・2万件超の事業アイデア創出をサポートしてきた実績を持つ。一方のSun Asteriskは、約2,000名のエンジニア・クリエイターによるグローバルな開発体制を有し、1,000件以上のプロダクト開発を支援。加えて、デジタル人材の育成とマッチングを行うプラットフォーム事業も展開している。
近年の国内市場では、アイデア創出(いわゆる「0→1」)に加えて、開発・スケールフェーズ(「1→10」「10→100」)における技術人材の不足が大きな課題とされている。経済産業省の調査でも、新規事業が頓挫する要因として「プロダクト実装力」「スピード」「人材確保の難しさ」が上位に挙げられており、大企業を中心に、外部パートナーとの連携による体制強化が求められている。
このような背景から、オープンイノベーション型のコンサルティングやデジタル開発を手がける企業が競合として台頭。グローバルではアクセンチュアやデロイトデジタルといった大手も、新規事業支援サービスを拡充している。国内では、ビジネスとテクノロジーの両軸に精通する人材や、プロフェッショナルチームによる伴走支援が差別化の要因となっている。
GROWGRITは、プロダクト開発に留まらず、事業成長に必要な人材供給やチーム体制の構築も支援対象とする。システム開発の受託にとどまらず、企業の内製化を見据えた中長期のパートナーとしての関与を掲げている。
また設立にあわせて、両社は「グロースフェーズにおける事業×プロダクトのアジャイル開発実践論」をテーマとしたウェビナーを開催予定。企業内の新規事業担当者を対象に、知見共有とネットワーク形成の機会を提供する。
国内外で新規事業開発の重要性が高まる中で、GROWGRITの設立は、企業が持続的な成長を図る上での新たな選択肢となり得る。両社が培ってきた人材ネットワークとナレッジの活用が、既存市場に与える影響にも注目が集まる。
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