変革し続ける関西電力と拓く、ESG共創の未来
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変革し続ける関西電力と拓く、ESG共創の未来

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KEPPLE編集部
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関西電力株式会社は、従来のインフラとしての電力供給事業の枠組みを超え、エネルギーとその周辺領域で新たな価値を提供するサービス・プロバイダーへの転換を目指している。ゼロボードなど、スタートアップとの協業によるESGの取り組みを積極的に展開中だ。

同社は、1月29日より参加企業の募集を開始する三菱UFJ銀行とインクルージョン・ジャパン主催の「MUFG ICJ ESGアクセラレーター 2026」に参画。産業プロセスの電化や水素等への熱源転換を実現するソリューションを持つ企業との出会いから新たなイノベーションの創出を加速させる。

ソリューション本部 開発部門 開発部長の齋藤 宏輔氏(写真左)と、同事業創出グループ チーフマネジャーの和田山 嗣倫氏(写真右)に、同社のESGへの取り組みや今回のアクセラレータープログラム参画の背景を聞いた。

電力会社からサービス・プロバイダーへ──ESG価値を提供するための取り組み

──まず、ソリューション本部 開発部門について教えてください。

和田山氏:電力事業のライセンスには発電、送配電、小売の3種類がありますが、私たちソリューション本部は、そのうち「小売」にあたる事業を担っています。

近年はエネルギー環境が急激な変化を遂げており、カーボンニュートラルに向けた社会的潮流の中で、従来の火力や原子力等の大規模発電所から一方向で電気をお届けしていた時代から、再生可能エネルギーや蓄電池をはじめとする分散型エネルギーリソースが普及し双方向で電気が使われる時代に変化しています。

また、直近10年間には電力の自由化が進み、事業者間の競争が激化しました。電気は品質で差がつかない商品なので、最終的には価格勝負になっていきます。そうした中においても、競合他社と差別化を行い、持続的に成長していくには、新たな価値を創造し提供していくことが重要になります。

こうした環境変化を単なる制約ではなく成長機会と捉え、「電気を安定的に供給する会社」から、「エネルギーとその周辺領域で価値を提供するサービス・プロバイダー」への転換を進めています。その中核を担うのが、ソリューション本部です。

これまで小売電気事業を通じて培ってきたエネルギーマネジメントのノウハウや、法人・家庭のお客さまとの継続的な関係性を活かし、従来の電力販売にとどまらず、CO2削減、設備の運用最適化、事業継続性といった“成果”を価値として提供する事業モデルへと進化させています。           

具体的には、エネルギー利用状況の「見える化」から、再生可能エネルギー電源の創出、省エネ・効率化によるエネルギー削減、そして産業の電化まで、ゼロカーボンに至る一連のプロセスをパッケージ化しご提供しています。

──ESGの取り組み事例を教えてください。

和田山氏:2023年に、GHG(温室効果ガス)排出量の算定・開示・削減を支援するクラウドサービス「Zeroboard」を提供するゼロボードと資本業務提携を行いました。当社が持つ顧客基盤を活かし、法人向けパッケージに組み込む形で同社サービスをお客さまに提供しています。    

「Zeroboard」は、API連携や情報入力をするだけで、GHGプロトコルや環境省の基本ガイドラインに基づいたGHG排出量の算定をすることが可能
「Zeroboard」は、API連携や情報入力をするだけで、GHGプロトコルや環境省の基本ガイドラインに基づいたGHG排出量の算定をすることが可能

また、2025年8月には、カーボンクレジット創出・販売に取り組むシンガポール発スタートアップ、Three Treesと資本業務提携を実施しました。同社がアフリカで行っている森林再生やアグロフォレストリー(混農林業)プロジェクトで創出されたカーボンクレジットを、日本の法人のお客さまに提供していくため、ハンズオンで一緒に取り組みを進めています。

こうした取り組みは、先ほど申し上げたサービス・プロバイダーへの転換を象徴する事例だと考えています。

他にも、きらぼし銀行との協業による「CQ Bank」という銀行サービスを提供しています。これは、東京きらぼしフィナンシャルグループ傘下のUI銀行のBaaS(Bank as a Service)を活用したtoCの銀行サービスで、顧客からお預かりした預金を、環境配慮型住宅ローンや再生可能エネルギー事業等への投融資に活用する仕組みです。

齋藤氏:昨年には大阪万博で、SkyDriveの「空飛ぶクルマ」(eVTOL)の充電設備を開発・ご提供させていただきました。

このように、PoCという形でさまざまな取り組みにチャレンジしています。「小さく始めて、うまくいかなかったら辞める、伸びそうだったらもっとやってみる」という姿勢は徹底しています。

空飛ぶクルマの急速充電設備
空飛ぶクルマの急速充電設備

──チャレンジし続ける企業文化はどのように形成されてきたのでしょうか。

齋藤氏:当社は創業以来、社会の課題に対して常に真正面から向き合い、その解決に挑み続けてきました。戦後の電力不足に直面した際には黒部ダム建設という前例のない挑戦に踏み出し、さらに日本の将来を見据えて日本初の原子力発電にも取り組んできました。

こうした挑戦の根底にあるのは、各時代において我が国が直面する課題を自分事として捉え、エネルギー会社という社会の根幹を担う立場から、自ら答えをつくりにいくという姿勢です。私たちは、一社で答えを出すという発想にとどまらず、多くの企業と肩を並べ、共に悩みながら次の世界を切り拓いてきました。

現在進めている新規事業の創出やスタートアップとの共創も、特別な取り組みではありません。社会課題の最前線に立ち続ける企業として、次の時代を切り拓くために何に挑むべきかを考え続けてきた、その延長線上にあります。

日本初の加圧水型軽水炉(PWR)である美浜発電所からは、1970年大阪万博への試験送電も行われた
日本初の加圧水型軽水炉(PWR)である美浜発電所からは、1970年大阪万博への試験送電も行われた

先ほど申し上げた通り、やはり電気・ガスといったエネルギー事業単体で生き残るのは厳しくなっています。当社はエネルギー事業のあり方を問い直さざるを得ない局面に早い段階で新たな取り組みに着手し、試行錯誤しながら次の一手を模索してきました。

また、マーケットも関西に限定せず、日本全国、さらには海外にも取り組みを広げ、東南アジアにも展開しています。さらに、サービスに磨きをかけていくためにも金融や国際事業に強い専門人材を積極的に採用する取り組みも早くから行っています。結果として、柔軟に挑戦できる組織体制が少しずつ形になってきたと感じています。

同じベクトルで共に事業を推進できるパートナー像とは

──スタートアップや他企業と連携している理由は。

齋藤氏:理由は二つあります。一つは、社会課題に対する新しい解決策や事業を生み出すためです。変化の早い時代において、革新的なアイデアや技術は一社の中だけから生まれるものではありません。スタートアップが持つ独自の技術や仮説と、当社の事業基盤や知見を掛け合わせることで、構想を机上の議論に終わらせず、社会実装まで押し進めることができると考えています。

もう一つは、生み出した価値を市場や顧客にフィットさせ続けるためです。市場や顧客に最も近い場所で事業を磨き続けているスタートアップと共にサービスを進化させることで、変化するニーズに応え続けられる価値提供が可能になると考えています。

──スタートアップとの連携について、どのような体制で取り組んでいますか。

和田山氏:当社にはイノベーション推進本部の管理の下、K4Ventures(以下、「K4V」)という子会社がCVCの役割を担っており、執行役員クラスが素早く投資の意思決定を行える体制を整備しています。    

関西電力のCVCであるK4 Venturesは投資枠を拡大してきた
CVCであるK4 Venturesは投資枠を拡大してきた

K4Vの投資枠は2018年に初めて設け、現在は総額180億円の規模にまで拡大しています。当初はイノベーション推進本部のメンバーがソーシングを行い、出資に至るケースが中心でしたが、2021年頃からはソリューション本部や火力事業本部など、各主管部から案件が持ち込まれるケースが増えてきました。スタートアップとの協業に対する取り組みは、社内全体に徐々に浸透してきていると感じています。

また当社では、1998年から25年以上にわたり社内起業支援制度を実施しています。毎年400~500件の応募の中があり、その中から2~3年に1件事業化されるものが出てくる状況です。特に若手社員の間では、この制度の認知度はかなり高まっており、社内外においてイノベーションを創出する文化が根付いています。

── スムーズに協業が進むスタートアップの特徴について教えてください。

和田山氏:マーケットの最前線で活躍されていることを前提に、事業会社との協業をスムーズに進めるためには、事業会社側の意思決定プロセスをご理解されており、コミュニケーションが取りやすいことは、非常に重要な要素だと感じています。

例えば、もともと商社や事業会社で働かれた経験を持ち、そこから独立された方の場合、事業会社特有の考え方や承認プロセスをある程度理解されています。そのため、意思決定や事業推進の過程で、複数の部門と連携する必要がある点についても共通認識が持てるので、個人的な経験としては非常に会話がしやすいと感じています。

もちろん、当社側にもスムーズな協業のために努力すべき点があると考えています。スタートアップはリソースが限られていることが多いですし、こちらの取り組みが相手の事業の方向性ときちんとアラインできているかどうかは、常に意識しながら向き合う必要があります。

齋藤氏:スタートアップの皆様が、協業において実現されたいことはたくさんあると思います。一方で、当社としても常にお客さまに向き合い、ニーズをお伺いしており、それらのニーズに合致する魅力的な価値を早期にお届けしたいと考えています。そのため、コミュニケーションを重ねながらお互いの実現したいことをすり合わせ、プロダクトやサービスを一緒に磨き上げていける関係性を構築していくことが重要であると感じています。          

産業プロセスの転換に挑む:関西電力が求める次世代ソリューション

── 今回、MUFG ICJ ESGアクセラレーター2026に参画された背景を教えてください。

和田山氏:ICJとは2号ファンド、3号ファンドでご一緒してきました。2022年にもアクセラレーターに参加させていただき、その時の結果も良好でした。

今年改めて参画を決めた理由は、今まさにサービス・プロバイダーへの転換に取り組む中で、新規事業の可能性を本格的に探索したいタイミングであるからです。

また、三菱UFJ銀行とは、脱炭素の文脈で協力関係を持たせていただいています。こういった関係値がすでにある中でアクセラレーターができるというのは、一つ大きな価値だと考えています。  

加えて、本アクセラレーターの特徴として、さまざまな仮説出しをしていただけることがあります。単にスタートアップのリストを提供いただくのではなく、各スタートアップとの連携可能性について、AIには出すことができないような示唆を提供いただける点は心強く感じます。

さらに、今回のアクセラレータープログラムの大きなテーマとして、「社会的インパクトの可視化」という点があります。

これまでESG課題に取り組む中で、「財務価値の評価が難しいものにはリソースを割けない」という理由で社内の意思決定が通りにくいことが、一番のボトルネックとなってきました。

そのため、ESGの取り組みの社会的インパクトを金融機関の方に可視化していただける点は、社内を動かすインセンティブになります。また、対外的にも事業の価値を定量化して示すことができる点は、非常に大きな価値を持つと思います。

── MUFG ICJ ESGアクセラレーター2026で、特に注力したいテーマについて教えてください。

和田山氏:今回、当社が注力したいテーマは「次世代エネルギー転換の社会実装」です。いわゆるGX(グリーントランスフォーメーション)の推進が中心になります。具体的には、従来の燃焼系から産業プロセスの電化や、水素などへの熱源転換を実現するソリューションを探しています。     

これまでのGXの取り組みは、CO2排出量の「見える化」やエネルギー利用状況の把握といったフェーズが主でした。しかし、今後はいよいよ実際に排出量を削減していく段階に入っていくと認識しています。その意味で、CO2排出量の削減に直接寄与するサービスは、まず前向きに検討したいと考えています。

一方で、産業プロセスの電化は決して簡単なテーマではありません。製造プロセスの中核に踏み込まなければ現状把握が難しく、技術的な制約も多いため、どうしても時間やコストがかかります。産業プロセスの電化や熱源転換に直接貢献するサービスが理想ではありますが、必ずしもそれに限定するもののみとは考えていません。例えば、AIを活用したデータ解析やデジタルツインといった技術など、間接的にでもお力を貸していただけるソリューションであれば歓迎です。

そうしたソリューションをお持ちの方々とは、ぜひお話しさせていただきたいですね。

また、水素についても、技術そのものに限らず、社会実装を支えるバリューチェーン全体、サプライチェーン全体を支援するソリューションを幅広く探索していきたいと考えています。

──応募を検討されているスタートアップへのメッセージをお願いします。

和田山氏:マーケットに対し深いインサイトをお持ちで、最前線で活躍されている多くのスタートアップの方々とコミュニケーションを取らせていただきたいと考えています。当社が把握できていないような社会課題やソリューションについて、ぜひお聞かせいただきたいです。

齋藤氏:関西電力は大企業で影響力があると思われがちですが、根本的には常にチャレンジャーです。チャレンジャーとしての気概、行動がなければ、淘汰されるという危機感を持って事業創出に取り組んでおり、共通の目標に向けて、同じ目線で事業を推進していけるパートナーとの出会いを期待しています。そして、出会いで終わらせずに、実証や事業化を共に進めさせていただければありがたいです。

※本記事は以上です


<MUFG ICJ ESGアクセラレーター 2026について>

MUFG ICJ ESGアクセラレーター 2026 公式サイトはこちら

三菱UFJ銀行と、ESG領域においてベンチャー投資・事業共創を行うインクルージョン・ジャパン(ICJ)は、人・資源不足の解決に取り組むスタートアップ・中小企業の社会的インパクトを可視化し、大企業との協業の意思決定を加速するプログラム「MUFG ICJ ESGアクセラレーター 2026」を開催。現在、参加企業を募集しています!
公式サイトはこちら:https://www.esgaccelerator.com/

<1/29 キックオフイベント開催!>
【開催概要】
開催日時:2026年1月29日(木) 18:30~20:00 (開場:18:00)
形式:対面 / オンライン
場所:ベルサール虎ノ門 東京都港区虎ノ門2-2-1住友不動産虎ノ門タワー(旧JTビル)2F

【本セッションに参加して得られること】
・社会的インパクト可視化が、なぜスタートアップや中小企業にとって役立つのか
・投資家や大企業が注目する「人・資源不足」スタートアップ・中小企業の具体像
・アクセラレータープログラムの特徴、参加条件、参加して得られることの詳細

【こんな方におすすめです】
・人・資源不足の解決、循環型経済の実現に取り組むスタートアップや中小企業のCxO、資金調達、事業開発担当の方
・社会的インパクト可視化がどのように役立つかの知見を得たい、事業会社のサステナビリティ、CVC、事業開発担当の方
・大企業とスタートアップの協業や出資/資金調達の機会を得たい企業の方

【登壇者】
一般財団法人社会変革推進財団(SIIF) インパクトオフィサー/事業部長 加藤 有也
KIBOW社会投資 インベストメントプロフェッショナル 五十嵐 剛志
株式会社三菱UFJ銀行 サステナブルビジネス部 投資・事業推進室長 谷口 美和
インクルージョン・ジャパン株式会社 代表取締役 服部 結花

キックオフイベントお申込みはこちら
https://share.hsforms.com/1CpbNGbshRpKns_0ZOHmq8ge7nh0

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