企業とNPOをつなぐ架け橋に、ICHI COMMONSが描くサステナブルな世界

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KEPPLE編集部

企業のサステナビリティ活動を支援するICHI COMMONS株式会社が、第三者割当増資による総額約3500万円の資金調達を実施したことを明らかにした。

今回の引受先は、HERO Impact Capital、その他VCや個人投資家。

今回の資金調達により、既存事業のマーケティング活動強化、およびサービスの機能拡充を目指す。

共助共創によるサステナビリティ活動を推進

ICHI COMMONSは、企業のサステナビリティ活動や、企業とNPOなどの社会的事業者の共助共創を支援する企業だ。

同社は企業とNPOのマッチングプラットフォーム「サステナNet」や企業のサステナビリティ活動を可視化する「サステナサマリー」を提供している。サステナサマリーは2023年11月に提供を開始した。

サステナNetは、社会課題解決に取り組むステークホルダーのマッチングプラットフォームだ。「教育機会の地域格差」や「災害対策と復興支援」など50に分類した社会課題解決を目指す、324団体のインタビュー動画や活動内容が掲載される。

同プラットフォーム上では、投票の多かった登録団体に企業が寄付をする「わくわく寄付」も展開する。NPOなどの社会的事業者と連携したい企業のサステナビリティ活動の後押しにつながる。企業の従業員による投票で寄付先が決まるため、従業員の社会課題解決に対する意識の向上に貢献する点も特徴だ。

提供サービス
企業やNPOの連携による社会課題解決の事例は、「サステナPress」で発信している。同社が目指すのは、企業や個人、NPOが共助共創し、社会課題が解決されるサイクルの構築だ。社会課題の認知拡大に加え、解決に向けた取り組みや事例を広く発信することでステークホルダーとのさらなる連携を促す。

今回の資金調達に際して、代表取締役 伏見 崇宏氏に、今後の展望などについて詳しく話を伺った。

企業が模索するソーシャルセクターとの価値ある連携

―― 企業にサステナブルな取り組みが求められる背景について教えてください。

伏見氏:現在、日本は一人親世帯の貧困、少子高齢化などの多くの社会課題に直面しています。これらの複雑な社会課題を解決するためには、一個人、一企業では限界があります。企業・自治体・NPOといった多様なセクターの共助共創による課題解決が重要です。

また、2023年から、上場企業は有価証券報告書の中でサステナビリティの情報開示を行うことが義務化されました。社会風潮として、上場しているかどうかにかかわらず、環境や社会に配慮した経営が求められています。

―― サステナビリティ活動に関する課題について教えてください。

同一の社会課題解決に取り組んでいても、企業や自治体、NPOなどのセクター間で分断が起きていることは大きな課題です。それぞれが単体で課題解決に取り組んでいては前に進みません。

企業の目線では、連携すべきNPOの探し方がわからないことや、社内でも取り組みのインパクトを測ることができていない課題があります。また、企業とNPOの連携には、長期的な両者の信頼構築が重要です。しかし、人事異動により企業側の担当者が変わってしまうと、NPOとの継続的な関係構築は見込めません。

近年では、社会的な風潮もあり、寄付などのサステナビリティ活動に取り組む企業は増えてきています。一方で、社会的責任を果たすだけの目的の寄付には、企業として戦略的な価値はありません。企業の経営戦略として価値のあるNPOとの連携まで行っている企業はかなり少ないと思います。

―― 効果的なサステナビリティ活動を増やすにはどのような取り組みが必要でしょうか?

企業が自社の事業に関連する社会課題を特定し、NPOとの連携が必要な課題と自社で解決できる課題を整理することが重要です。

例えば不動産業界では、年齢や国籍、性別などを理由に賃貸への入居を断られる住宅弱者に対する課題解決に取り組む企業がいます。しかし同時に、住宅建設によるCO2の排出といったネガティブなインパクトも生み出しています。CO2排出を自社だけで抑えることには限界があるため、自然環境の保護をしているNPOと連携するなどの取り組みが重要です。

そのためには、自社の活動を評価するためのデータベースや仕組みが必要です。サステナNetも将来的にはこうした機能拡張を進めていきます。

スタートアップスカウト

日本は社会課題解決の仕組みが作れる国

―― 創業のきっかけを教えてください。

大学時代には教育問題を扱うNPOを設立するなど、以前から社会課題に関心がありました。新卒入社した会社では、海外勤務の選択肢もある中で地方勤務を強く希望したことがあります。その中でセーフティーネットの不足や人口減少などの社会課題を目の当たりにし、強い危機感を持ったことをきっかけに、社会課題にコミットしたいという思いが強くなったんです。

また、インパクト投資の領域で活動をしていた際には、社会課題の解決に取り組む多くの企業やNPOと話す機会がありました。自分が思っていた以上に、多くの人たちが社会課題解決に向けて動いているんだと気づくきっかけになりました。

あまり知られていませんが、日本では法人や個人の寄付額は決して小さな額ではありません。それにも関わらず、誰がどのような思いで寄付しているのかが見える化できていないんです。同じ課題に向けて取り組む企業やNPOも分断されてしまっている。こうした状況は非常にもったいないと思い、まずは活動の見える化をしようとICHI COMMONSを創業しました。

共助共創をサポートし、社会課題解決のサイクルを構築する

―― 資金調達の背景や使途について教えてください。

解決すべき課題を理解して、NPOと連携を進めたいと考える企業はまだ少数です。事業部の責任者や各部署の従業員とのヒアリングなどを通じて、企業が取り組んでいるサステナビリティ活動を整理したレポートを作成するのが、2023年11月に提供開始したサステナサマリーです。

サステナサマリー
自社の活動を可視化することで、企業が現状どのような社会課題に対して貢献しているかや、取り組むべき課題を認識します。自社の状況を認識することで、具体的な課題解決に向けたNPOとの連携を目的に、サステナNetへの流入を促す狙いがあります。

調達資金をもとに、サステナサマリーのマーケティング強化やサステナNetのサービス拡充を進めていきます。

―― 今後の長期的な展望を教えてください。

2024年中には、サステナサマリーの利用企業数100社、サステナNetへの登録団体1500団体以上が足元の目標です。

現在は当社が介在して企業とNPOのマッチングを支援していますが、今後はプラットフォーム上で企業とNPOが能動的にマッチングできるように開発を進める予定です。

加えて、サステナNet上で社会課題に関連したアンケートを実施することも検討しています。その一次情報は、企業やNPOが自分たちの活動の評価や、社会解決型の新規事業の調査検討をする際に役立つはずです。アンケート回答者にとっても、アンケートに回答すること自体が社会課題解決への貢献になります。

サステナビリティの市場は、将来的には大規模な市場に成長するはずですし、成長させる必要があります。そのためには、企業や投資家と共に市場を作り続けなければなりません。社会課題解決のための共助共創や、社会課題解決に向けた取り組みの可視化に関心のある方がいらっしゃいましたら、ぜひお声がけください。

ICHI COMMONS株式会社

ICHI COMMONS株式会社は、社会課題の解決を目指すパートナーに出会えるマッチング・プラットフォーム『ICHI.SOCIAL』を運営している企業。 『ICHI.SOCIAL』は、社会課題の解決を目指す人や組織と企業をつなぐマッチングプラットフォーム。 企業は、企業版ふるさと納税を利用した社会課題解決を目指すプロジェクトに対する寄付や、解決したい社会課題を決め、それに合わせたプロジェクトをコンペ形式で募り、寄付を行うことができる。

代表者名伏見崇宏
設立日2020年1月31日
住所東京都千代田区紀尾井町4番1号ニューオータニガーデンコート12階
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