海外ユーザー比率98%の英会話メタバースfondi、コアな「発信者」ユーザー軸にさらなる事業展開へ

海外ユーザー比率98%の英会話メタバースfondi、コアな「発信者」ユーザー軸にさらなる事業展開へ

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KEPPLE編集部

バーチャル英会話サービスアプリを開発・運営する株式会社fondi(本社:東京都渋谷区、代表取締役CEO:野原樹斗)が、新たに1.7億円の資金調達を実施したことを明らかにした(第三者割当増資:1.2億円、資本性ローン:5000万円)。これによる累計の調達額は約4.2億円となった。

今回のラウンドの引受先はANRIとCyber Agent Capital、Canal Venturesの3社。

「カタコト英語から始まる、バーチャル海外生活」をコンセプトとするfondiは、英語学習者に向けて、英会話の実践機会を安価に提供するサービスだ。ユーザーはメタバースアプリケーション上で、3Dのアバターを介して英会話ができる。

2020年5月のアプリリリース以降ユーザー数は順調に増加し、2024年11月現在、全世界での累計インストール数は200万を突破。海外ユーザー比率は約98%で、東南アジア・中央アジア・北アフリカの10カ国地域のユーザーを中心に人気を集める。

今回の調達資金は、プロダクト開発へのテクノロジー投資や、グローバルチーム組成に向けた採用強化に充当する。

代表取締役のCEO 野原 樹斗氏に、今後の展望などについて詳しく話を伺った。

躍進の鍵はコミュニティ、コアな「発信者」が初心者の拠り所に

――  前回の資金調達から2年でアプリインストールは約6倍になりました。どのような取り組みが影響したのでしょうか?

野原氏:我々が「発信者」と呼んでいるコアユーザーを中心としたコミュニティの力が大きいと思います。fondiでの実践を通じて英会話に自信をつけたユーザーが、イベントの開催や新規ユーザーのサポートをしてくれている。さまざまな人の学習をサポートしてくれる発信者ユーザーは、現在1500人ほどいます。

英会話を始めて間もないと、なかなか自分から実践していくのは難しいですよね。発信者がサポートすることで、ビギナーも安心して英会話に参加でき、慣れるまで続けられます。

他にも、実践スタイルによりメタバース上のエリアを行き来したり、AIと英会話の練習ができたりします。ハードルが低いクローズドな空間で英語を練習してから、複数の人と会話できるオープンなエリアに出て、発信者の助けも借りながら英会話をしてみる。徐々に英会話への自信が身につき、そのうちに気の合う人や楽しい話題を見つけてコミュニティに安心感を覚え、英会話の実践というよりは友達と話しにいくという感覚になります。

こうした発信者を軸としたコミュニティづくりは、特にこの半年程度力を入れて取り組んできました。

教育機関との連携 ユーザーにfondiで「稼ぐ」体験を

――  メタバースを活用した法人・教育機関との取り組みにも注力しています。

海外留学エージェントの「スマ留」様には、専用のメタバース空間を提供しました。留学のコストが上がっているからこそ、留学先での経験をできるだけ有意義にしたいという需要が高まっています。そこを突いて、留学前後のサポートツールとして、fondiで英会話を実践できる仕組みを用意し、留学先で働くことを想定したコミュニケーションの練習などができるようにしています。

スマ留のメタバースキャンパス。用意されたミッションのクリアを目指してAIとの英会話トレーニングに挑戦する(画像:fondiプレスリリースより)

Classy英会話スクール様には、専用のメタバース空間を用意したうえで、fondiの発信者がClassyの生徒専属の「英会話バディ」になるという特別コンテンツも用意しました。Classy英会話スクールの生徒さんは、fondi上で専属バディとの英会話を楽しめます。

fondiの強みであるコミュニティや、3Dのゲームエンジンを使ってコンテンツを作る力を活かしながら、各事業者との連携を今後も進めていきます。

スタートアップスカウト

――  国内に限らず、インドネシアでは従業員向け英会話トレーニングも提供しています。

東南アジア圏やアフリカ圏では、人口爆発により就職難の時代となっています。各国、教育へ投資するニーズが高まり、非常に盛り上がっている状況です。

例えばインドネシアでは、2020年と比較して教育系のスタートアップの数が8倍になるほど、教育や英語学習が重要視されています。一方で従来のオンライン英会話サービスだと金銭的なハードルも高い。そこで従業員向けの英会話トレーニングや英会話研修として、fondiのサービスを提供しています。

国内外にかかわらず、英会話を気軽に実践できるバーチャル空間のニーズは上がってきています。fondiは事業者からシステム利用料をいただき、バディなどの役割を担うユーザーはfondiで稼げるようにすることで価値提供しています。

目指すは1000万DL 発信者を中心とした事業展開へ

―― 調達資金の使途について教えてください。

今回の調達資金は、fondi内のコミュニティをより盛り上げるためのプロダクト開発と、グローバル展開を目指した人材確保に活用します。

発信者ユーザーが初心者の会話をサポートすることで、初心者の英語学習体験のハードルがどんどん下がっていき、発信者自身もメリットを享受しながらコミュニティが盛り上がっていく。こういったエコシステム・コミュニティを作っていくためのプロダクト投資が、fondiの成長の鍵となります。機能としては、fondi内で特定のトークテーマについて会話をする「イベント」機能や、ユーザーの会話をAIがフィードバックする機能などをより充実させる予定です。

さらに、グローバルな展開としてインドネシアやバングラデシュ、パキスタン、インド、北アフリカに視野を広げています。インドネシアにはすでにチームもあります。各国でのコミュニティ形成や事業拡大を進めるためにも、グローバルなチーム組成に投資していきたいと思います。

―― 今後の展望は。

2年後の2026年末までに1000万件のアプリダウンロードを目指しています。そのためには発信者の存在がとても重要です。発信者によるコミュニティ形成があるからこそ、ユーザーにfondiの真価を提供できるのです。

今後は発信者にとってもメリットのある仕組みを用意し、発信者を軸としたビジネスを広げていきます。発信者がさらにモチベーションを感じて活躍できるような仕組みを作りたいですね。プライベートコミュニティでバディなどの役割を持つことで収入を得たり、企業にスポンサーになってもらうことでオフラインの留学ができたり。企業や教育機関と事業提携しながら、発信者を中心にマネタイズするモデルを検討していきます。

さらには、fondiでの実践により英語が上達したユーザーが「英語で何かを学べる」ようにしたいと思っています。大学や教育機関と提携して、バーチャル空間上で大学の授業を受けられるようにできたら、真の意味で「バーチャル留学」の体験に近づけるはずです。そうした未来を見据えながら、発信者への価値提供や事業者との提携に力を入れて取り組んでいきたいと思います。

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