持ち込み即買取の新たな買取サービス「ココウル」、資金調達で導入店舗拡大へ

持ち込み即買取の新たな買取サービス「ココウル」、資金調達で導入店舗拡大へ

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中古品の買取支援サービス「ココウル」運営のOMO株式会社が、シードラウンドの資金調達実施を発表した。本ラウンドの引受先はサイバーエージェント・キャピタルとDual Bridge Capital、NESの3社。累計の調達総額は1億円となる。

同社が展開するココウルは、専門店の買取・下取りを支援するサービス。売主は店舗に行くことなく中古品の査定ができ、査定後に店舗に持ち込むだけで買取が完了する。

ココウルのイメージ画像

今回の資金調達に際して、代表取締役CEOの河野 正幸氏に事業や今後の展望について話を聞いた。

待ち時間なし 持ち込み後即買取でストレスフリー

―― ココウルについて教えてください。

河野氏:ココウルは中古品を簡単に売却できるサービスです。もともとOMOでは2015年に電動工具の買取専門店の事業をスタートしましたが、2023年にこの新しいサービスを開発し、スタートアップとしての展開を本格化しました。

ココウルで主に取り扱っているのはゴルフクラブ。ゴルフ練習場など既存の店舗と提携することで、全国各地にココウルの持ち込み窓口を展開しています。店頭での査定の待ち時間や、査定スタッフの常駐コストを削減しながら、売主の利便性を向上させています。さらに、全国展開を見据えて、幅広い商材に対応できるよう開発を進めています。

―― 具体的な利用の流れは。

例えばインターネットで「ゴルフ 買取」と検索をすると、「ココウル○○店」といった具合にココウルの提携店舗情報が表示されます。そこからHPを経由してLINEに飛ぶと、オンラインの査定スタッフと詳細な査定が実施できる流れです。

LINE画面のイメージ
LINEでオンライン、電話による査定を選択できる

提示された買取金額に合意した後は、店舗に持ち込んで買取依頼書を記入するだけで、後日指定口座に買取代金が振り込まれる仕組みです。ユーザーはオンラインで査定を受け、その後、提携店舗に持ち込むことで即現金化できるため、買取に関する手間が少なくなっています。

―― ココウル導入店舗にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

ココウルを導入するのは既存の販売店などです。導入するとココウルのバーチャル店舗が開設され、「ゴルフ 買取」と検索した際にGoogle マップで買取店としても表示されるようになります。

また、査定などの問い合わせにはココウルが対応するため、導入店舗の負担は店頭で中古品を受け取るのみです。新規出店費用もかからず、中古品の受け取りに対して手数料をココウルから店舗に支払うため、導入店舗にもメリットがあります。

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「手間なく売却」が売主のハードルを下げる

―― ココウル事業開始の背景は。

電動工具の買取事業をしていた際の顧客の声が大きな転機になりました。全国からお問い合わせをいただく中で、遠方のお客様から、買取のために電動工具を配送していただくのはなかなか難しくて。買取サービスとしてはメリットを感じていても、「近くに持ち込める店舗がない」という理由で離脱してしまう層が多かったんです。ココウルのモデルで、専門の中古品に関しても買取をスムーズにできればと事業を構想しました。

―― 待ち時間なく中古品を買い取ってもらえるのは売主にとっては大きなメリットです。

我々がこれまで買取再販事業に取り組む中で、利益を追求するために意識していた成功要因は「優良在庫をいかに大量に仕入れるか」ということ。買取再販の市場には、出張買取・宅配買取・店頭買取が存在しており、その中でも店頭買取の利用割合は全体の76%とされています。そのため、店舗数を増やすことが重視されてきました。

リユース業界全体で見ても、14年連続で成長しています。物価高による消費者の生活防衛意識の高まりもあって中古品の取り扱いも増え、手間の少ない店頭買取がフリマアプリを上回って成長しているんです。

こうした店頭買取における売主のニーズは「信頼できるお店で手間なく売却したい」という点です。一方で、専門家が査定してくれる店舗が近所になかったり、遠くまで押しを運んでも査定の待ち時間が長かったりと、信頼性と効率性を兼ね備えた店頭買取店は多くありませんでした。

また、店頭買取を利用した売主の多くが、金額に満足していない状況もあります。そこで、店舗固定費や常駐スタッフの人件費を削減し、売主が満足できる金額で買取する点はココウルの大きな特徴です。

フリマアプリで出品しづらい専門商材に商機

―― 今後の展望は。

今回、とにかく導入店舗を増やしていくための資金として調達を実施しました。自宅近くのコンビニと同じくらいの距離間で持ち込める店舗を増やさなくてはいけません。そのための営業人材やオンライン査定のスタッフ獲得に注力し、2025年中には導入190店舗を達成したいと考えています。

また、専門商材の拡充も進めていきます。ターゲットしているのは、フリマアプリ等で出品しにくく、なおかつ専門店があるような領域の商材です。電動工具とゴルフ用品以外では、例えば釣具やキャンプ用品、カメラなどを考えていて、次のステップとしてはロードバイクの買取に進出を予定しています。事前に査定して、店舗の駐輪場に自転車を持ってくるだけで買取ができるイメージです。

従来のフリマアプリで売買しやすいものは継続しつつも、「取り扱いに悩む」中古品はぜひココウルを通じて、適正な価格で買い取ってもらう体験をさまざまな方に届けたいと思います。

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