日本円ステーブルコインを実社会へ──JPYC、シリーズB累計約60億円 実店舗・物流連携を推進


ビットコインを活用した決済インフラを開発する日本ビットコイン産業株式会社は、フルグル合同会社とANAPライトニングキャピタル(以下、ALC)を割当先とする総額約8億円の第三者割当増資を実施することを決定したと発表。出資は全額ビットコインによる現物出資で行われ、給付予定日は2026年11月2日。あわせて、ALCとライトニングネットワークのルーティング事業に関する業務提携基本契約を締結した。
日本ビットコイン産業は、ビットコインの高速・少額決済を可能にする「ライトニングネットワーク」を活用し、国内事業者が海外の顧客から代金を受け取るための決済インフラを開発している。同社によると、関連技術を自社サービスで約2年間運用し、送金経路の管理や決済に必要な流動性の確保などに取り組んできたという。
国内のコンテンツ販売事業者にとって、海外からの代金を受け取る手段の確保は課題の一つとなっている。国際カードブランドや決済代行事業者の規約によって、一部のコンテンツの決済が制限されるケースもある。同社は、既存のカード決済と併用できる新たな手段として、ビットコインの活用を進めている。
ライトニングネットワークは、個々の支払いをビットコインのブロックチェーンに記録せず、参加者間に設けた「決済チャネル」を通じて送金する仕組みだ。少額の支払いを短時間で処理できることから、店舗やオンラインサービスでの活用が進められている。同社は、事業者がAPI※を通じて既存の決済システムに追加できるライトニング決済サービス「aurora」などを開発している。
今回出資するフルグルは、ビットコイン関連企業への投資を手がける米国のFulgur Venturesの日本拠点で、今後は技術者の育成や情報発信に関する協業を協議する。
一方、ALCとの業務提携では、同社が保有するビットコインを、日本ビットコイン産業が運用するライトニングネットワークの決済経路に流動性として配置する。これにより、ネットワーク上で支払いを中継するルーティング事業の基盤拡充を図る。
今回の現物出資によって取得するビットコインは、ルーティング事業に必要な流動性の確保や、決済インフラの開発、人材育成などに活用する方針だ。今後は「aurora」をはじめとするサービスの機能強化を進め、国内事業者が海外顧客から代金を受け取るための決済手段の拡充を目指す。
※ API:異なるソフトウェアやシステム、Webサービス同士が機能やデータをやり取りするための仕組み。
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