株式会社ディッシュウィル

11月26日(水)、シードスタートアップに特化したピッチイベント「LAUNCHPAD SEED 2025 Powered by 東急不動産株式会社」が開催され、AI×グローバルEC OS「Lingble」を運営する株式会社リングブルが優勝した。
LAUNCHPAD SEEDは、グローバルVCのHeadline Asiaが運営する国内最大級のスタートアップカンファレンス「IVS」による、シードステージのスタートアップに特化したピッチイベントだ。会場の東京ポートシティ竹芝ポートホールでは、壁一面のスクリーンを使った大迫力の映像演出の中、約200名の投資家が見守る中でピッチが行われた。
数百社の応募から厳選された11社による6分間のピッチが行われ、11名の審査員による審査の結果、株式会社リングブルが優勝を手にした。
同社が運営する「Lingble」は、中小ブランドのグローバルEC展開を支援するプラットフォーム。代表の原田真帆人氏は、自ら日本デニムブランドを立ち上げ海外展開した経験から、法律対応や返品交換、時差を超えた顧客対応など、海外進出の困難さを身をもって経験。「海外展開には優れたガイドがいない」というフラストレーションから同社を創業した。
現在同社は、グローバルEC運営に必要な全プロセスを統合する管理基盤と、15年間のグローバル展開ノウハウを学習したAIコパイロットを提供。LVMH、デサントなど要求水準の高いブランドを支援し、クライアント企業は平均3年で3〜10倍の成長を実現しているという。
優勝した原田氏は「受賞できるとは全く思っていなかった。日本には素晴らしいものがたくさんあり、これを世界中に届けていきたい。今回の受賞に勇気づけられた」とコメントした。
また、第2位にはプラントベースフードを手がける株式会社ディッシュウィルが入賞。輸送用コンテナ内の植物工場で大豆を水耕栽培し、露地栽培の50〜100倍の収量を実現。脳科学を活用した独自の美味しさへのアプローチで、リッツ・カールトンやパレスホテル東京など五つ星ホテルでも採用されている。
代表の中村明生氏は「次はシリーズAに向かって、(LAUNCHPAD本戦に)出たい」と意気込みを語った。
第3位には、アジアと中南米の貿易を再定義するサービス「J-Planet」を運営するAndes株式会社が選ばれた。同社はオーディエンス賞、東急不動産賞も同時受賞し、三冠を達成。ブラジルと日本のハーフである代表の藤田徹氏は、自身がブラジル人として現地法人を設立できる強みを活かし、日本企業の中南米進出をワンストップで支援するサービスを展開する。
藤田氏は「ブラジルと日本は約1万8000km、飛行機で30時間。今晩9時頃にブラジルのチームが起きてくるので、ポルトガル語で報告したい」と喜びを語った。
イベントの終盤には、次回のIVS開催に関する発表が行われた。2026年のIVSの舞台は前回に引き続き「京都」となり、2026年7月1日(水)〜3日(金)に開催される予定だ。
IVS LAUNCHPADは、2007年に初開催され、「スタートアップの登竜門」として数多くの登壇企業がその後の急成長を果たしてきた。今回は「日本から世界へ」というグローバル視点を持つスタートアップが高く評価される結果となった。今回登壇した各スタートアップのこれからの成長に注目したい。
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