11月29日、シードスタートアップに特化したピッチイベント「LAUNCHPAD SEED 2023 Winter Powered by 東急不動産株式会社」が開催され、トラックドライバーを中心としたドライバーマッチングプラットフォーム「ドライバーダイレクト」を運営する株式会社ドライバーテクノロジーズが優勝した。
LAUNCHPAD SEED は、国内最大級のスタートアップカンファレンス「IVS」による、シードステージのスタートアップに特化したピッチイベント。会場の東京ポートシティ竹芝ポートホールでは、投資家による壁打ち企画やエキシビションピッチなど多くのコンテンツが設けられ、メインコンテンツ開催前から大きな盛り上がりを見せていた。
多くの観客が会場、そしてYoutube配信で見守る中、事前審査を通過した9社による6分間のピッチが行われ、特別審査員の審査の末、IVSのインターンとして運営にも携わっていた川島康平氏率いる株式会社ドライバーテクノロジーズが優勝を手にした。
物流業界では、働き方改革関連法によって2024年4月1日以降ドライバーの年間時間外労働時間の上限が規制される、いわゆる「2024年問題」など、深刻な人手不足に直面している。各社ともドライバーの採用に力を入れているが、トラックドライバーにおいては複雑な資格形態となっており、既存の採用サイトでのマッチングでは難しい点があった。
同社が運営する「ドライバーダイレクト」は、ドライバーに特化したサービスとして地域や保有資格で探すことができるとともに、専用チャットなどでアドバイザーによる支援も行い、これまで大手求人サイトが取り込めていなかった市場に着実に入り込んでいる。また、全国の稼働していないトラックをネットワークし、適切な配送案件をマッチングする「配車クラウド」を運営するなど、周辺領域で既に複数のサービスを展開しており、日本の物流業界が抱える配送リソース不足の解決を目指す。
また、準優勝に輝くとともに、観客の投票によって決定されるオーディエンス賞、そしてタイトルスポンサーである東急不動産賞には、ホテル・旅館の施設管理SaaS「HoteKan」を運営する株式会社FRINGEが獲得した。
優勝 :株式会社ドライバーテクノロジーズ
ドライバーのマッチングプラットフォーム「ドライバーダイレクト」を運営する株式会社ドライバーテクノロジーズ
準優勝:株式会社FRINGE
ホテル・旅館の修繕状況に基づいた施設管理サービス「HoteKan」を運営する株式会社FRINGE
また、次点および各賞は以下のとおり。
第3位:codeless technology株式会社
オーディエンス賞:株式会社FRINGE
東急不動産賞:株式会社FRINGE
イベントの終盤には、次回のIVS開催に関する発表が行われた。2024年のIVSの舞台は前回に引き続き「京都」となり、2024年7月4日(木)〜6日(土)に開催される。
IVS2024 KYOTO / IVS Crypto 2024 KYOTO(仮称)
日程:2024年7月4日(木) 〜 6日(土)
場所:京都パルスプラザ 他
オフィシャルサイト:https://www.ivs.events/ja/2024
IVS LAUNCHPAD は、2007年に初開催され、これまで通算5000社以上のスタートアップがエントリー。「スタートアップの登竜門」と呼ばれ、数多くの登壇企業がその後の急成長を果たしてきた。今回登壇した各スタートアップのこれからの成長に注目したい。