1on1支援のシンギュレイト、約4500万円の資金調達で組織開発支援を加速

1on1支援のシンギュレイト、約4500万円の資金調達で組織開発支援を加速

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1on1支援サービスを提供するシンギュレイトは、プライムパートナーズおよび複数の個人投資家を引受先とする第三者割当増資により、総額4481万円の資金調達を実施した。これにより、累計調達額は7681万円となる。

同社は、人的資本経営を目指す企業向けに、1on1ミーティングを通じて組織文化の開発を支援するサービス「Ando-san」を提供している。Ando-sanは、1on1ミーティングの対話を科学的に分析し、可視化するサービスだ。発言時間や会話パターンを解析し、効果的なフィードバックを提供する。ゲーム感覚の「トロフィー」機能や管理機能も備え、1on1の質向上を支援する。ほかにも、組織内の信頼を可視化し、イノベーション創出の可能性を診断する組織診断ツール「イノベーション・サーベイ」も提供している。

代表取締役の鹿内 学氏は、大学院生・教員として約10年間、認知神経科学の基礎研究に従事した。2015年よりビジネス分野に軸足を移し、新規事業開発に取り組む。2016年11月には会社員として働きながら、複業としてシンギュレイトを起業した。学術的知見とビジネスの経験を融合させ、組織変革に取り組んでいる。

近年、デジタル化の加速に伴い、日本企業は「2025年の崖」と称される重大な岐路に立たされている。経済産業省の試算によれば、DX(デジタルトランスフォーメーション)対応の遅れにより、年間12兆円の損失が予想されている。この課題解決には、従業員を単なる労働力としてではなく、「人的資本」として捉え直すことが不可欠である。しかし、組織開発に取り組む企業の65.2%が1on1研修を導入しているものの、多くが形式的な運用に留まっており、科学とデータに基づくアプローチが求められている。

今回の資金調達により、以下の3つの戦略的取り組みを進める予定である。

1. プロフェッショナル・サービスとシステム・サービスの統合による新たなビジネスモデルの確立:学術研究に基づく組織の可視化や、対話の行動変容を促す直感的なUI/UXの実装、セールスからデリバリーまでの一貫した運用体制を構築し、企業への新規導入を推進する。

2.「信頼・主体性」のマネジメントの理論的深化と民主化:組織変革の学術的知見の理論化を進め、人事部門に限らず、あらゆる部署が変革のためのマネジメントを導入できるツールを整備する。

3. 人的・組織的資本の強化と拡大:データサイエンス人材の育成や、組織的な学習基盤の強化を図り、積極的な人材採用を通じて、人的・組織的資本を拡大する。

今後も、学術とビジネスの強固な連携により、組織は新しい変革の可能性を広げていく方針だ。今回の調達資金を活用し、プロダクト開発や人材採用をさらに強化し、より多くの企業の組織文化改革を支援していく。

画像はシンギュレイト HPより

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