英語学習アプリ「レシピー」のポリグロッツ、2.2億円を調達——AI英会話機能の強化と事業拡大へ

英語学習アプリ「レシピー」のポリグロッツ、2.2億円を調達——AI英会話機能の強化と事業拡大へ

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英語学習アプリ「レシピー」を提供する株式会社ポリグロッツは、総額2.2億円の資金調達を実施した。今回の資金は、事業拡大やAIを活用した新機能開発、人材採用、法人・教育向けサービスの強化などに充てられる予定である。

ポリグロッツは2014年に設立され、英語を中心とした語学学習支援サービスを展開している。主力サービスの「レシピー」では、ニュース記事など多様なコンテンツを活用し、「読む・聞く・書く・話す・語彙・文法」の6技能を強化することを目指している。アプリには、AIによる個別最適化カリキュラムの自動生成機能をはじめ、記事の音声化、日本語訳、練習問題作成などの学習支援機能が搭載されており、個人利用に加えて法人や教育機関向けにも展開されている。

教育機関向けの「レシピー for School」では、生徒ごとの学習進捗に合わせた支援や、教員による課題管理の効率化を可能にする仕組みを備えている。

2025年4月には、新たにAI英会話機能「プロフェッショナル英会話」を有料プランで提供開始した。この機能では、ビジネス、接客、行政、医療、製造業など14分野以上の職種別シナリオに対応し、ユーザーがAIとのロールプレイ形式で英会話を練習できる。英語が即座に出てこない場合には日本語で話しかけることもでき、その場でAIが英訳を提示するため、実践的なアウトプットと理解の両立が可能となっている。会話終了後には、語彙や表現の改善点に関するフィードバックや、今後の学習アドバイスがAIから提供される。

この新機能の実装により、教材を使ったインプット中心の学習に加えて、実践的な英語運用能力を鍛えるアウトプットの機会がアプリ内で提供されるようになった。

代表取締役の山口隼也氏は、大学卒業後にウッドランド(現フューチャー・アーキテクト)およびイプロスでチーフアーキテクト/CTOとして活躍。海外ビジネスの経験を通じ、英語学習の困難さを痛感したことをきっかけに、「グローバルビジネスの世界で活躍する日本人を増やしたい」との強い想いからポリグロッツを創業した。語学教育とテクノロジーの融合による革新的なアプローチを追求している。

英語学習アプリ市場は近年拡大を続けており、総務省の調査では国内の語学学習アプリ利用者は数百万人規模に達している。日本でも、AIやビッグデータを活用した個別最適化型の学習への関心が高まり、企業による人材教育や英会話力強化のニーズも根強い。Duolingo、スタディサプリENGLISH、アルクなど国内外の競合も多く、日本人特有の課題に対応した学習支援や継続支援の工夫が各社で進められている。

AI英会話機能においても、OpenAIのAPIを活用したチャット型英会話や自動採点機能などが複数のサービスに導入されており、個別最適化や即時フィードバックを求めるユーザーの期待が市場全体で高まっている。

今回の資金調達により、ポリグロッツは人材採用や組織拡充に加え、法人・教育分野への事業展開をさらに推進する方針だ。また、学習データを活用したプラットフォーム事業の強化や、AI技術を取り入れた新機能の開発にも取り組む。

AIの進化とともに、英語学習の個別最適化や即時フィードバック、シミュレーション型学習は今後も発展していくと予想される。教育機関や企業の現場でも、学習効果や継続率の向上、他社との差別化が重要視されており、今回の機能強化と資金調達によって、同社は英語学習市場での競争力を一層高める構えだ。

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