高校新卒の就職を支援、アナログな就活指導に新たな解決策を提示

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KEPPLE編集部

高校生の就職活動環境におけるDXサービスを提供するENTLI株式会社がシードラウンドにて、第三者割当増資による資金調達を実施したことを明らかにした。

今回のラウンドでの引受先は、おおさか社会課題解決2号ファンドとクオンタムリープベンチャーズ。

今回の資金調達により、今年度は関西圏を中心に導入校150校、導入企業160社を目標とし、5年以内にオールインワンプロダクトの提供を目指す。

高校生の就職をサポートするHRサービス

同社が提供するentli for Schoolは、高等学校で就職指導を担当する教員と、就職を希望する生徒向けのHRサービスだ。2022年7月に提供開始し、現在は関西圏を中心に全国で40校が導入している。

これまでファイリングされていた紙の求人票をスキャンして、entli for Schoolにインポートすることで、担当教員の処理業務負荷を軽減する。また、生徒はスマホから求人情報を閲覧できるため、企業探求の利便性が向上する。

サービスイメージ
今年5月には、企業向けに求人票の閲覧状況を可視化するentli for HRbizを提供予定。求人票を学校へデータで送付できるほか、採用サイトなどの情報提供も可能となる。

今回の資金調達に際して、代表取締役CEO 本吉 東行氏に、今後の展望などについて詳しく話を伺った

60年変わらぬアナログな高校就活

―― これまで、高校新卒の採用にはどのような課題がありましたか?

本吉氏高校生の就活には、60年変わらない学校斡旋という仕組みがあります。一社専願かつ短期間の就活で、学校側の対応業務は先生がすべて担います。企業の求人は、郵送または直接学校に訪問しない限り先生には届かず、生徒も先生に聞かなければ情報は手に入りません。しかも、求人案内はすべて紙ベースというアナログな状態です。

先生は、届いた求人票を取捨選択し、データ化、配布、ファイリングして、やっと生徒との面談サポートに進めます。先生がすべての起点なので、企業の採用活動が解禁されていても、ファイリングが終わるまで生徒に求人情報は一切案内されません。限られた時間がさらに短くなってしまっています。

就活に関する先生方の事務作業は、ピーク時は月120時間に上ります。時期的に夏休み前でもあり、保護者との面談や成績処理など、休み前に終わらせる必要のある学校のコア業務で多忙な中、企業も訪問して来るため、教員総出で対応している状態です。

高校新卒の課題
生徒は大量の求人票ファイルや先生が作った一覧表を見ても、どのような企業が自分に適しているかわからず、調べ方もわからないため、うまく企業を探すことができません。また、企業のネームバリューに引っ張られる傾向も大きく表れてしまいます。

企業は求人を紙で渡しているため、どの学校でどんな生徒が閲覧しているのかわかりません。それを確かめるため、1校あたり複数回訪問し、先生とコミュニケーションを重ねる企業もあるほどです。100校以上に訪問する企業もあり、企業側の負担も大きくなっています。

スタートアップスカウト

―― 創業のきっかけを教えてください。

創業前に、高校生の就職支援を行う会社に8年間従事し、執行役員、取締役などを歴任してきました。高校生向けの広告を企業に提案していたのですが、広告の対象となるのは学校の先生であり、ほとんど見られていないことがわかりました。生徒が先生の勧める学校に就職するという、学校斡旋による一人一社制の慣習があるからです。

自分の仕事が、企業への価値を最大限提供できているのか疑問に感じたと同時に、未来の子どもたちに同じ経験をさせたくないと思いました。もちろん今の環境を全部否定するのではなく、いいところは残し、変えるべきところは変えようと考えて創業に至りました。

振り返ると、高校生の就活は私にとって身近なものでした。私は工業高校から大学に進学しましたが、同級生はほとんど高卒で就職していたからです。地元に帰って、高校生の就活の話をすると「まだ自分たちの頃と同じだ!」と言われます。特に意識していませんでしたが、これも創業のきっかけとしてあったのかもしれません。

―― entli for Schoolをリリースしてから、周囲の反応はいかがでしたか?

際に学校で行動変容が起きたと聞き、大きな価値を提供できたのが嬉しかったです。求人票のファイリングをやめた学校では、生徒自身が自分の重視する軸で企業情報を検索できるようになり、以前よりも企業探求に対する自主性がアップしたそうです。先生は早く帰れるだけでなく、生徒に向き合う時間も増えた結果、質の良い就職指導ができるようになったと聞いています。

高校就活に関するすべてを良くする

―― 資金調達の背景や使途について教えてください。

entli for Schoolは、学校に一定の価値を提供できつつある使用頻度の高いツールになってきました。今後さらなる展開を考え、機能拡充、サービス品質の向上、使いやすいプロダクト開発のために資金を使用します。今年5月からは企業への展開も始まるため、エンジニア、セールスの採用強化も目指しています。

―― 今後の長期的な展望を教えてください。

短期的には、entli for Schoolを学校の先生方と生徒に、entli for HRbizを企業に選ばれるツールにすることです。高校生の就活において、これがあれば困らないというサービスにしたいですね。現在、entli for Schoolの利用料は無料ですが、新機能の追加などに応じて有料化の計画もあります。

中期的には、当社のサービスで高校生の就活にまつわるすべてが便利になる世界を実現します。今、私たちが取り組んでいる課題は氷山の一角にすぎません。学校でのアナログな就職指導や、企業に高校新卒の採用チームが組成されていないケースの多さなど、課題は山積みです。5年以内には、高校生の就活全体を網羅できるオールインワンのプロダクトを作りたいと考えています。

長期的には、現在の高校就活のベースとなっているルールを刷新したいと思っています。従来のアナログな業務を減らし、生徒が自分で企業とやり取りできる環境を整えれば、先生は必要な生徒に対して手厚いサポートができるようになります。学校がセーフティーネットとして機能するような、新しいルールを作りたいです。

ENTLI株式会社

ENTLI株式会社は、高校生向け求人サービス『entli for School』・企業向け採用支援サービス『entli for HRbiz』を運営する企業。 『entli for School』は、高校生の新卒求人票のデータをスキャンしてデータ化するクラウドサービス。手書きやFAXなどの求人票を読み取り、一覧表作成・データの分類・生徒への共有などをクラウドで管理できるため、求人票整理などの自動化が可能。 『entli for HRbiz』は、高校新卒採用を検討する企業向けの採用支援サービス。求人票のデータや会社案内などの資料を対象の高校向けに送信してデータ共有するほか、データへのアクセス数などを把握できる。

代表者名本吉東行
設立日2021年1月18日
住所大阪府大阪市中央区久太郎町4丁目1-3大阪センタービル6F-161
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