ソルビファイが1.7億円を調達、AIによるITプロジェクト管理の自動化技術を拡充

ソルビファイが1.7億円を調達、AIによるITプロジェクト管理の自動化技術を拡充

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ソルビファイ株式会社は、ジャフコグループをリード投資家とし、サムライインキュベートを引受先とする第三者割当増資を行い、累計1.7億円の資金調達を実施した。

2023年9月設立のソルビファイは、AIを活用したSaaSプロダクト「SolvifAI」の開発・提供を主力事業としている。SolvifAIは、システム開発やハードウェア開発における要件定義書やRFP(提案依頼書)などの成果物をAIが自動生成し、プロジェクト管理業務の一部も自動化するサービスだ。これにより、プロジェクトマネジャー不足や、現場で発生する情報共有の遅延、引き継ぎ時の判断ミスといった課題への対応を目指す。これらのAI自動化機能は特許出願中であり、ユーザー企業固有のフォーマットや業務状況に柔軟に適応できる点が特徴となっている。

代表取締役CEOの湯淺元祥氏は、マッキンゼー・アンド・カンパニーなどコンサルディング企業で従事した経験がある。COOの染谷凌大氏も同様にプロフェッショナルファームでの経験を経て創業に参画した。

ソフトウェア開発やDX支援の現場では、IT人材の不足、特にプロジェクトマネジャーや要件定義を担う専門人材の不足が深刻化している。一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会による「企業IT動向調査報告書2025」では、システム開発プロジェクトにおける品質・予算・工期の目標達成率が過去10年で10~30%台に低迷していることが示されている。要因の一つには、要件定義の複雑化や属人的な上流工程管理が挙げられている。さらに、近年は生成AIの進展にともない、従来型のAIだけでは現場業務の自動化や効率化が十分に実現できないケースも増えている。

プロジェクト管理やドキュメント自動生成の分野には、国内外のスタートアップや大手ITベンダーが参入している。海外ではGitHub CopilotやAtlassian製のAIツール、日本ではヌーラボやBacklogがプロジェクト管理領域で一定の認知を得ている。しかし、現時点で大手製品は限定的である。

今回の資金調達を受け、AI適用領域の拡充と体制強化を図り、DXの成功確率を高めるための基盤づくりにいっそう注力する構えだ。

今後の課題としては、AIによる判断結果の妥当性担保やセキュリティ対策、既存ベンダーとの協業モデルの確立が挙げられる。また、ユーザー企業ごとのカスタマイズニーズが高まる中、独自技術の開発スピードや、ユーザーサクセス支援体制の整備が事業成長の鍵を握る。

IT・DXプロジェクト支援ツール市場は成長が続いており、今後も生成AIの活用範囲拡大とあわせて、実効性の高いソリューションが求められている。

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