Asterminds、シードで1.1億円調達 「深くスケーラブル」な企業向けAIヒアリングを展開

Asterminds、シードで1.1億円調達 「深くスケーラブル」な企業向けAIヒアリングを展開

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企業向けに一次情報収集をAIで自動化するプラットフォームを開発するAsterminds株式会社は、デライトベンチャーズおよびDNX Venturesを引受先とするシードラウンドで総額1.1億円の資金調達を実施したと発表した。調達資金はプロダクト開発の強化、エンジニアや事業開発人材の採用、エンタープライズ顧客基盤の拡大に充当する。

2025年8月に創業した同社が手がけるのは、AIヒアリングエージェント「InTake」だ。マーケティングリサーチ・人事ヒアリング・内部監査・業務改善(BPR)など、様々な場面で生じる一次情報の収集をAIが自律的に担う。

生成AIの普及により、CRMなどの構造化データやメール・マニュアルといった非構造化データの活用は急速に進んでいる。一方で、現場に眠るノウハウや顧客が抱えるペインなど、「まだデータになっていない一次情報」の収集は今も大部分を人手に依存しているのが実情だ。

Astermindsが収集を自動化する一次場情報
画像:同社提供

従来の情報収集手段としては、対面ヒアリングやアンケート調査が挙げられる(右図)。対面ヒアリングは深い情報を得られる反面、コストと工数がかかってスケールしにくい。アンケートはスケールが比較的容易な反面、得られる情報が浅くなりがちである。このミッシングピースを狙い、「深く、かつ広く」という両立を狙ったプロダクトがInTakeだ。

InTakeに調査の目的や対象者の属性、ヒアリングの前提知識となる関連マニュアルなどを入力すると、AIが質問項目・分岐ロジック・深掘りシナリオを自動生成し、自律的にヒアリングを行う。回答内容に応じて追加質問もリアルタイムで生成されるため、目的に沿った深い情報を引き出せるという。

個別の回答はAIが即時に議事録化・要約し、全体の結果はインサイトレポートとしてまとめられる。同社によると、従来のアンケートと比べて平均約5.5倍の情報量を収集でき、対面ヒアリングに近い情報密度を実現しているとのことだ。

InTakeの特徴
画像:同社提供

β版リリース以降、大手企業を中心に、管理職500名規模の業務棚卸ヒアリングや、数千名規模のAI活用のユースケース調査など、大型案件での導入が進んでいる。現在の主な顧客層は従業員1000名以上の大企業で、現場実態の把握に課題を持つ組織からのニーズが高い。

ビジネスモデルは、プロダクトライセンス契約と、収集した一次情報を活用するコンサルティング・BPOの2段階構成。経営コンサルティングやセルフサービス型アンケートを含む国内の「インサイト産業」の市場規模は約5000億円とされており、同社はその代替市場を狙う。

代表取締役の本多真二郎氏は、三菱商事でAI・デジタル関連の事業開発に携わった後、米マサチューセッツ工科大学(MIT)の大学院に留学。在学中に生成AIを活用した音声AI英語学習アプリを開発・資産譲渡した経験を持つ。CTOの加賀谷諒氏は、Yahoo入社後にログラスへ移り、LLMチームの立ち上げや新規AIプロダクト開発を手がけてきた。両氏は創業前に、米Vercel主催のアクセラレータープログラム「Vercel AI Accelerator 2025」に日本から唯一採択されている。

今回の資金調達を機に、Astermindsは採用および組織体制を強化するほか、エンタープライズ顧客基盤の拡大を加速させる方針だ。今後は業務ヒアリングや内部監査など用途別のユースケースモジュールを拡充し、監査報告書の作成など後続プロセスとのシステム連携も視野に入れるとしている。本多氏は「AIネイティブなデータ収集の入口を押さえ、組織が “正しい問い” を立て、 “正しい判断” ができる世界の実現に向けて全力で取り組む」と意気込みを語った。

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