マンスリーレポートでは、2024年12月の日本のスタートアップ市場を資金調達動向の観点から振り返る。あわせて、注目の調達案件を踏まえながら、スタートアップ市場の直近のトレンドを解説する。なお、本データは公表資料をもとに作成しており、資金調達額には融資も含む。
未上場企業の資金調達動向
ケップルの調査によると、2024年12月の日本のスタートアップの資金調達総額は819億円(前月比58%増)、資金調達件数は156件(前月比1%減)だった。過去6か月間の月次資金調達金額推移は以下の通りとなった。
前月比、前年同月比共に調達総額は大きく増加した。この増加は、シンジケートローンを含む融資を用いた100億円以上の大型資金調達が4件あったことに起因する。
調達件数は前月比、前年同月比で微減したが、引き続き安定して推移している。
過去6か月の合計では、調達総額は4,629億円で前年同期比31%増、調達件数は998件で前年同期比7%増となった。資金調達が冷え込んでいた昨年と比べ、2024年下半期は徐々に資金調達額が回復してきているのが覗える。
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Writer
高 実那美
株式会社ケップル / Data Analysis Group / Database Division / アナリスト
新卒で全日本空輸株式会社に入社し、主にマーケティング&セールスや国際線の収入策定に従事。INSEADにてMBA取得後、シンガポールのコンサルティング会社にて、航空業界を対象に戦略策定やデューディリジェンスを行ったのち、2023年ケップルに参画。主に海外スタートアップと日本企業の提携促進や新規事業立ち上げに携わるほか、KEPPLEメディアやKEPPLE DBへの独自コンテンツの企画、発信も行う。