企業向け生成AI開発のAuthenticAI、シードラウンドで約7000万円を調達ー開発強化と市場展開を加速

AIを活用した間取り自動作成サービスを展開する株式会社まどりLABOが、ANOBAKAを引受先とするシードラウンドで、1750万円の資金調達を実施した。AIを活用した間取り自動作成サービスを展開する同社は、今回の調達資金をサービス開発、販路拡大、およびマーケティング活動の強化に充てる方針を示している。
2025年3月に設立されたまどりLABOの主力サービス「まどりLABO」は、施主が土地情報や希望条件を入力することで、AIが短時間で複数の間取り案を自動生成する仕組みである。施主は生成された案から好みの間取りを選び、複数の建築会社に一括で見積もりを依頼できる。
従来の注文住宅市場では、施主が要望を具体的に伝えられない、あるいは専門知識が不足しているといった課題が存在していたが、同社のサービスはその解決を目指している。建築会社側にとっても、施主の希望が可視化されることにより、効率的な商談やマッチングが可能になるという。
注文住宅市場の現状を見ると、人口減少や高齢化、建設コストの上昇などの構造的な問題が長期化している。国土交通省によると、2023年度の新設住宅着工戸数は約81万戸と減少が続いている。特に注文住宅は分譲住宅など他のセグメントと比べて減少傾向が顕著であり、個人の多様なニーズへの対応や業務の効率化が業界全体の課題となっている。
こうした背景のもと、住宅・不動産テック分野では、間取りデータのデジタル化やAIを利用した設計支援サービスが注目を集めている。例えば、大手不動産情報サービスグループでは、間取図特徴抽出AIモデルの特許を取得し、物件情報の入力作業やデータ管理の効率化を進めている。また、海外では初期設計の自動化ツールや、業務効率化を目的としたSaaS型サービスの展開も進んでいる。しかし、一般施主が専門知識不要で複数の間取り案を短時間で作成し、相見積もりまで一括で行えるサービスは国内ではまだ少ない状況だ。
まどりLABOはAIによる間取り自動生成技術の精度向上を進めており、多様な生活スタイルや敷地条件への対応を強化している。さらに、ハウスメーカーや工務店との提携を拡大し、施主に対する選択肢の幅を広げる取り組みも行っている。全国規模での提携推進や施主への認知度向上策として、展示会出展やマーケティング活動も計画中である。
代表取締役の野口雄人氏は、建築設計の実務経験を持ち、2025年にまどりLABOを設立 。起業のきっかけは、家族の注文住宅設計をサポートする中で、専門知識がない施主が理想の間取りを具体化する難しさに直面したことによるものだという。
住宅業界が今後直面する課題としては、少子高齢化による住宅需要の減少や、施主側の知識不足、多様化する価値観への柔軟な対応、IT人材の不足などが挙げられる。その一方で、AIやDX(デジタルトランスフォーメーション)の導入による業務効率化や新たなユーザー体験の提供が、競争力を維持するための重要なテーマとなっている。
今回の資金調達によって、プロダクトの機能開発やマーケティング活動をさらに加速させる方針だ。
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