猫好きの心を掴むブランディング、「食事」と「医療」の両輪で事業づくり

猫好きの心を掴むブランディング、「食事」と「医療」の両輪で事業づくり

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KEPPLE編集部

目次

  1. 猫に特化したフレッシュフードブランド
  2. HPには「猫向け」ページも、ブランド戦略に特徴
  3. 食事と医療で猫を幸せに
  4. 猫の「ライフスタイルブランド」に

キャットフードを開発・販売する株式会社uniam(ユニアム)がシードラウンドにて、第三者割当増資および金融機関からの借入による6000万円の資金調達を実施したことを明らかにした。

今回のラウンドでの引受先は、W fund、ANOBAKA、G-STARTUPファンドの3社。

今回の資金調達により、商品ラインナップの拡充やマーケティング機能の強化を目指す。

猫に特化したフレッシュフードブランド

uniamが販売するのは、猫の身体特性や食性に基づいて開発されたフレッシュキャットフード。フレッシュフードは、人間になじみある食材を使用し、保存料、香料、着色料など不要な添加物を使わず加工したペットフードだ。

フードを食べる猫たち

フードは衛生面に配慮し、低温調理や瞬間冷凍で作っている。無料のフード診断に回答することで、獣医師のコメントを添えて最適な食事プランが提案される。合成保存料は使用せず、冷凍された状態で自宅まで届く。

スマホでのプラン提案画像
年齢や体重、体格に合わせてプランが提案される(画像:uniamプレスリリースより)

uniamがフレッシュフードの販売を開始したのは2023年2月。今後はおやつピューレなどのフード拡充に加え、爪とぎやフードボウルなどのインテリア商材の販売も開始する。

今回の資金調達に際して、代表取締役CEO 杉本 亜衣氏に、今後の展望などについて詳しく話を伺った。

HPには「猫向け」ページも、ブランド戦略に特徴

―― uniamの特徴について教えてください。

杉本氏:我々は、猫に特化して商品開発やブランディングを行っています。猫の身体特性をとことん研究し、味わいや香り、食感などにこだわっているのが大きな特徴です。汎用的なレシピをベースに食品を変えてメニューを増やすのではなく、「このお肉にはこの脂質」といった具合にすべてのレシピを細かくコーディネートしています。

ブランド作りにも工夫があります。ナチュラル・国産などを押し出す他ブランドとの差別化として、ポップな色遣いや遊び心あふれるデザインで消費者にアプローチしているのです。

こうした仕掛けは商品のパッケージやブランドブックなど、さまざまな場所にちりばめられています。本来飼い主が知っているべき情報を楽しく提供することで、より良いご飯を与えることにつながり、結果的に猫が健康になっていくような効果を狙っています。

猫向けページの画像
HPには猫向けページを用意するなど独特な訴求がされている(画像:uniam公式HPより)
スタートアップスカウト

食事と医療で猫を幸せに

―― ペットフードは犬向けをメインとする企業が多いように思います。

犬は雑食性で比較的なんでも食べる生き物な一方、猫は好き嫌いが激しく嗜好性も高い。そのため、商品開発のハードルが犬よりも圧倒的に高いんです。

特に資金や時間が限られるスタートアップにとって、猫に特化して事業展開するのは中々困難です。だからこそ、商品も多く出回っている犬向けフードから事業開始する企業が多いのだと思います。

一方で米国を見ると、犬向けフレッシュフードから猫向けフードに乗り出した企業のほとんどが猫向けの事業を潰しています。それほど両立する難易度が高いのです。

こうした背景もあり、今では世界的に猫専門のブランドが増えています。今後この波は日本にも来るはずです。その中で、uniamは代表的なブランドとなるべく取り組んでいます。

―― 創業のきっかけは?

私は幼稚園のころから猫が大好きで、そのころから獣医師を目指していました。夢を叶えて獣医学科に進学したものの、その中で獣医業界自体の課題もたくさん見えてきました。

幼いころから志していた職業なだけに、現状を知って業界をより良くしたいという使命感が芽生えるようになりました。病院勤務ではなく、ビジネスの視点から業界の負を解消できないかと考えたのが起業のきっかけです。

また、飼い猫の死を経験したことがあります。そこから、病気になってから対処するのでは限界があると考えるようになりました。私が実現したいのは「より多くの猫を救う」こと。毎日の健康は良い食事からつくられるという考えの元、キャットフードから事業を開始しました。食事と医療の両輪で事業を作ることで、同時に獣医業界の負も解決していきたいと思っています。

猫の「ライフスタイルブランド」に

―― 調達資金の使途について教えてください。

実はこれまで、広告費用を一切かけていませんでした。今後は市場拡大を目指し、広告を含めたマーケティング戦略を強化していきます。また、フレッシュフード以外にも、新商品が次々と登場する予定です。手始めに、6月から健康にも配慮したおやつとしてピューレの販売を開始します。

ピューレを食べる猫の写真

―― ライフスタイル事業への進出も発表しました。

この一年でお客様から多く寄せられたのが、「uniamの世界観が好きなので、グッズ販売を切望している」という声です。飼い主の要望を反映した商品作りをしようと、第一弾として爪とぎボックスとフードボウルの販売を予定しています。

アイテムの写真

猫の健康には、食生活だけでなく住環境も非常に重要です。食事と医療の軸はぶらさず、猫のライフスタイルブランドを目指しています。フレッシュフードと合わせて爪とぎなどの消耗品を提案することで、さまざまな層からの認知獲得やクロスセルを狙っていきます。

―― 今後の展望を教えてください。

まずはフードを拡充し、今期中には主食の商品ラインナップを固める予定です。おやつのフリーズドライやドライフードも順次販売を予定しており、猫専門ブランドとしての独自性にこだわりながら差別化を図ります。

また、猫に関するさまざまな悩みに応えるフードも展開します。具体的には、ダイエット用やデンタルケア用などの機能性フードや、特定の病気に対応する療法食など、幅広いラインナップを提供していく予定です。ねこの飼い主の独特なニーズを捉えることで、uniam独自のコミュニティを作っていきたいと考えています。

これまでのペットビジネスは犬を中心に考えられていました。猫に特化したフレッシュフードを提供する企業として、uniamは競合他社とは異なる存在になるポテンシャルを大いに秘めています。今後のuniamに期待していただけると嬉しいです。

Startup Spotlight

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