大型調達はなかったものの、調達件数は堅調
マンスリーレポートでは、前月の日本のスタートアップ動向を大型調達を中心に振り返る。また、東証グロース市場の動向も取り上げる。グロース市場は、スタートアップの主要な出口手段であり、米国と比べて小規模でも上場がみられるため、投資家が注目すべき市場と考える。
KEPPLE REPORTをダウンロードすることで以下の情報をご覧いただけます。
・2024年2月の資金調達額上位10社の一覧
・2024年2月の資金調達額上位3社の詳細な情報
・アナリストによる上場市場の動向も含めた詳細な分析
フォームより情報を登録いただくことで、レポート全文をPDFでご覧いただけます。
フォームはこちら
未上場企業の資金調達動向
前月の日本のスタートアップの資金調達総額は279億円(前年同月比49%減)、資金調達件数は149件(前年同月比18%増)だった。過去6か月間の月次資金調達金額推移は以下の通りとなった。
調達総額は、直近6か月で最も少なく、昨年11月以来の前年同月比減少に転じた。直近では、50億円以上の調達がない月は少なく、大幅減となった。調達総額が同水準であった22年12月も大型調達がなかったが、その後リバウンドしており、調達総額の弱さは一過性である可能性が高い。
過去6か月間の月次資金調達件数推移は以下の通りとなった。
調達件数は、1か月ぶりに前年同月を上回った。調達総額の弱さが一過性と考えられる理由として、調達件数が多く、スタートアップ市場は堅調であることがいえる。
過去6か月の合計では、調達総額は2,892億円で前年同期比22%減、調達件数は904件で前年同期比2%増となった。調達総額は減少傾向が続くものの、調達件数は前年同期比でプラスに転じており、小型案件を中心に調達ニーズが強いと推察される。