中小型案件の寄与で調達件数が前年同月比プラスに転換
マンスリーレポートでは、前月の日本のスタートアップ動向を振り返る。未上場企業の大型調達を中心にピックアップする。また、上場企業では、成長著しい企業が多いものの、日経平均などに比べて取り上げられる機会が少ない東証マザーズ/グロース企業に着目する。
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・2023年10月の資金調達額上位10社の一覧
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未上場企業の資金調達動向
前月の日本のスタートアップの資金調達総額は680億円(前年同月比36%減)、資金調達件数は174件(前年同月比12%増)だった。(KEPPLE集計)
2022年10月は、2件の大型調達(UPSIDERの467億円の融資、自然電力の200億円の転換社債型新株予約権付社債)があり、前年同月比のハードルが高かったといえる。2023年9月に2件あった100億円を超える調達がなかったにも関わらず、2か月ぶりの増加に転じている。中小型案件が調達総額を押し上げており、スタートアップ市場にとって明るい材料である。
調達件数は、過去6か月で最多となった。また、過去6か月間で初めて前年同月比がプラスに転換した。小型案件や調達額不明の案件が下支えとなっている。これらの案件は、グロース市場の低迷や金利上昇などのマイナス影響を受けにくかったと考えられる。
過去6か月の合計では、調達総額は3,797億円で前年同月比20%減、調達件数は927件で前年同月比6%減となっており、調達総額の下落幅が大きい。レイターステージの大型調達が減少していると思われる。一方、海外のスタートアップ市場と比べると、落ち込みが少なく、日本のレイターステージの企業が少ない特性や小型案件の活発化が背景にあると推測される。